る衣 平野卓さん/初出店者インタビュー
今年度から、さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事の連載が始まりました。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。
―――古着屋をはじめたのは?
一昨年、佐久穂町に移住してきて、自分は布や服などが好きなので、お店があればこういうものが好きな人に出会えるんじゃないかな、と。やってみたら、結構大変ですね。服って重いし保管も場所を取るんですが、量が少ないとさびしいと思って少しずつ増やしていったら、当初の倍くらいの量になってしまいました。
―――古着のおもしろさってなんでしょうか?
古着は全て一点モノ。着てみないと分からない。ピエロみたいな不思議なドット柄のテロテロのシャツを、たまたま通りかかった70代くらいの女性が気に入ってくれて、試着してみたらとても似合っていたり。「これ、どうやって着るんだろう…」というような服も、ピタッと似合う人がなぜか現れるんですよね。それがおもしろい。
それから、何度も直しながら着られてきた服が好きです。
着古した着物の糸で作られた作業着や、破れたところを刺繍や継ぎ当てしている服。こうやって直しながら受け継がれてきたものの流れを止めたくないなと。今はモノがない時代じゃないけれど、こういうものに触れることで、服の楽しみ方の幅が広がればいいなと思っています。
―――お店をやってみてどうですか?
服を売るだけなら、オンラインショップもできますが、お店があるからお客さんとのコミュニケーションがある。その服が生まれた国の文化や時代背景を話したり、着ていた人を想像したりするのもおもしろいです。
価格帯は5000円から1万円くらいが中心で、楽しんで着られる金額設定にしています。その他、私物コレクションの高額品や非売品も。ポップな柄や、デザイン性があるものなど、ちょっと変な服が多いですね。変な服っていうのは、褒め言葉です(笑)
―――どのように、る衣の古着を楽しんでもらいたいですか?
古着って、サイズは選べないし、着やすくもないし、着回しは効かない…。一見、不自由ですが、それをおもしろがって似合うものを探したり、「どうやって着こなそう?」というのを一緒に考えたり。そういう楽しさを伝えられる店になっていきたいですね。
writer 細川敦子
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