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【読書記録】自分とかないから 教養としての東洋哲学
先日、がっつり自己啓発本を読んだら、自分がいかにダメな働き方をしているか改めて考えてしまって、自分てなんてダメなんろう・・・とメンタルが追いつかなかった。
そんな時に限って子どもが体調を崩したり、仕事も大変なことあったりで、なんとなく落ちていた。
(本は面白い内容だと思うので、エネルギーがある時に読んだ方がいいと思う。元気になったらもう一度読もう。)
で、ちょっと疲れたしどうしようかな、と思って読んだ本。
なんか難しそうな東洋哲学系の本にしては、表紙もゆるいし、Amazonレビューも高評価で、しかも筆者が東大卒こじらせニートって、おもしろいかもしれない、と手に取ってみることに。
結果、今年一番笑った。
本を読んで声出して笑ってしまった。
病んでる人は読んだらいいと思う。
気持ちがすごく楽になったので、記録。
虚無感
「好きなことみつけよう」 「強みをいかそう」 「成功しよう」
ぜんぶ、生理的に無理になってた。 いまこの言葉にふれるだけで、虚無感が10倍増しになりそう。
まさに自分が現在この状態に陥っていて、弱っているんだと感じていたから、筆者がこの心境で本を書いているなら読めるかも、と思った出だし。
ぼくは学者でも僧侶でもないので、東洋哲学を「ひとりの無職がこう受け取ったんだな」とおもって、気楽に読んでくれたら嬉しいです! それでは、これから7人の「東洋哲学」の哲学者を紹介します。 ぼくが、7人の哲学をしって、どんなふうに「虚無感」から回復したかも書きます! ひまだったら読んでみて!
何だこのゆるさ。
(ちなみにこの本の監修の先生は70代でバク転できる京大名誉教授らしい。
さらっと書かれてたけど、そこもめちゃくちゃ気になった。)
7人の東洋哲学者
こうして、始まった本の中で、7人の東洋哲学が紹介されていく。
むかーし昔、学生の頃に歴史の授業で習ったような人もいれば、初めて聞く人もいた。
そもそもブッダとかも、具体的にどうだったかとか日常生活に関連なさすぎて、あまり深く知ろうとしたこともなかった。
そんな昔の偉い人の考えを、一言ずつで表すと、こうらしい。
ブッダ「自分なんてない」
龍樹「全部、空」
老子「ありのままが最強」
荘子「この世は夢」
達磨「言葉はいらねえ」
親鸞「他力本願でOK」
空海「欲あってよし」
7名それぞれを筆者が、とにかくとっつきやすく解説してくれている。
その中で、自分的に面白いなーと思ったのが、龍樹という人の話。
龍樹 この世界は、空である
龍樹は人間的には相当終わっている人らしい。
だけど天才で、論破者で、そして、世の中を空として説いた。
大胆にいってしまおう。 龍樹は「空」の哲学で、こういいたかったのだ。 この世界は「ディズニーランド」みたいなもんである。
この世界は、言葉の魔法が生み出した幻とのこと。
例として、ファミチキがあげられていた。
みんなだいすき「ファミチキ」である。 蝶ネクタイの服をまとったようなポップでかわいらしいデザインだ。 しかし、冷静になってほしい。 これは「鳥の死体」である。 それが、ペラペラの包装紙1枚に「ファミチキ」とかけば、親しみやすくてポップな幻があらわれる。 ぼくらはチョロすぎる。 「ことばの魔法」のまえに、あまりに無力なのだ。
例としてファミチキをあげられているぐらいが、理解の助けになった。
「自分は才能が無い」だから「仕事ができない」 龍樹は、こういうまちがった思考を、「戯論」とよんだ。 「クソしょうもない考え」という意味だ。 自分で「クソしょうもない考え」の中にはいりこんで、でられなくなっているのが、ぼくたちの姿なのだ。
この世界は空で、幻で、つまり全ての悩みは成立しないらしい。
深い。
わかりそうでわからなそうだけど、なんか大丈夫な気もしてくる。
そもそも、できないとか、持ってないとかは、縁次第でどんどん変わっていくから、変わらない、普遍的なものとかないらしい。
最近は、ワンオペも多くて、自分で自分を追い込んで疲れてきているところがあって、結構物事を斜に捉えていた。
同じような職場のワーママの先輩はあんなにできているのに、とか、何で働き方改革で若手ばっかり優遇されるような仕組みになるのか、とか、とにかく全てに対して卑屈だった。
けど、龍樹に言わせれば、そんなのは、そもそも成立しない悩みで、クソしょうもない考え、らしい。
人と比較するとか、人のこと羨ましく思うとか、そうゆう次元の話ではないということがなんとなくわかった。
まとめ
他の考えも、とにかく、とっつきやすく、そして面白く解説してくれていた。
すぐに読めて、心が軽くなった。
なんだ、自分の悩みとか、小さいっていうか、そもそも成立しないじゃん、となんとなくだけど一歩脱出した感じ。
あれこれ忙しくて考え込んでしまった年末には自己啓発書よりもおすすめでした。
ちなみに、この本の元になったのはこちらのnoteだそうです↓
これも声出して笑って読んでしまった。
しんめいPさんありがとうございました。
noteから、本を出版できるようになるなんて、夢のある話だなー