【スリル・ミー】田代&新納ペア
スリル・ミーは何やら凄いミュージカルらしいという評判と、MAで目を惹かれた万里生さんが伝説の初演コンビで出演するらしいという情報だけでチケットを取って観劇しました。
そう、ストーリーを一切予習せずに。
(地獄の幕開け)
お前…そんな子犬みたいな笑顔で……恐ろしい子………。直近に見た井上芳雄さんのコンサートでキャッピキャピでキュルッキュルの可愛らしい万里生さんを浴びていたこともあって、私の狂気にぶん殴られました。
とんでもないものを観てしまった…とは思ったんですが、配信で2回目を観て少しは噛み砕けたなと思ったので感想をしたためます。
この作品って実際の事件を元にしたミュージカルなんですね(そこからか)史実だと彼だけでなく私もニーチェの超人思想の信奉者だったらしく、彼の前で無知な振る舞いをしていたことですらフェイクだったんじゃないかと思って震えました。そもそもシカゴ大学の法科大学院に通って、11カ国語も話せた私ならニーチェくらい嗜んでるだろとは思う。
超人思想に染まっていた私が、彼こそが"超人"だと一目惚れをして、彼自身にも自分は"超人"なんだと思い込ませて…でも途中で『自分こそが"超人"なのでは?』と思い至る流れだとするとまじで私が怖すぎる。
もう一点ゾワっと来たのが、『あんなことが起きなければどんなに良かったか』って台詞がめちゃくちゃ他人事なこと。罪を犯すことへの恐怖、社会から外れることへの恐怖はあるように思うけど、子供を殺したことへの罪悪感とかないんだろうなあ…罪悪感があるならスリルミーの世界に子役が入ってくるんじゃないかと思うんですよね。でも私と彼の二人だけの世界だから他のものは見えない。
二人だけの世界だからこそ、私にとっては彼に関わってくるもの全てが邪魔だったんだろうか。彼は交友関係が広いのでまたフラッといなくなって一生帰ってこない可能性もあるし、彼が離れていってしまう可能性があるから、彼を籠の鳥にする機会を狙ってのかな。彼の心が離れていってしまっても構わないから、最終的に心中するか(死刑になるか)刑務所で一緒に暮らすかというルートを選ぶ私、ヤンデレが過ぎる。その極みが99年〜♪と歌ってるの時の表情だと思います。恍惚とした笑みが忘れられない。完全勝利宣言。君を手に入れた。
彼が私に『お前は永遠に孤独だ』と言っているから彼の心は離れていってしまってるけど、それでも構わないっていうのが、ある意味"究極の愛"なのか…。
そして最後には彼はあの世へ逃げていってしまう。シャワールームで彼が死んだ時どんな気持ちだったんだろうか。彼の永遠は手に入れられたから満足だったのか。『自由…?』の表情がその答えだと思うけど複雑すぎて読み取りきれなかった。情報量が多すぎる。(何回でも観たいので円盤ください。2回じゃ足りないんだ…!)
以下、心の叫び