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作問メモ

「作問」という言葉がある。あんまり聞いたことないかもしれない。[名](スル)試験問題などを作ること。「入試問題を—する」(デジタル大辞泉)。先生はよく使うんだろうか。

しかしクイズが好きなぼく(ら)もこの二字熟語をよく使う。使うし、もっぱら「クイズの問題をつくること」の意味に限定して使う。
これには、クイズを趣味としているひとたち同士の「クイズを解く⇔クイズを出す」という相互扶助的な関係が背景にある。

となると、「作問メモ」という言葉もある。クイズに出せそうな言葉などを記録しておいたものだ。
クイズをつくるのはけっこう難しい。読み上げ式の早押しクイズの場合は、「前から順番に聴覚のみの情報が与えられる」という構造を前提として文章を組み立てないといけないから、どの情報をどの表現でどの順番として並べるのか見極めがいる(もっとも、ここまで気を張らないといけないのはフローに沿って優勝者を決定する類のクイズ大会くらいのものだとも思う)。

で、そんなけっこう難しい作問の前段階、「卵」となるのが作問メモ。PCでクイズの問題文をつくるにあたってのネタ帳である。

汚い字でごめん……

会社に入るや否や日経新聞を読むことを半ば強要された3年前の自分は、ノート(小学生用の英語練習帳がちょうどよかった)に新聞を読んで気になった単語とかアイデアとかをひたすら書いていた。「美白」はたぶん「最近表現が見直されている」みたいな前フリにしようとしている(カギカッコつきなので)。「232→169→17」はたぶんSDGsを「232の指標、169のターゲット、17のゴール~」みたいな文頭で出そうとしている。「本格炒め炒飯」はもう出した。

卵は半分孵らない。だいたいTwitterに放流される。かなしいね。

さて日経新聞も解約した今はというと、スマホのChromeでネタをとりあえず検索してタブをひたすらに残し、それを同期したPCで開いて、作問したり諦めたりしたら[×]でそのタブを閉じるという様式に変えている。街なかでもメモできるがメモリは食う。

クイズ大会の運営で忙しかったけれど1ヶ月ぶりくらいに作問するか、とChromeを開き、とっくに100枚を超えて「:D」表示となったタブたちの先頭を確認すると、「市ヶ谷駅から東京駅」という検索履歴が出てきた。

そういえば去年の11月から今年の1月までの3ヶ月だけ、仕事の都合で関東に住んでいた。
タブをめくっていくと、行きたかった喫茶店が閉まっていてやむなく入ったカレー屋に印象的な絵が飾られていたときの【多田恋一朗 とは】、池袋で友だちと食事をする日に必死に入力した【いけふくろう どこ】、解法がすごすぎてファミレスでデカい声を出しそうになった(出した)持ち帰り謎解き『Toyfactory』のクリアページ、なぜか出勤前に点けていた「シナぷしゅ」でとつぜん曲が流れた【ポップしなないで】、関東の改札機に関西のICOCAをかざしたからこその【改札 SF 何の略】などが、メモとして、ときにメモではないものとして保存されていた。

いやいや[×]押せないって!!!!!!!!!!!!!

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さくな
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