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#舞台蚕の夢 感想

#番ボ10周年 #舞台蚕の夢
番町ボーイズ☆結成10周年記念公演

「蚕は桑の夢を見る」

観劇しました!
番ボCHANと番ボスペースで見たい回をご用意いただいて本当に幸せです…!
楽日は絶対落としたくなかったので、最初から一般?で申し込んだくらい楽しみにしてました。
というか、年末のライブで披露された朗読劇の段階で2024の夏が楽しみで仕方なかったです。
しかも、全員兄弟。
主役の長男を回替わりで修司くんと松島くんが演じる。
松島くんが、演じる。
開示される情報で期待値が楽しみが更新され続ける日々。

あらすじが発表される前は、家に閉じ込められた兄弟たちが出ていくための物語とか? なんて妄想したりして。
あと、記事やマネさん筆頭に「長男は今まで見たことない松島勇之介」って紹介されてそわそわ。ドキドキしてました。

いざ、26日、松島一夜の初日を観劇。
推しの初めての主役を観行けること自体、幸せなんですが。
出会うタイミングとかあるじゃない?
その上で。

最高だった。

いや、見始めたときは、トラウマ発動ッ!って苦しさがあって結構ヘビィだったんですが。
(マジで自分の父親を思い出しました)
今まで見たことない松島勇之介ではあったけども、凄く納得もしてて。
写真集トワイライトの影響も少なからずあるな、と思うのだけど。
それは、受け手である私の感覚であって、当て書きといわれている脚本にはトワイライトの影響はないとは思っています。
そう考えると、堀越さんの慧眼というか、人を見透かす見通す力が凄いのだと思います。
三鶴とにしけんさんのリンクとか、ね。

マカバイ記2の7章から始まる物語。
私は「マカバイ記」がすぐに覚えられなくて、ふぉろわさんが教えてくれた時にその場でググりました。
蚕の一生をなぞるような内容で、かつ兄弟とリンクするようなお話。
仲睦まじいと思いきや、凧の糸の絡まりを取ろうとした善意や自分より高く上がる凧にキレる一夜の姿から物語が始まる。
ああ、この人は自分の立場を上に置きたいのだなと分かるやり取りから始まるので、人間関係が分かりやすくて入りやすかったです。
田舎では、きっとこんな関係に似たような状態はあると思うんだよね。
最中にいると、おかしい、苦しい、しんどい、と思っていても、日々が進むので、否応なしにやらなくてはならないことをやるしかなくて。
おかしい、苦しい、しんどい、の中でも、笑顔になれる瞬間だったり、ちょっと面白いと思ったりめちゃくちゃ爆笑したりの瞬間はあって。
そんな日常が詰まってた。
その日常が少しずつ積み上げることが出来なくなって、新しく重ねようとトップを変えたものの、結局崩れてしまって…でもそれにより再生する物語、かな。
そして何より一番感じたのが、人の絆かな。
神様の教えの通りに生きたとしても、人の心と考えとお互いへの思いが未来につながる、そんな希望も見えたラストでした。

本当の夢は、自分の足で掴まないと見ることは出来ないんだ。
そう思いました。

もちろん、一夜がやってきたことは許されることじゃないんだけど、信仰を考えると「許す」ことが出来る兄弟たちなんだよな。
外の世界を知らないなりに「一夜兄さまは戦っていらっしゃるのだ」と思いやることが出来る弟たちなのも凄いな、と思う。
自分たちの羽根はもがれているのにそれでも兄を信じられるのは、蚕だから故、なのかもしれない。
与えられる桑しか食べられない、外に飛び立つことも出来ない、出ても食べることが出来ない蚕そのものになっていったのかもしれない。

だから、一度燃えて建て直すことで彼らは蚕ではなく人になれたのかもしれない。

「お蚕様は桑の夢を見ているんじゃないかな」
のセリフで、蚕の行く末を見たい三鶴の姿なのかな、とか思ったのだけど、7人とも蚕だったなのかもしれないな、などと思い始めました。

松島一夜は、
自分の暴力で傷付けているのに、自分が傷ついていると主張しちゃうところ、
自分の思う感情で場が揃っていないと嫌なところ、
外面良いのに家では感情のコントロールが出来なくて
周りがいうこと聞くのは当然だと思っているとこと、
すっごく甘ったれの甘やかされて育ったお坊ちゃま。
しょんぼりしているけど、絶対人にそんな姿は見せない。
けど、気付いてほしい。
だから、末葉がネクタイや煙草の準備しているときに、お金が入っている巾着を見てため息をついているのもそれ。
気付かれたくないけど、気付いてほしいというか、心配をしてほしい気持ち。甘えん坊。
末っ子みたい…。
おぼっちゃますぎて、たえこさんへの一方的な片思いがもう児童なのよ。
初恋なんだろうな…。
そして、自分のこと好きだから、覚えられていないとか、ちょっと考えにないんだろうなぁ。
末葉に話すときも、本当に嬉しそうに話すもんなぁ。でも表情が片思いなのよ。
傘に入れるときの表情とか、もう興奮が隠れてなくて気持ち悪いんだけど、松島一夜の淋しさに触れてしまっている私は
「うれしいねぇ…」
ってつい微笑んでしまうんだけど、どう考えっても「もそっとこちらへ」言ってる松島一夜、アウトなお顔してるよね…。

そして、なんとなく兄弟のこと、好きだと思う。
甘ったれなんだけど、お兄ちゃんしなきゃ、が伝わる。
表現が下手、なのもあるけど、一番愛しているのが自分(99.9)
で兄弟はその残り分くらいなんだけど、末葉に対しての
「僕が言えというのだから」
の言い方の優しさとか、準備を手伝うように言われた時の末葉の返事の仕方とか(兄様と話せる!ってテンションに聞こえる)
だから、影次の引きこもり感が、浮世離れして心が壊れて隠されているおひいさまに見えたんだよね、初日。
世間の辛いものから隠すための引きこもり。
(その表現の下手さも父親を思い出してマジできつかった)
だから、徐々に変わっていったというか、前楽の時はすごい圧をかけていて、それに反抗する影次が怯えと抵抗との共存で一夜が怖い人間だって伝わってきたの凄かったなぁ。
前楽といえば、ストラを末葉に渡す兄弟会議の時の笑い。あと、布団に戻った時の笑い。
心が本当に壊れてしまったんだなと感じて苦しかったです。
お外での姿の丁寧なところ、本当におぼっちゃまだなって思ったのと同時に、商売相手たちの年齢との差をまじまじと感じました。

箸を拾ったりとか、ちょいちょい育ちの良さを感じるので、ちゃんと教養を感じる長男。そこも好きでした。

反対に、菊池一夜は、確実に「絶対君主」たる俺になぜ従わない? という態度が強い。
睦や研吾の血で汚れた手の傷は、
「俺を傷つけたな…?」
という神に歯向かったものへの罰を含んだ怒り。
その姿は、松島一夜と違って「物語」として楽しめたので、菊池一夜への恐怖心とかはなかったです。
その代わり、甘えん坊が欠片もなかったので
「これが、二人の違い…!」
と、興奮に変わったともいえるかもしれません。
あと、都会の一人っ子な感じ。
なので、影次もヒステリックな引きこもりに感じて、インテリ感あるというか…。

というか、言葉がたくさんありすぎるからこそ、心を壊してしまったのかな、影次は。とも思ったりする。
最後、あんなにも情熱的に未来を語るのが、ただ引きこもっていただけの人間に出来るのだろうか、とも思うし。
幸四郎も言っていたもんね。「影次兄さまはこの時すでに来世への夢を見ていたのでしょうか」
家が燃え、新しい世になったと思えば、エンディングのあの兄弟の姿はある意味来世の姿なのかもしれない。
影次と一夜の意見が合った話が知りたいです。
私の妄想はこの辺。
https://x.com/saku_swo/status/1819556594507714784?s=46&t=RLE5dlCBzUKQavfF91B_WA

三鶴は、自分が悪くなるのを避ける、というのを見て、あー確かに、とも思った。
逃げ出せないってわかっている以上兄とも弟とも関係を悪くしたくないし、弟たちを辛い気持ちだけにさせないためにも、パンを拾うし、一日の締めをこれがあったな、って毎日がちゃんと違う日なんだってことを振り返っているんだろうなって思って。
逃げ出さないなりにどうにか工夫をしているんだけど、弟たちからしたら、きっと何もしない人なんだろうなって思ったりした。
この今関わっている中での進化を思って、職人になる術をきちんと調べて夢を抱いていたっていうのが本当に自分を殺さず、生かさずに日々を生きていたんだなって感じて。優しいだけの人じゃないんだなって感じた。

松島幸四郎は、ちょっとやんちゃみがあるというか、だんご三兄弟の次男感強い。
男兄弟多いんだなって感じるご飯食べる絶対感。
超好き。
育ち盛り(?)だし、食べないとね。
あと弟が殴られているのを見ると痛そうな顔をしていて、感情がちゃんと生きてるの。
辛いときはもちろんだけど、パンって知ってテンション上がった時の睦へ駆け寄るが如く凄かった。
考えなくなったら、じゃないけど、物書きを目指すだけあって、感情も大事にしているのかな、と思った。
だから、大楽で菊池一夜に朝食の場で息を飲むのが音で聞こえるくらい恐怖を感じているのが伝わったな、と。
感情を押し殺したり場外にもっていかないとでもいうのかな。
「僕はお前の兄様だぞ」
は、弟に対して兄でありたい感じが真ん中っ子としてのちょっと偉ぶりたいというか。
そう思うと、ほかの兄弟に比べて研吾と幸四郎はそんなに年の差ないんだろうなって思えた。
だからこそ、松島幸四郎は日記を書く姿をオープンにしないんだろうなと思う。
自分の感情が載っているから。

菊池幸四郎は、感情をすっと殺す感じがあった。
ちょっと冷めているというか…だんご三兄弟の三男。
感情を持ってしまうと怒りも表に出てきてしまうから切り離しているというか。
痛みを感じないように、それこそ研吾が目指した心を殺しているというか。
だから作る物語は日記よりも、第三者目線の話だろうな、って感じる。
だから、書いていることを知られたり、見られたりは切り離されたものなのでお構いなし、というか。
マッチの火の消し方はとっても「らしい」気がしました。隠している苛立ちがかすかに発散される場所というか。
(あれは修司くんの消し方なのだとは思うけど)

そういえば、最初のマカバイ記の時の声が良すぎて、卓也君と気付かなかったんだよね、最初。
そんな研吾ですが、反抗期のまま大人になった感じなので、すごくリアルなところはある。
鬱屈した感情、一夜への苛立ち、下剋上。
睦を言葉巧みに誘う姿も、反抗期の青年だよな、と。
真面目な三鶴、要領のいい幸四郎、という兄が居たら、不器用なタイプは少しでもずる賢くなるしかないというか。
なので、ふざけるときは一気に突き抜けちゃいそうというか、そういう意味では卓バビの要素がある気がする。
お祈りの時間じゃない、っていいながら、火の状態を確認しながら助けるのも、真っ先に体力減っている一夜から選ぶのとか、ちゃんと判断できているところ、あるよね。

睦。純粋ゆえに素直で残酷な子。
末の末葉よりも幼さを感じる。本当にまっすぐで純真無垢でお酒の味を知ってしまったらそこに傾倒しちゃうくらい純粋。
でも、ちゃんと自分の言葉で考えることが出来る子。
研吾に唆されたけども、研吾を支持する言葉や、投票を呼び掛ける言葉は睦の持っている言葉なはずなので。
恐怖におびえる機関や時間が多すぎて、自分はダメな子って思っているから、普段はそんなに表に出せないのだろうなと。
謝ってしまえば、柱に括り付けられる可能性も減るから、若干謝り癖があるのだろうな、と思う。
寝る前の「僕が言ったばかりに」ってなっているしね。
だから、付け込まれたとは違うけど、兄弟間でもカウントされづらそうな子だなとは思った。
でも、火事の時とかも結構真っ先に動くし、主張しないから目立たないけども豊かな感情と言葉を持っているんだなって。
その感情の豊かさと慎み深さが伊織くんらしいのかもしれない。

末葉。愛されて育ったんだろうなっていう素直さが見える子。
それゆえに、生糸を半額で売ってしまったりするけども、もし、兄弟皆がお蚕様のお世話を変わらずに続けていたら、あんなにも責め立てることはあったのだろうか?
末葉は、母様のことを奪った罪悪感をずっと抱えていたんだろうな、というのは懺悔の時に思いました。
愛されている自覚もあって、だからこそみんなの母様を奪ってしまったことを心の底でずっと抱えていて。
皆が支えてくれると思っていたから蚕影様になったのだと思うけど、こんなにも支えが消えるとは思ってなかっただろうし、自分が何も知らないことを自覚して苦しかっただろうな。
だからこそ、三鶴が東京に行きたいんだ、って言ったときは本当にぽっきり心が折れてしまったんだね。
心が折れた音が聞こえた気がしたもの。
そして、「……は」は、きっかけ台詞じゃなかったら、音に乗らないレベルになっていたんだろうなって思う。
そして、カバンをたたきつけた後の「皆が怖がっていた一夜兄さまと同じことをしてしまった」といったショックを受けた表情も忘れられません。
だから、「僕のことを嫌いになったでしょう」なんだろうな。
お布団でないっていた時の写真ってどんな写真だったんだろうね。
みんな笑顔だったのかな? 小さい末葉を囲んでいる写真かな?
あの末葉を慰める幸四郎のやさしさ、特に松島幸四郎の手が優しくて。
ひと撫でごとに名残惜しそうに指がそっと髪の毛先をつまんでいくところが、愛を感じました。
このシーンで、幸四郎が掟を大事にすることで、兄弟がバラバラしないようにしているのかな、って思いました。

どっちの一夜も、自分以外が兄弟を傷つけるのは許さないのだろうな、とは思う。

一人一人がちゃんと生きているからこそ何度見ても新しい発見があって、
こんなにも繰り返して観に行ってよかったなって思った。
全部は観れなかったけども、リピチケもいっちゃった。

さて、松島幸四郎より前は、蚕の夢の打ち上げスペース聞く前に書いていたので、聞いたからこそ思ったことがあって。
松島一夜は、本当に弟たちを愛していたんだなって。
だから、火に囲まれたときに末葉を守るように覆いかぶさって祈りの言葉を始めるのに納得がいった。
それ以前の「僕のことは置いておけ」の言葉が、末葉に生きていてほしいからあんなにも柔らかいんだって改めて思った。
なので、改めて思うけど、松島勇之介が演じるのを見たことがない役柄の神原一夜ではあったけども、
松島くんだから演じられた、松島くんの体温を感じられる一夜なんだなって改めて感じてます。
本当、松島くんを応援させていただける幸せを実感しています。

内容被っていると思いますが、こちらのふせったーにも色々載せているので、良かったら。

あと、X(Twitter)で、結構つぶやいているので時間を見つけてリンク貼りたいと思います。

今、この作品を観れたこと、本当に幸せでした。
番ボ、箱推ししていきますよ…!
そして、マネさんも推してまいりたい所存…!

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