540craft(中島花キ園芸)中島和輝さん/初出店者インタビュー
今年度から、さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事の連載が始まりました。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。
――さくほリビングマーケットに出店してみてどうでしたか?
普段、農家として、直接花を買ってくれるお客さんと関わる機会はほとんどないので、直接お客さんの声を聞けたのがうれしかったです。「意外とこの花が売れるんだ!」という発見もありました。
リビングマーケットのような「新しいことを初めたとき、ちゃんと受け入れてもらえる場所」があると、自分も挑戦してみよう!ってなれますよね。
佐久穂町は地元ですが、田舎だし高齢化だし「今後はネットで販売していくしかないのかな…」とも思っていましたが、こういう動きが増えてきて、「ここでやっていこう」という気持ちになれました。
――中島さんは、花農家の3代目なんですよね。
祖父の代に始めた花農家です。10年前、家業を継ぐためにUターンで佐久穂町に戻ってきました。先代までは菊やカーネーションやバラなどを専門に作ってきたのですが、近年品目を増やしています。
――いろんなことに挑戦されていますね。
「佐久穂はこういう気候だから、こういうものしか作れない」というこれまでの当たり前も、ほんとうにそうかな?と疑ってみて、栽培の時期をずらすなどしながら新しい品種に挑戦しています。東京では外資系の花屋で働いていたのですが、たくさんの花を見てきた経験が生かされているなと思います。
あと、自分は飽き性なので(笑)ひとつのところにとどまっているより、次にやることを見つけていく方が楽しくて。ドライフラワーも「これをドライにしてみたらどうなるだろう?」「こういう方法はどうだろう?」と、トライするのがおもしろいんです。
――これからどのような活動をしていきたいですか?
昔の農家は栽培をするだけで、業者を通して市場に卸して、それを花屋さんに売ってもらう、というのが当たり前でした。自分が継いでからは、市場にも足を運んでいます。どんどん外に出ていって、もっと人と会っていきたいですね。
近いところでは、来春には店舗営業を始める予定です。
また、子どもたちに花を気軽に楽しんでもらえるようなワークショップをやりたいですね。自由に花を触ったり、フランクに組み合わせたりできるような。
日本では「菊は仏花、バラはウェディング」というような固定概念がありますが、海外だと全然違うんです。日本では雑草とされているハルジオンも、イギリスでは普通に花屋さんで売られていたり。柔軟に、もっと気軽に、暮らしの中で花を楽しんでもらえる雰囲気を作っていきたいですね。
――これからの夢は?
佐久穂町にもっと花農家が増えたらいいな、と。やっぱり花農家をやっていて楽しいんです。これまでの価値観にとらわれずに、いろんなことに挑戦してみたいし、まだまだ可能性のある業界だと感じています。
花ができるまでのストーリーを語れるのは農家だけ。それって強みだと思っています。農家ならではの視点で、農家だからこそできることにこれからも取り組んでいきたいです。
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