01 書くこと #コラム

 子供の頃から文章を読むのが好きで。それでは書く方はどうかというと、文章度の高さを褒められたことは一度もなく、感性の好さを評価されるばかりであった。何よりも短気で、短編ですら書き上げることができなかった。高校生ぐらいの話だったろうか、私が文章だけを目指すのでは閉塞感しかないだろうと。ともかく、私は人間が大好きだ。人間関係にはほとんど興味がないが、その人がどういう風に育ち、教育を受け、教養を身につけ、どんな思想を持ち、夢や目標を抱いているのかという部分に置いて非常に興味があり、彼ら一人一人がとても愛おしい。児童向けの火の鳥文庫という、伝記ばかりを扱った書籍があるが、私はそれが大好きで、偉人や科学者、発明家の一生をさも隣家から見ていたように知ることが何よりも楽しかった。

 話が逸れてしまったが、子供時代から世界の全てであった「言葉」や「文章」に必要以上に期待をしまったのも自分であり、また自分の「思考」にバイアスをかけて「固定概念」を作ってしまったのも自分である。その結果、書いていた小説のほとんどを未完成のままネタ帳箱に放り込み、あろうことか写真という全くジャンルの違う業界で10年ほど活動するところとなった。この10年はとても幸せで、忙しくて、人の力に感謝をする10年だったように思う。(その10年についてはまた別の機会に書いてみたいと思う)

 過去を振り返るにはちょうどよく、そして何かを始めるのはぴったりな時が来たのだと思い、私は再び文章を書き始めることに決めた。20160210

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?