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KOKYU 滝沢明日香さん 関口麻友美さん/初出店者インタビュー
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今年度から、さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事の連載が始まりました。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。
東町商店街のかつて料亭だった建物を改修して2022年7月にオープンしたKOKYU。地域に開かれたコミュニティカフェバー&シェアスペース&子どもの居場所です。呼吸するように場所や時間を共有することで、そこに居る人と生き方や考え方を交換する場所になってほしいという願いがこめられています。
――さくほリビングマーケットに出店してみてどうでしたか?
お店に来たことがない方とお話できたり、小学生が飲み物を買ってくれたり、新たな出会いがありました。わたしたちも月に一度「サンデーマーケット」というイベントを開いているのですが、自分たちが出店するのは初めてで新鮮でしたね。移住者の店と思われがちなのですが、もっとたくさんの人にお店のことを知ってもらいたいな、と思い参加しました。
――開店して4カ月(取材時点)、いかがですか?
KOKYUは、さまざまな人がカフェ&バーのオーナーになれる、日替わりオーナー制のお店です。
「得意の料理を振舞ってみたい」「自家焙煎の珈琲を飲んでもらいたい」「カフェを開いてみたい」「バーに立ってみたい」
「自分の作ったスイーツをいろんなひとに食べてもらいたい」
など、そのひとの「やってみたい!」を叶えられる場所です。
みんな最初は初心者。誰かの挑戦する姿を見て「わたしもやってみようかな」という連鎖が起きているように感じます。
少しずつ、地域の方からも「お店に関わりたい」「料理を振舞ってみたい」というお問い合わせを、いただくようになってきました。
実際にお店を始めるには、飲食店としての許可を取るのが大変なのですが、そういう部分をクリアしているので、挑戦へのハードルを下げられる。「今は無理」と諦めていた、子育て中のお母さんたちもたくさん活躍しています。
――「やってみたい」が言いやすい空気っていいですね
最近、地元のおじさんたちがお店で飲んでいる時に「最近は少子化で子どもの行事が減ってしまってさびしい」という話をしていて。「じゃあ、子どもが活躍するお祭りも、ここで出来たらいいね」とか。実現できるかどうかは別として、ポロっと「やってみたい」が言いやすい雰囲気なんだと思います。
――今も、店内の改装は続いているんですよね?
はい。子どもの居場所として、店舗の奥のスペースを整えています。10月からは、月に1,2回、みんなでおやつやごはんを作って食べたり、大人も子どもも混ざり合って一緒に過ごす場を作りたいと思っています。
――まだまだ、育ち続ける場所になりそうですね。
そうですね。これからも、いろいろなひとの「やりたい」がどんどん形になっていく場所なので。完璧な状態じゃなくても、ある程度形になったらお披露目して、みんなで楽しんでいく、そういう気持ちでやっています。
人それぞれの「当たり前」は違うけれど、KOKYU(呼吸)では、知らないお客さん同士が、自然と共通項をみつけたりして、会話が生まれている。息を吸うように、いろんなひとの知識や価値観に触れることで、自分の中に変化が生まれたりするのもおもしろいですよね。
毎日いろいろあるけれど、イライラしていてもしょうがない。なんでも笑いに変えていきたい。そういうのがKOKYUらしさかもしれませんね。
お店を開いてみたい!という日替わりオーナーを希望の方、手仕事や工芸などのワークショップを開きたい人も募集中。お問い合わせください!
writer 細川敦子