【私のアリーナ席】
28〜30歳くらいまで山登りにハマって、
毎週末どこかしかの山へ出撃(という言い方をしていた。ダサいなw)していた。
月〜金働いて、金曜の夜仕事終わって帰宅後準備し出発して渋滞のない深夜に夜通し高速を走り、
SAとか道の駅で仮眠して、
朝日が昇る前に登り始め、日が落ちる前には下山して、温泉入ってご飯食べて帰る…というルーチン(今思うとめちゃくちゃ贅沢な遊び方)。
なので、天気のいい日中はせっかく遠くの他県まで来ていても山の中にしかおらず、
麓の町はどんなところか明るい時間帯には見ることなく帰ってしまっていた。
登山口まで来て天気予報が変わって急の雨が降ったりしたら、
下界(という言い方をしていた)観光に切り替えたこともあったけど、
登山するときはお天気は確実にいい時を狙いがちなのでそんな機会もレアだし、
あったとしても雨の日なので、晴れた日中の下界の様子は知らない。
長野に移住して何が良かったかって、山は登るだけが魅力ではないことを知れ、毎日堪能できること。
「近くでただ眺める」という贅沢ができることがただただ幸せだ。
それも私の一番好きな山「浅間山」を最前列で思う存分堪能できる素敵なCafeがある。
浅間山を北側に背負う立地ながら、周囲には北側に窓を作らない家がほとんどの中、
ここは北向きに敢えて大開口され、まさに浅間山を眺めるために(私のために?)作られたCafe。
この景色と、美味しい珈琲とプリン。
それだけでも十分幸せなのに、
店主のりょうこさんの「ゆっくりしていいよ」という思いと、あとFreeWi-Fiまで!
他にもう何もいらない。
カメラの望遠レンズで皺の一本一本まで凝視するアイドルオタクばりに、山筋をズームでなめるように眺める。
偏愛が止まらない。
浅間山の雄大さと、りょうこさんの優しさに包まれて、パワーチャージもできるお店です。
山好きの人にこそ、お天気のいい日にここでゆっくりしてほしいと思う(天気が良けりゃどこかに登らずにいられないのは山屋の性でしょうけどね)。
そばにいられて、ただ見るだけで幸せ。そんな山々が長野にはいっぱいある。
佐久穂町からも浅間山と八ヶ岳、そして茂来山が町内のどこかしらから24時間常に見える。
時間帯、天気、季節によって顔が変わるので毎日見ていても毎日ドキドキさせられる。
佐久穂町に移住したいと言ったら、最初「なんもないよ」と言われた。
確かに都会にはなんでもあるけど、都会でもどんなにお金をかけても手に入らないものがある。
それは 景色 と 空気。
景色と空気こそ、毎日関わるものだから、大好きで美しいものに包まれて生きていたい。