「私」を作った漫画たち

今ではほとんど漫画を読まない私ですが、学生時代は毎日のように読んでいました。
少女漫画も少年漫画も気にしない、乱読タイプです。
それが今では気になるものしか読まないという…。
人って変わるものですね。

今回漫画について書こうと思ったのは、面白そうなタグを見かけたからです。
#私を構成する5つのマンガ
こういうお題があるといろいろと書きやすいですね。どうせなら私の青春だった漫画を書いていきたいと思います。

1作目はなんといっても「天使禁猟区」です。
作者は由貴香織里さん。今でも時折読み返す漫画です。
主人公の刹那が大災害で死んだ妹を救うために天界へ行くのですが、天界と地獄の抗争に巻き込まれたり、自分と妹の誕生の秘密に触れたりするストーリーです。絵がとにかく美しくて、キャラクターも魅力的だったので惹かれました。キャラクター一人一人の背景もきちんと描かれているので、敵側の人物にも思い入れがあります。
この漫画と出合ってから美意識に目覚めたように思います。

2作目は「エスペランサ」作者はかわい千草さんです。
この作品はいわゆるBL作品というものになると思うんですが、優しさと暖かさに満ちていました。
人を傷つけることを極端に怖がる優等生のジョルジョは、大人の描く「いいこ」として生活しています。そこに現れた転校生のロベールは、正反対の乱暴な性格でした。しかもロベールは学園長の息子。なのにそれをひけらかすこともせず己を貫いています。ロベールと接するうちにジョルジョも自分の感情を伝える大切さを知ります。
この作品と出合って音楽作品が好きになりました。
ジョルジョは後にピアニストとしての道を歩むんですが、それは「101番目のアリス」でも描かれています。

3作目は「ベルサイユのばら」池田理代子さん。
もともと有名で名前は存じていましたが、読んだことはなかったです。しかしある時から文庫マンガブームが私の中に巻き起こり、まず手にとったのが「ベルサイユのばら」でした。内容は説明せずとも知っていると思いますが、男装の麗人であるオスカルと幼馴染であり従者であるアンドレのロマンスがとても素敵でした。アンドレの失明しながらもオスカルに仕える姿に胸が痛くなったのを覚えています。
池田先生の作品は本当に素敵で、「オルフェウスの窓」も読みました。こちらも男装の麗人や決められた未来など、とても魅せられる設定とキャラクターに夢中になりました。

4作目は「鬼組」という長編漫画です。作者は藤井克己さん。現在は改名されて壱口とおるさんと名乗られているようです。
この作品は大人しかった当時の私に衝撃を与えました。内容はある地域での暴走族の抗争ですね。こう書いてしまうととても簡単に思われるんですが、チームが多いんですよね。その一つ一つに思惑があって、裏工作もあり喧嘩アリで…。そのうえイケメンぞろい。男同士の友情もかっこよかったです。
ザ・喧嘩漫画って感じですが、これも私の青春です。
ちなみに、まだ完結はされていないです。「鬼組」は全18巻。その後に出た「鬼組 The revolver」こちらは全9巻でしょうか?本誌での連載は打ち切り?のような形で終わったみたいです。私は単行本派だったのでそのあたりの事情は詳しくないのですが、まだ途中だったので是非とも続きを出していただきたいですね。

5作目はとても迷いました。好きな作品が多すぎなんですね。
その中でもずっと持ち続けている漫画を紹介したいと思います。
「SHIMABARA」作者は藤田貴美さんです。
題名に書かれているように舞台は島原。江戸時代に天草四郎の反乱で起こった天草一揆をモチーフにしています。主人公は天草四郎。子供の頃からがなり立てるような声に頭の中を乱されて、ろくに眠ることもできません。
しかし祭り立てられるように戦の渦中に飲み込まれていきます。四郎を見守る幼馴染のゆりは不安の瞳で見つめます。しかし動き出した運命は止まらず、大きな悲劇をもたらします。それが四郎にとって救いになるのか…。最後に感情を吐露するシーンは涙なく見られなかったです。
歴史とはドラマである。それが私が歴史を好きになった理由のひとつかもしれません。「SHIMABARA」で描かれた天草四郎は人外感がとても強いのですが、それがまたIFのストーリーとしてドキドキ感を作り出してくれます。
すべてを見通すような瞳で、自分の悲劇を見通してたのかもしれません。そう考えるとたまらなく悲しい気持ちになります。

5つの作品を見ると、友情とかドラマを感じる作品が多いと思います。
この作品たちが私の礎になったといっても過言ではありません。
語り尽くせないもどかしさもありますね。

今回は5つの漫画を上げていきましたが、機会があればもっと紹介していきたいと思います。
まだまだ紹介したい漫画はたくさんあります。
拙い紹介ではありますが、読んでいただきありがとうございました。

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