大学中退の留学生でも雇用できるのか・在留外国人&外国人支援者向けニュースレター#85

日本の大学に通うためにやってきた留学生が大学を中退してしまった場合、そのまま就労ビザに変更して働くことができると思いますか？

一般的に就労ビザとして取得されることが多い「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、通称学歴ビザとも呼ばれるように学士や修士等の学位を取得している必要があります。

そのため、大学を中退してしまったら就労ビザに変更できないと考えるのが通常です。

しかし、よく調べずにあきらめるのはまだ早いです。

本人の経歴をよく確認してみてください。
就労ビザに変更できる場合があります。

下記に該当する場合は、在留資格を取得できる可能性があります。

①母国で大学を卒業している
外国の大学を卒業している場合でも、就労の在留資格を取得することができます。
1つ注意点としては、海外の大学の中には日本の基準で大学として認められていないものもありますので、大卒として認められるかどうか確認が必要になります。

②短大を卒業している
短期大学を卒業後、大学に編入しているケースもあります。短大も「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するための学歴に含まれるため、ビザを取得できる可能性があります。

③日本の専門学校を卒業している
日本の専門学校を卒業し専門士の称号を持っている外国人の場合、専門学校で学んだ専攻に関連する職務内容であれば、在留資格を取得できる可能性があります。
※外国の専門学校は含まれません

④実務経験が10年以上ある
学歴要件を満たさない場合でも、実務経験が10年以上あるケースでは在留資格を取得できる可能性があります。
実務経験の期間を証明できることが条件です。

〇大学を中退した場合の注意点
大学を中退してしまうと留学生ではなくなってしまいます。
大学を中退した後3ヶ月以上、何も活動を行っていないと「留学」の在留資格が取り消しの対象となってしまいます。（在留資格を取り消される可能性が出てきてしまう）

就労ビザに変更可能なケースでは、速やかに就職先を見つけて在留資格を変更する。または、転入先の大学を見つけるなど何らかの行動を起こす必要があります。

在留資格のことで困ったときは、早めに相談してくださいね。