可愛いの弊害
「どうかして、わたしは、雪のようにからだが白く、血のように赤いうつくしいほっぺたをもち、このこくたんのわくのように黒い髪をした子がほしいものだ。」(青空文庫より)
この一文を読んで、すぐにピンとくる方が大勢いらっしゃると思います。
たぶん、みんな子どもの頃に読み聞かせてもらったり、読んだりしたのでは。
それでなくても多くのモチーフになっている彼女。
そう、白雪姫。グリム童話の代名詞。
今から大言壮語言いまーす!(何の宣言)
白雪姫って……可愛いの代名詞では?
いやまってください。まだ早いです。もうちょっと読んでいきましょうよ。ね?
まだタイトルの全貌もわからないしね?
たとえば。
「イオちゃんって、白雪姫みたいだよね」
って言われて嬉しくない女子いないのでは?
書いてて思ったんですが正直にあんまり嬉しくはないですねこれ。
はい、すみませんでした。
(個人差はあります)(誰に言われるかはもっと重要です)
口説き文句に関してはどうでも良すぎる。
口説き文句を知りたければまずは女の子の観察の仕方を知りましょうね。
あ、でも今回の王子様の口説き文句だけ張っておきますか。
「わたしは、あなたが世界じゅうのなにものよりもかわいいのです。さあ、わたしのおとうさんのお城へいっしょにいきましょう。そしてあなたは、わたしのお嫁さんになってください」
男性諸君に強く言いたいことは、恋人もしくはパートナーにはきちんと
貴方が世界で一番大切で可愛い、ということを伝える。
これが一番大切なことです。
一番大切なことでちゃった。
いやまあ別にそんな話がしたいわけではなく。
やっとご挨拶させてもらいます。
今回も私、佐久間イオがお届けさせていただきます。こんにちは、こんばんは。
今回強めのタイトルになっておりますので。朝には読まない方が良いと思うので、今すぐアプリを落とすかブラウザをバックしましょうねこんばんは。
さてさて。
今回の佐久間は、ただ白雪姫の煮詰めた林檎酒の様な愛らしさについて語っていきたいです。
ざっくりいうと
・白雪姫の文章ってなあんであんなに女の子のこと可愛くかけてんのかな
・可愛すぎる女の子はどうして酷い目に遭いがちなのかな
の二点にフォーカスしていきたいと思いますよー。
お付き合いよろしくお願いします。
はい。
突然のあらすじ。
女王様がいました。
めちゃかわいい娘ほしいな~って思っていました。
生まれました。
女王様亡くなってしまいました……。
王様はまあ色々事情があって新しい奥さんを迎え入れました。
奥さんはなかなか癖の強い女王様になりました。
義理の娘が可愛すぎるので殺そうかなと思いました。
しくじって娘は王子様と結ばれました。
という感じ。
はい雑~。性格でまくり~。
一応、一応言っておくのですが。
読んだことない人はこのあらすじで満足しないでください。
リンクを張るので絶対読んでください。
私は可愛いの為に必要なことしか書きたくないのですが、残酷なエンドがあるので……。
それも含めて、グリム童話なんですけどね。
だからこそ、絶対に読んでください。二回言いましたよ。短いんで大丈夫です。
さて。
文章で描かれる白雪姫の描写は本当に素敵。ていうか本当に天才。
文才がありすぎる。腕を食べれば私もそうなれるだろうか。(突然の猟奇)
「青々と晴れた日のように、うつくしくなって」とか。
「うつくしいうつくしい少女」だとか。
小人が忍び込んだ白雪姫を美しくって驚いちゃって許すところとかはもう大好きです。
「青々と晴れた日のように、うつくしくなって」
特にこの言葉! 良すぎる。語彙がなくなる素晴らしさ。
皆さん情景が浮かぶでしょう。
初夏の青々とした木々と、爽やかな風とお日様の光。
柔らかかつ幼げな瞳を細ませて笑う、一人の少女。
まさに動物たちと湖の畔で戯れる白雪姫そのもの!
最初に引用したお母様の言葉からは結構美しさ重視っぽいんです。
「こくたんのわくのように黒い髪」ってこれまた激しい表現ですね。
こくたんのわくってまず何よ。
まずこくたんの方なんですけど「黒檀」であれば木材ですね。
高級木材。
たぶんですけど、多くの人が「黒炭」を想像するかなと思うんです。
ただ推測としては、この「こくたん」は高級木材のほうかなと思います。
なぜならお城だから~。(雑)
女王様性を際立たせるには、多分お金持ち要素的なことが十分にありだと思うので。
黒炭だと灰と被るし、シンデレラみがありますね。
んで話を戻します。
美しさ重視っぽいお母様も素晴らしい願いを叶えているんですが。
でも成長した少女は希われた美しさと爽やかな愛らしさを兼ね備えた完璧な存在に。
お母様有難う……。
大感謝。
ここからはどうして今回、私が白雪姫を取り上げたかをお伝えします。
目次(?)の二点目ですね。
題名の通り、「可愛いの弊害」。
そう、白雪姫は……。
「可愛い」と「可愛いの弊害」が全部詰まったお姫様だから!!
可愛いって度を超えてくると生活に弊害が出るんですよね。
周りの男を全部魅了しちゃったり、コンプレックスに嫉妬されたり。
何かに突き抜けると「有名税」的な弊害が生れる。
私自身はこれについて断固反対の姿勢を崩さないんですけれど。
けれど、あるにはある。
そして、そういうの、大好きです。
ただの性癖暴露大会。
ていうかよく知られてる白雪姫って林檎食べてコロッと死んじゃうじゃないですか。
死にませんからね。普通に。
林檎の前に二回企まれてるんですけど、二回生き返りますからね。
全然驚くほど死にませんからね。
そういう、強運? なところもかなり、こう現代の可愛い子と重なって私は好きです。
したたかな少女。
これ最高でしょ。
現代のアイドルとかでも、強い女の子好きでしょ。絶対読んでください。
先ほど名前があがりましたが、シンデレラ。彼女も愛らしさ故に嫉妬を買うタイプのお姫様。
普通には生きられなかった、「可愛いの弊害」を持つ少女。
そしてきちんと王子様に救われる、というしたたかさ。
そんで今回取り上げた白雪姫。
白雪姫も普通の生活を送れなかったタイプの美しさってことですよね?
そうですよね! グリム兄弟様!?
可愛いはすべてを救うし、可愛いはすべてを狂わせる。
でもって狂気は一種の救いたるので、
「可愛い女の子は世界を救う」にすべて帰結されます。
正気であらぬことは、一種の救いになるのである……。
私はどうしてもこのことをお伝えしたかったんです。
「可愛い女の子は世界を救う」だけじゃない……。
人間は狂気にこそ惹かれる。
こちらから読めるので皆さん是非いや絶対ご一読お願いします。
青空文庫にご協力して下さっているボランティアの皆さん、本当にいつも有難うございます。
結構この「可愛いの弊害」的な話は続くと思いますので、今回はここまで!
取り上げて欲しいお姫様とかがいたら、読み込んでみて考えますのでぜひリクエストお受けしております~。
また、最近こちらのアカウントで配信なんかもやってます。
私と別に可愛い女の子が二人いるのでちょっと覗いてみてくださると嬉しいな。
ではでは、ご静聴誠にありがとうございました。
佐久間イオでした!
名前だけでも覚えていってね!
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