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今、医療と介護の現場で起こっていること。介護施設でzoomがなかなか使えないワケ。
このコロナの時代になって、医療と介護の現場で起こっていること。それは、「親と子、夫と妻が会えない」ということです。
市内の病院のHPを見てみましたが、入院患者さんとの面会禁止と書いてあるところが多いです。
介護施設でも、入居してしまうと家族と会えなくなる場合が多いです。もちろん、多少違いはあるかもしれませんが。
介護施設でも、zoomを使ったらいいんじゃないか?という意見がSNS上でありました。実は私も、以前はそう思っていました。でも、実際のところ、それがけっこう難しいということがわかってきました。
入居を考えるようになる、主な要因は、「自宅での生活が困難になってきた」ということだと思います。
①体力が落ちてきた。体が動かなくなってきた。
②認知症になって、家事などが出来なくなってきた。
以上の2点が大半かなと思います。
施設での入居者さんたちは、程度の差はありますが、ほとんどの方が認知症かと思われます。
まず、認知症がひどい方になると、「テレビ電話」というもの自体、認識が出来ません。目も悪い方が多いので、画面自体も見えているのか、認識出来ているのかさえわからない、といったことがあります。
アクリル越しの面会であっても、面会の相手がマスクをしていると、それだけでも家族と認識できない場合もあります。認識能力が衰えるのです。
そして、実際の面会であれば、ご家族の方が入居者の方を見ているので、特に問題はないのですが、zoomでの面会となると、職員が一緒についていなくてはならない、といった問題もおこってきます。忙しい介護の現場で、何分も1人だけの対応をするのは、大変な時もあります。また、WiFiの環境を整えなくてはならない、という問題も。
1人で携帯を使え、zoomを立ち上げることができる人であれば、なんの問題もないのでしょうが、認知症の方はそもそも、携帯を使うことすら難しいのです。
以上のようなことがあり、zoomでの通話は、普通にパソコンを使ったり、携帯を使っている人と違って思った以上にハードルが高いのです。なので、家族が入居している施設で、すんなり面会が出来なくて不満のある方もいらっしゃるかと思いますが、現場でのこのような状態を理解していただけたらと思います。とは言え、今は介護現場もzoomなどの導入が増えてきていると思います。
ということで、うちの父親も、そろそろ在宅での生活が辛くなってきているのですが、父と母が会えなくなる今の状況では、もう少し頑張ってもらいたいなと思っています。