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72-65候  麋角解(おおしか(さわしか)のつのおつる)

 冬 冬至 24節気72-65候  麋角解(おおしか(さわしか)のつのおつる)

 鹿の角は切らなくても毎年2〜3月頃に自然と落ちて、春にはまた新しい角が生えてくるのだそうです。ではなぜ奈良の鹿は角切りをするのか?それは、秋の発情期の頃の事故を防ぐための処理だそうです。

 で、本当は立春の頃に落ちる角が、72候ではなぜにこの冬至の候に落ちるのでしょうか?
 それは、鹿の種類が違うのだそうです。麋角解(おおしか(さわしか))とは、大型の鹿の一種、ヘラジカまたはオオジカのことだといわれています。一般に奈良の鹿は日本鹿で、トナカイの種類であるヘラジカやオオジカとは大きく違うということです。

 ヘラジカは、北米ではエルク、ムースと呼ばれ、ユーラシア大陸北部の針葉樹林に生息しています。日本ではもちろん、七十二候が作られた中国でも見られない動物が、なぜ七十二候のひとつに数えられているのでしょうか。

 「角がシカ、首がラクダ、蹄(ひずめ)がウシ、尾がロバに似ている」といわれる中国の珍獣、シフゾウ(四不像)であるとする説。シフゾウ(四不像)というのは和名で、中国では「麋鹿(ミールー)」が正式名称、「麋」という字が入っていますね。中国にも生息しているこの鹿の角が落ちるのが冬至の頃とされています。

 このシフゾウ、野生ではすでに絶滅しており、現在は動物園で飼育されている個体のみだそうです。国内の動物園でも見られるそうですが、まさに伝説の珍獣なのですね。江戸時代、日本人はこの七十二候を見て、遠い大陸のまだ見ぬ動物に想いを馳せ楽しんだのかもしれません。

 さて、 麋角解(おおしか(さわしか)のつのおつる)
 近ごろ、C国人による奈良の鹿いじめが噂されていますが、鹿もさるもの、C国語が聞こえると身を守るかの仕草で遠のくとききました。

 「君子、危に近寄らず」
 「触らぬ神に祟りなし』
 なんとも日本らしいニホンジカではありませんか(笑)
 

2024年12月26日(木) 【旧暦 霜月26日】


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