見出し画像

米国大学院進学のいろは(Part1)~準備書類・タイムライン・予算~

こんにちは、Yadokkunです!
アメリカ中西部ウィスコンシン州でも段々春の兆しが感じられるこの頃です。冬に枯れて黄色く乾燥していた芝生も、日当たりの良い場所から徐々に新芽が出て、現在パッチワークのような状態です。

今回は、米国大学院進学のプロセスについて書こうと思います。私自身、ウィスコンシン大学経済学部から11もの米国大学院博士課程に応募し、オレゴン州立大学、ミシガン州立大学、カリフォルニア大学デイビス(修士)、ジョージア大学、ノースカロライナ州立大学に合格し、デイビスに決めました。しかし、去年の今頃は、なにをいつどこでどれだけすればいいのか分からず、混乱し、不安でいっぱいだったのを覚えています。なので私の経験から、日本人が米国大学院に進学するための要点をまとめたガイドを作ろう!と思い立った次第です。

この記事の対象は「米国大学院進学したいけど何をすればいいのかさっぱりわからない」という人向けです。なので一からすべて説明していきます!(英語豆知識:初心者向けの記事やコースを~101"ワンオーワン”といいます)

画像1

1.応募書類・提出スコア

ここでは、応募時に必要となる書類やスコアについて解説します!

GRE: ETS社が設けているセンター試験のような統一試験です。しかし、センター試験と違って、年5回まで21日間隔で再受験可能です。スコアは5年間有効なので、早めに受験することをおすすめします。科目はVerbal Reasoning(長文・文法)、Quantitative Reasoning(数学)、Analytical Writing(小論文)で、コンピューターベースで行われます。各地域にある試験場で受験します。

TOEFL: ETS社が設けている英語が母国語ではない人の英語力を測るコンピューターベースのテストです。IELTSとTOEFLどちらでもいいという大学もありますが、TOEFLしか受け付けないという大学もたまにあるので、個人的にはTOEFLを受験することをおすすめします。TOEFLの英語はアカデミックなので、実際の大学の授業やテキストに似ていて、留学準備にもなります。再受験可能で、スコアは2年間有効です。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションにわかれています。

推薦状:ほとんどの大学が3通かそれ以上を求めてくるので、学部在籍中に大学教授3人と仲良くなり、大学院進学したい旨や研究したいことなどを話し、前々からアピールしておくとスムーズだと思います。

Statement of Purpose/Academic Statement:大学院に進学して何をしたいか、卒業後の進路、なぜその大学院なのか、進学のために何をしてきたか、過去の研究実績等をおよそ1~2ページ(1000~1500文字)で書くエッセイです。就活における志望動機・ESにあたります。大学ごとに若干細かい指示は違いますが、このような路線のエッセイはどの大学でも必須です。Purdue大学の記事がわかりやすく解説しています。

Personal Statement:Statement of Purposeが「学者としての自分」をアピールするのに対して、Personal Statementは「個人としての自分」をアピールします。どうしてその学問が好きなのか、過去にどのような出来事があって今の自分に繋がっているのか、自分のアイデンティティと勉強したい物事の関連など、大雑把にいえば自己分析です。カリフォルニア大学の記事がおすすめです。大学によりエッセイはStatement of Purposeのみか、Statement of PurposeとPersonal Statementどちらも提出する場合があります。

CV(履歴書):Curriculum vitae、略してCVといいます。日本語で言うと履歴書ですが、CVの書き方や内容と日本の履歴書は全くの別物です。違いを説明するには一記事丸々費やしてしまうので、わかりやすく書かれているこちらの記事をご参照ください。また、"CV Sample"と検索して、誰かのCVをランダムに見るのもアイデアを得るにはおすすめです。

成績表:成績表が日本語の場合は、翻訳を添付します。5段階評価のGPAを4段階評価のGPAに変換する計算式や詳しい指示は大学の応募ポータルに書かれているので、各大学の指示に従ってください。

願書:すべてオンラインで、個人情報などを入力します。各大学に応募ポータルがあります。日本と違ってなにも郵送する必要はありません!

受験料:大学によりますが、$100~$150で、応募完了の際に払います。GREとTOEFLのスコアを提出する場合は、ETSに$20ほど払い、ETS経由で提出します(ETS経由でのスコアしかofficialと認められません)。

画像3

2.タイムライン

「何をいつすればいいのか」これがわからなくて、私は早すぎる時期から受験大学を決めたり、締め切りギリギリにGREを受けたりしました。個人的な経験と反省から、タイムラインを作ってみました!

ほとんどの米国大学は9月入学です。まれに春(1,2月)入学を認めている大学もありますが、基本9月スタートと思っていて間違いありません。応募時期は前年の12~3月で、多くの大学が、冬休みにあたる1月中に締め切りを設けています。それを念頭に置いて、いつまでに何をしたらいいか遡ってみましょう。

例)2022年9月入学を目指す場合
2021年夏休み:GREとTOEFLへの受験勉強、一回目受験
2021年9月~10月:満足する結果が得られなかった場合、GREとTOEFL再受験
2021年11月:Statement of PurposeとPersonal Statement を書き始める。推薦状の手配。受験校の選定。
2021年12月~2022年3月:各大学に応募
2022年2月~4月:各大学から結果がメールで通知される

画像3

3.受験費用

実際受験するか、何校受験するか、試験は何回受けるのか、などを決めるにあたって「すごくお金がかかるなら無理。。。」という方も少なくないと思います。私の場合、大学院応募にあたり合計約30万円ほどかかりましたが、もちろんもっと安く抑えることもできます。というのは、GREやTOEFLを何回受験するか、何校応募するかにより受験費用は大きく異なるからです。

【米国大学院進学の予算(ミニマム)】
・GRE受験料:$213* x 受験回数
・TOEFL受験料:$235* x 受験回数
・受験料:$150前後 x 受験校数
*2021年3月現在

上記プラス参考書代等がかかってきます。GREが必須ではない大学院もあるので、それらを選べばもっと安くなりますが、トップ校は大抵GRE必須です。例えばGREとTOEFLを一回ずつ受験し、1万円の参考書を買い、7校受験した場合、約17万円の費用になります。(私はGREを3回受験し、11校応募しました)。

4.まとめ

1)応募時に準備する書類は、①推薦状、②エッセイ(Statement of Purpose and/or Personal Statement)、③履歴書、④成績表、⑤願書(+受験料)

2)GRETOEFLを入学の前年夏から勉強・受験し、Statement of Purpose推薦状などは10~11月頃から準備する。応募締め切りは大学により異なり、早いところは12月初旬に応募が締め切られる。

3)予算は統一試験の受験回数、受験校数により異なる。目安は15万~25万

Part2では学校の選び方、GREの勉強法、受かった後するべきこと、等について解説していきます!

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?