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自作PC マザーボードの選び方

ディープラーニング・画像解析向け自作PC指南書 7

 マザーボードはCPU・GPU・メモリといったすべてのPCパーツと直接接続するPCの心臓部と呼べる部分で、多種の規格を有している。そのため、マザボの選び方は一見複雑そうに見えるが、実は意外と悩むポイントは少ない。ここでは、マザボを選ぶ際の注意点と簡単に見つける方法を述べる。

マザーボードで注目するポイントは?

 マザーボードの規格で注目するポイントは多岐にわたる。しかし、実は「構成パーツを決める順番」で述べたように、マザーボードを最後に選ぶ場合、他パーツの選定によってマザボの規格は規定されてしまうので選択の余地は少ない。例えば、GPUを選定した時点で、GPUの枚数分のPCI-Express x16スロットの必要数が決まる。また、CPUを選定した時点で、マザボ側のCPUソケットの形状が決まるといった具合である。

 GPUとの関係に対しては、先程述べたようにPCI-Express x16スロットの数を決める必要がある。GPUを2枚しか載せない場合はほとんどのマザボがPCI-Express x16スロットを2つもっているのでOKだが、4枚となると選択肢がかなり限られる。「将来的に4枚にする可能性もあるから、、、」といって4枚搭載可能なマザボに手を出すのはおすすめしない。高価だし、4枚載せるとなると大きなPCケース、空冷の強化が必要になるからだ。4枚にするときはマザボ・PCケースを新調したほうがいい。また、GPUを2枚載せる場合、NVLink SLIの機能によって2枚のGPUを1枚のように扱い、処理能力を向上させることができる。NVLink SLIを利用するには、同一のGPUであること、NVLink bridgeを用意すること、マザボがNVLink SLI対応である必要がある。マザボの仕様書などで確認しよう。

 CPUとの関係に関しては、「自作PC CPUの選び方」で述べたように、CPUに対応したCPUソケットを選ぶ必要がある。例えば、CPUにIntel Core i9 10900Kを選んだ場合、マザーボードのCPUソケットの規格はLGA1200になる。また、当然マルチCPUの場合、CPUスロットが複数ある必要がある。

 メモリとの関係に関しては、「自作PC  メモリの選び方」で述べたように、メモリスロット数、最大メモリー容量、チップ・モジュール規格、ECCt対応の可否に注意する必要がある。

 PCケースとの関係に関しては、マザボのフォームファクタを確認する必要がある。フォームファクタとはマザボの物理的な寸法(サイズ)のこと。ディープラーニング・画像解析向けPCの場合はATX(305 × 244 mm)一択になるので問題となることはないが、マルチCPUを選択する場合、Extended ATXなど異なるサイズのものがあるので注意が必要だ。

条件に合うマザーボードの探し方

 希望の条件に合うマザーボードを簡単に見つけるには、「PCパーツの便利な探し方」で述べたように、価格.comのスペック検索が便利だ。上記で述べた規格の条件をひとつひとつ当てはめていけば、マザボの種類はだいぶ限られてくる。この中から取扱店舗数が多かったり、ランキングが高い商品を中心に候補を決めていけばいい。

 あと決めるべき条件は、チップセットぐらいだ。チップセットとは、CPUとパソコンパーツをつなぐ半導体のチップのことで、搭載できるパーツや規格が決まったり、オンボードで搭載できる端子が決まるので、パソコンの性能やカスタマイズ性を左右する。オーバークロックができるのか?RAIDが構築できるのかといったことがチップセットで決まってくる。Z370、H370、B365などと表記される。一般的に、すべて揃ってるのがZ、少し省いたのがH、必要最低限のものがBとなる。詳細はGoogleなどで「Z370 H370 違い」などと検索すればわかる。チップセットはディープラーニングではあまり問題となることは少ない。迷ったらZシリーズを選んでおけば無難である。

参考サイト


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