就労移行支援という制度について

どうも!

「変人」は褒め言葉として受け取るさくまです。

「普通じゃない!」という感嘆句もとても喜びます。ちなみに夫もです。

さて、今回は健常者(所謂、普通の人)が知らない世界のお話です。

この話は、下記の方には参考になると思います。

◎何かしらの障害があって、働きにくさを感じている人
◎何かしらの障害があって、無職の空白期間が長くなってしまった人
◎就労移行支援の存在は知っているが、就労に対して不安があり迷っている人
◎既に移行に在籍中で、就職できるか不安がある人
◎障害者の就職の関して、生の声を聞いてみたい奇特な人

就労移行支援とは?

簡単に言ってしまえば、何かしらの障害と診断された人たちが障害と向き合いながら会社で働きましょう!就職までの支援をします!という施設です。

じゃ、障害ってなんぞや?

わかりやすい例は、車椅子生活の方、盲導犬を連れている方、片腕がない方などの身体障害。

生まれながらに脳の機能が制限されていて、日常生活を送る上で支障のある知的障害。

発達障害と言うのもあります。症状が多岐に渡り過ぎて、ここでは割愛します。こちらも幼少期から発症するケースが多いです。

それと現代病になりかけている、精神障害。統合失調症の私もここに属しています。

「障害」て書くと一部の人に怒られそうです。(公の場では「障がい」と書きます)

障害には程度があって、同じ身体障害でも見てすぐ分かる人もいれば、リハビリや治療によって健常者と変わりなく過ごせて、見た目では障害があるようには分からない人もいます。

なので、本記事のサムネイルにある”十字とハートマーク”は「ヘルプマーク」と呼び、最近ではちょっとずつ浸透してきたかなー?と。このマークについても言いたいことがあります。

知らない人のために少し説明すると、ヘルプマークをつけている人は何かしらの障害を持っており、公共機関で立ち続けているのが困難な方が持っているマークです。

例え優先席でなくても、このマークを見かけたら席を譲ってください。

席を譲るだけで見た目では分かりませんが、その方は助かるんです。

譲るあなたも立つのはしんどいですが、その方は”しんどい”ってもんじゃないんです。

ちなみに私はヘルプマークを持ち歩いていません。座れればラッキーくらいです。


脱線しました。
話を本筋に戻します。

そして、就労移行支援制度についてのアレコレですけど、先ず最初に法定雇用率について下記に引用します。

2021年3月1日以降、障がい者の法定雇用率は民間企業で「2.3%」に 企業における障がい者の法定雇用率は、2018年4月1日施行の改正障害者雇用促進法で、民間事業主2.3%、国・地方公共団体2.6%まで引き上げられました

このように、今まで会社としては偏見もある障害者を雇わないとペナリティあるよ!って法律があります。

私も障害は隠して働き続けていました。あまり口外してはいけないという意識が強かったです。

ですが、特に精神障害をお持ちの皆さんに言いたいのは、現代では障害をオープンにして堂々と会社に働くことも出来るのです!

ハローワークに行けば、「障がい者枠」という障がい者専用の求人もあります。

ただねぇ…勿論、デメリットもあるんですよ。

求人見れば分かりますが、まぁ「正社員」の求人が少ないこと。非正規雇用ばかりです。そして、仮に正社員の求人があったとしても、驚くくらい給料が低い求人が目立ちます。東京のアルバイトも最低賃金のところが多いですが、漏れなく障害者雇用も最低賃金で働く覚悟が要ります。

もう一つ。実際に就活をした人なら分かると思いますが、障害者雇用を望んでいる人は多いです。

求人倍率が全体的に高くなってます。

まず、書類選考からして通らないところが多いです。

就労移行支援事業所に属していれば、書類のチェックを細かく指導してくれるので作り込むことも出来ます。

私が所属していた事業所内の仲間に「移行に属していないのは、なんでですか?」という質問を面接で受けて、しかも不採用だったという経験から移行に通う人もいました。

では、就労移行に通っていれば必ず就職できるのか?

こればっかりは通う人の努力と判断次第としか言えません。

私のケースをお話しします。


私はデイケアから紹介されて来たわけなんですが、週5移行に通っていても就活許可が降りませんでした。

何度も面談で「就活させてください!」「まだまだ、安定してから!」と何が基準だか分かりませんが、中々GOサインが出ずにモヤモヤと時間ばかりが過ぎていく経験もしています。

何回目かの面談で「2回、実習をクリアすれば就活して良いです。」という条件を提示されたので、2回実習に行きました。

実習というのは、体験入社みたいな制度です。

短い期間、実務を体験できるんですが、そこの会社に正式入社できるかは会社の方針によります。

一度目の実習先は特定子会社と言って、障害者だけで業務を回している会社に1週間行きました。

任されたのは鉛筆を箱に詰める作業とか、紙を三つ折りにするとかの所謂、軽作業です。

私は軽作業はめちゃくちゃ苦手なので、休憩時間は必ずタバコ吸ってました。

じゃないと、単調すぎてやってられません。

1週間で良かった…と最終日に思いましたね。

その会社、休憩時間も1時間に10分、同じタイミングでとか、ここはホワイト企業なんだろうか?と疑問に思いました。

ちなみに移行もそんな感じです。私の場合、カリキュラムがあって自習多めの学校みたいな場所でした。

二度目は、広告代理店です。

ちらっとデザイン経歴に書いた広告代理店の事です。

この会社は実習生を常に常駐していましたね。

ここだけの話、実習って無給なんですよ。タダ働きなんです。

ここでは2週間実習しました。業務は色々ありましたね。

WordPressの入稿から、サーバーの引っ越し、写真撮影のアシスタント、WordPressでの新規小規模サイトの立ち上げ…よく2週間でここまでやったなと思いました。

障害者雇用って「業務を制限して、負担のかからない仕事をしよう」ってスローガンがあるんですけど、この会社に至っては業種柄なんですけど、忙しく仕事していました。

それでやっと、就活まで進んだわけですが、まぁ書類が通らない笑

この当時も「webデザイナーとか、コーダー、良いなぁ」って思ってて、障害者枠で応募してたんですが、その内の一社、会社見学会の案内が事業所に届いて「これは書類通ったか?!」ってぬか喜びしたんです。

結果は不採用という思わせぶりな会社もありました。

でも、私は諦めませんでした。

無駄にガッツを発揮してて気張ってた時期です。

何がなんでも就職するぞ!そして、ちゃんと会社で働いて細く長く続けるんだ!という気持ちでした。

ハローワークには就職相談ができる専用の窓口があるんですが、そこの職員さんに色々話を聞いてもらって、その時のアドバイスとしては「あなたは一般企業の事務員だと良いようにこき使われて、損な役回りになりますよ。」と言われ、「どうせなら成果を認められやすい外資にしたらどうか?」ということで、外資系企業の案件を紹介されたんです。

例によって書類選考からだったんですが、選考日に書類が到着しなかったというトラブルがあり、「これはもうダメだなぁ」なんて反省していたところに一通のメールが届きます。応募先の会社からです。

「この度の選考には間に合いませんでしたが、次回に再選考させて頂きます。」という内容でした。

また思わせぶりな印象を受けました。

あまり期待してなかったんですけど、応募したことも忘れた頃に「筆記試験のお知らせ」のメールが届いたんです。

なんと、通ってました!

書類が通ったのは後にも先にもこの会社だけです。

「筆記試験とございますが、具体的にはどのような内容でしょうか?」と問い合わせてみたら、「SPIです。」と来て、大学に通っていない私としては、「はて?なんぞや?SPI??」てなった訳です。

スタッフに聞いたら「大学生の新卒がよく選考で受ける試験」とざっくり聞いて、参考書を買ってみて愕然としました。

とにかく、学がない私には難しい内容だったのです。

文系はまだなんとかなるけど、数学が壊滅的でした。

私、高専には通ってましたけど、数学が大の苦手。笑

それでプログラム組んでたんですから、分からないものです。

そんなこんなで、うん年ぶりの数学の勉強に頭抱えながらやってたら知恵熱出て、合同面接会をキャンセルしたこともありましたねぇ。

「まぁ、対策は不十分だけど、やるだけやるか!」と意気込んだ試験当日。

ここでもトラブルが。

時間には余裕を持って向かったのですが、道に迷ったのです。

駅近なんですけど、ビルの規模が大き過ぎて入り口が見つからない!オフィスエレベーターが分からない!と、てんやわんや笑

就活している人なら「5分遅刻します。」という電話をかけた時点で不採用になると思いでしょう?私も思いました。

しかもバタバタしてたので冷静な判断も欠けてる状態でのSPI。

状況も最悪かと思われます。何を書いてるんだか、クリアに入ってきません。数学に至っては、ほとんど解いていません。

残念な結果になるんだろうなぁ…と手応えを感じずに会社から出たのを覚えてます。

ところが、ここでもどんでん返しがあるんです。「最終面接のお知らせ」のメールが届いたんです。

「あれぇ?宛先、間違えた?」とすら思いましたが、ちゃんと私の名前が記載されています。

SPIとはなんだったのだ…と思いました。

これは自己分析ですが、SPIと言うのは性格診断みたいな部分もあるんです。

参考書には「そんなのもあるよ〜」程度にしか書かれてなかったので、全く対策してなかったのですが、会社の社風に合う人材かどうか?をSPIで判断したのではないか?と予想します。

肝の部分は「学があるかではなかったのでは?」と当時を振り返るとそう思います。

もし、障害者雇用でSPIを受けることになりましたら、一つの会社の例として覚えておいて損はないかもです。

そして迎えた最終面接。の前に。

サービス管理責任者(通称、サビ管)に呼び出され、何事かと思ったら「内内定が確定している会社の実習に行って下さい。」と言う、これは事業所内の人には中々言いづらい案件が来たんです。

「いや、一件、最終面接まで行きましたので。」と断っても全く引かず、丸め込まれた形で某保険会社の特定子会社の実習に行きました。

内容は会社PRの動画作成。

企画から考えると言う、確かにクリエイティブな内容なので惹かれる部分がありましたが、元テレビ会社の編集者という異名をもった指導者的存在が居て、私は空気だったことと、給料が年収200万という条件。

ついでに保険会社なので、フィナンシャルプランナーとして働くかもしれないという、一体、何をする会社なのか不透明だったのです。

それについては新規事業なので不透明なのは当然ですが、当時の私には「サビ管が取ってきた営業の立場から、この会社で働かせたいんだな。」という意図が見えました。よく言えば、評価はされています。

その保険会社の実習の途中で外資系企業の最終面接に行ってきました。

ここまで来ると緊張するのかな〜?って面接の前日は思ってたんですが、意外なことに緊張感のない面接だったんです。

「プログラムの仕事じゃなくて、事務ですけど良いんですか?」という質問が印象的で今でも覚えています。

そういう会社です。私がどう答えたかはもう忘れましたけど、個人的な感覚としては、最終面接で雰囲気の良い空気を感じられて内定に至りました。

勿論、全ての会社に言えることではないので、参考までに。

サビ管に内定の旨を伝えたら、「保険会社(実習先)も内定が決まっているが、行きたいところを選んで良いですよ。」と言うわけで、ちょっと悩みましたが【最初からお膳立てされている会社】と【紹介とは言え、選考を自力で突破した会社】と、あなただったらどちらを選びますか?

この選択は本当、人それぞれだと思います。ちなみに給料は外資系企業の方が圧倒的に上です。条件をまとめると。

保険会社 : 正社員。年収200万。クリエイティブな仕事ができるかも?
外資系企業 : 契約社員。年収は保険会社より圧倒的に上。事務員。

ここまで来ると、何が最優先事項なのか決める時です。

私は雇用形態とか年収とか仕事内容、どれで選んだのか?と言うと、どれでもなく、「なんか働いてて面白そう!」と直感で決めちゃいました。

それで決断したのが、外資系企業なんです。

その決断が良かったのか?と言われると結果だけ見れば、数ヶ月で辞めたので良くなかったかも知れません。

でも、不思議と後悔のない会社でした。

実際、毎日が修羅場で面白い会社でした。

その会社で仲良くしてた同僚とは、今でも続いている友人です。

「また、あの会社で働きたくなる時もあるよねぇ」なんて話して合ってたりします。

最後に、障害者雇用についてのメリットをお伝えします。

学歴や職歴がショボくても、大企業に入社できるチャンスがあります。

大企業になると社員数が多いです。つまり、先ほど引用した法定雇用率から採用する人数も多くなるわけです。

また大企業は雇わないとペナルティも高くなります。なので、空求人はないので積極的に採用する姿勢があります。

勿論、名前が知れている大企業は競争もあります。

特に面接は人柄重視の傾向にありますので、短い時間で自分を出せるか?が鍵となります。

就労移行のメリットも一つあります。

ぶっちゃけた話、企業と移行とのコネクションがあるので、就活で内定が決まらないとガチで困った時、移行で問題児と揶揄されるような素行の悪いことしていなければ、半ば強引にでも内定を決めさせてくれたりします。

移行での通所も滞りなく通えている、も条件に入ります。

今では、IT企業をターゲットとしたオンラインの就労移行もあるらしいので、通所が困難な方にはそちらをオススメします。色々探してみると良いですよ。



この記事を読んでどう感じるかは読み手次第ですが、本当に困っている人が希望を見出してくれたら幸いです。

そう言う人のために書きました。

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます!

ではでは(* ゜∀ ゜)

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