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600ページ超の「スマホ用クイズ問題集」をつくった
「スマホ用問題集」について
以前開催した「IRODORI ONSTAGE」という大会は、大会記録集(クイズ問題はもちろん、点数や"押した箇所"まで記す)を大会終了後4時間で「即出版」することができ、ありがたいことに販売開始ツイートにもいくつかの反応をいただきました。最新刊ながら「saQunaのクイズ屋さん」最多売上200部も突破しています。ありがとうございます!
さて、このたび、「IRODORI ONSTAGE 公式記録集【速報版】」に付随する形で「スマホ用問題集」をリリースいたしました。これは、記録集を購入いただいた方は無料でダウンロードできるものです。
購入された方の中で、まだダウンロードしていない場合はぜひ「スマホで」開いてみてください。このスマホ用問題集は、「1ページが縦に長い(横:縦=1:1.78)」「1ページに1問だけ載っている」ことが特徴です。それゆえ、ページ数は問題数にほぼ等しく、全部で600ページを超える、おそらくこれまで世に出てきた競技クイズの問題集では最多級のページ数になったと考えています。
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経緯
このようなものを作るに至ったのは、「スマホで問題集が読みにくい」という気づき、そして反省があります。
現行の問題集を世に出す方法としては、ものの数年で電子出版がメインとなりました。一方で、現在BOOTHやQ宅を中心に流通するPDFの問題集は、「紙で印刷されることを前提としたレイアウト」になっていることが多いと思います。この「印刷前提レイアウト」は例えば、「問題番号|問題文|答え」という3列のレイアウトや、縦置きでありA4もしくはB5の紙面サイズ(近年では横置きのものも増えましたね)といった要素を持つものです。従来の印刷を前提とした設計ならこれで問題はありませんでした。
しかし、それに慣れ親しんだ人が設計をなぞって再生産している現在では、電子出版がメインとなっています。この設計はスマホで読むにはやや不向きです(工夫によって不向きでないようにしている例もある。後述)。
縦長の紙面をさらに縦に区切り、そこに問題文を入れると、必然文字サイズが小さくなります(このレイアウトのまま文字を大きくすると、逆に行数が不必要に多くなってしまう)。印刷を考慮して「余白」を入れている場合はなおさらです。
読むときに「字が小さい」と感じたり、オフラインでの「フリバ」で問題を読んでもらうときにスマホへ保存されていた問題集を読みにくそうにしていたり……と自分が経験してきたことはいくつかあります。BOOTHでダウンロード商品を登録したことのある方ならきっと見覚えがあると思いますが、「購入者の約60%はスマホを利用している」ので、このようなBadな体験をした方がほかにいるとも考えました。
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ただ、このようなことを考えつつも、私が「即出版」した先述の記録集は、まさに3列という「印刷前提レイアウト」でした。「得点表示プログラムと連動して同時に記録集が生成される」という機構を作りながらも、出力されるものが検討対象のモノそのものだったわけです。反省!
「スマホで読みやすいものがあったらいいな~」という思考段階でnoteを書こうとも考えたのですが、いったん具現化して周りの皆さまへ見てもらうために、テストとしてスマホ用問題集を作成した経緯があります。まずは行動ですね(ちなみに現在編集中の【完全版】はまた異なるレイアウトになる予定です。お楽しみに)。
工夫はほかにもある
レイアウト以外にも、行間や字間、フォントなど、問題集を編集するにあたってぜひ多くの方に検討していただきたい要素は多数あります。
また、「印刷前提レイアウト」であっても、考えられた書体・フォントサイズや工夫によって、スマホでも十分に読みやすいものが多く発行されていることは補記しておきます。具体的な「工夫」としては、
UDフォントを使う(小さくても読みやすい)
文字サイズをWordでいうところの16px程度に大きくする
問題の背景の色を1問=1行ごとに変える(全体的な視認性UP)
3列レイアウトを辞め、問題文の下に改行して答えを記す
あたりが注目した表層デザインでした。これらは特に、編集を担当された方の思いが込められていると(勝手に)感じ取り感動した覚えがあります。
レイアウトを大きく変えるのは従前の作業が大きく変わる(元データのExcelが表形式であり、それをコピペするところからスタートしている例が多いだろう)ため負担も大きいですが、「問題の良さ」に関心を向けがちな界隈で、こういった少しの工夫も評判として広まっていけばよいな、と思っています。
これからも多くの人に問題を届けるために、思いついたデザインを実践していきたいと思います。
ヒントと宣伝
スマホ用問題集は、あらかじめWordで1ページだけ設計した枠とExcelでの問題データがあれば「差し込み印刷」の機能で簡単に作成することができます。
また、作成代行もある程度請け負っておりますので、ぜひお声かけください(最近はなかなか忙しいので急ぎのものはNGですが……)。よろしくお願いいたします。
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