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2021夏の東北旅~①スタートはアメリカで聴いたラッドの一曲~

東日本大震災から11年と1日が経過した、本日2022年3月12日。
実は、2021年8月に震災で大きな被害があった三陸へ、約1週間一人旅をした。旅の感想、反省や思ったことなど書きためたノートと撮りためた写真があるにもかかわらず、SNSやnoteになにも書けないで今日まで悶々としていた。

理由は、自分の中で旅の目的も、得られたものも、言葉にできなかったから。それに、言葉にすると、考えるのをやめてしまうと思ったから。「~という旅の目的をもって出かけて、~な学びをした」の空白部分を埋めてしまえば、どうして私は一か月分のバイト代10万と1週間の時間を、一人で三陸を訪れるという行動に使ったのか、その旅にどんな意味があったのか、考えるのをやめてしまうと感じたから。

でも今日、道中書き散らかしたノートとたくさんの写真をパソコンの横に並べ、記憶が薄れる前に、言語化に挑戦してみようと思う。

まず、東北への旅を決意したのはその年の4月、アメリカウィスコンシン州で学部の最終学期だったと思う。近所の公園へ授業終わりの散歩。ウィスコンシン州の4月はまだ寒く、手袋とマフラーを身に着け、RADWIMPSの曲をシャッフル再生しながら、半分溶けた雪の上をザクザク歩いていた。すると、「あいたい」という曲が流れてきた。それを聴いたら熱いものがこみあげてきて、何でこんなに泣けてくるんだろうと思い、曲を調べたら、東日本大震災から10年を機に作られたと知った。歌詞の一番だけ抜粋。

会いたい 会いたい 会いたい 会いたい
君に 会いたい 会いたい 会いたい

話したい 触れたい 抱きたい 見つめたい
これを超える気持ちが今も 生まれない

僕は生きてるよ 君のいない世界で
たまに笑ってみたり 何か夢中になったり

だけど君がここにいなくてもいい理由
なんかどこにも見当たらないまま10年

君が吸うはずだった酸素は今ごろ
どこの誰の中を彷徨ってるんだろう

なんてさ なんてさ なんてバカ真面目に
思ったりするのさ

RADWIMPS 「あいたい」

こんな気持ちを抱えて生きている人がいるんだと、しかも日本に。そう気付いてからは、東北に行きたい。10年経って元通りかもしれないけど、街を見たい。誰も当時の話をしてくれないかもしれないけど、聞きたい。コロナで歓迎されなくても、行きたい。そう思い続けた。

地球の反対側で好きなロックバンドの一曲に心動かされ、始まった東北旅だった。

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