AMANA COFFEE 井出天行さん/初出店者インタビュー
昨年度から、さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事の連載が始まりました。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。
——さくほリビングマーケット(8月6日開催)に参加してみてどうでしたか?
思ったよりもたくさんのお客さんがいて、子どもが多いのもよかったですね。あのゆっくりとした時間、自由な空気・空間、平和的な感じ、いいな~って。それから、会場に居る方の年齢層が幅広くて、年配の方でもチャレンジできる環境だなと感じました。
——AMANA COFEEはいつから活動しているんですか?
2022年の春からです。僕は、生まれも育ちも北相木村で、県内の大学を卒業後、県内の金融機関で3年間働いてから、地元に帰ってきました。
——金融機関で働いていらっしゃったんですね!
普通に生きたかったんです(笑)。両親は僕が生まれる前に北相木村に移住してきて、自分も村の中で生きてきて。両親が自由な暮らしをしていたから、自分は普通に就職しようと。
——そこから地元に帰ってくるというのはどういうきっかけがあったんですか?
金融の仕事はとても楽しかったです。人と話すことが好きになったり、出会う人もすごくいい人たちだったり。週末には休みもちゃんとあるし。でも、地元で自分の好きなこと、地球のことを考えて農業をしている友人や、旅をしながら自由に生きる友人の姿を見て、ふと、うらやましいな、と。もっと自然に近い生き方をしたいなという気持ちがわいてきました。
——AMANA COFFEEを開業してから、暮らしは変りましたか?
今は、友人の畑でも働いていて。平日の日中は農業、夕方はコーヒー豆の焙煎。週末はイベント出店という感じで、金融の仕事をしていた頃より休む暇はないですね。
——AMANA COFFEEを初めてみて、どうですか?
コーヒーの職人はいっぱいいるし、まだまだ知識はないし分からないことだらけ。でも、コーヒーを飲んでもらいながら、お客さんとコミュニケーションを取って過ごす時間はとても平和だなと。小さな「平和」ですが、自分がコーヒーを淹れることで、それを少しずつでも広げていきたいと思っています。ただ、一人で出店しているので、やることがいっぱいあって、ゆっくり話しているとお客さんの列がどんどん伸びてしまって…。なかなか難しいですね(笑)
——さくほリビングマーケットでも行列できていましたね。お客さんとのコミュニケーションも盛んでした。
普段の自分は周りに支えてもらって、本当にたくさん与えてもらってばかり。でも、一杯のコーヒーを淹れている間に会話をする時間は循環を生むことができていると感じます。「まわりてめぐる」という言葉を大切にして、ひととの出会い、関わり、循環を生むハブになりたいと思っています。
——活動の中で、天行さんが大切にしていることはありますか?
去年の夏、AMANA COFFEEを始めて数か月経った頃、全部に疲れてしまった時期があり、3日間コーヒーも畑仕事も完全に休んでみたんです。
何もしない時間の中で「ああ、人と比べていたんだな」と気付いて。だから苦しくなっていたんだなと。
人に対しても、自分に対しても、その人はその人。
育ってきた環境が違うから、比べると疲れる。
優劣を付けない。比べない社会を作っていきたい。そんな願いがあります。
それから最近ふと、世界一やさしい人になりたい、と思ったんです。でも世界一やさしいってどういうことなんでしょうね。自分でも考え中です(笑)。
——あまなさんらしいひらめきだな、と思いました。見つかるといいですね。これからやってみたいことはありますか?
コーヒーって深すぎる…!追求したらゴールはないのですが、常に思うのは「もっと味も香りも出せる」ということ。焙煎の火加減とか、豆の選定とか、やってみることはまだまだたくさんあります。
それから、海外を旅しながらコーヒー農家さんと出会い、直接コーヒー豆を購入できるようになりたいですね。畑も見てみたいし、豆の背景も大切にしたい。旅をしながら、遊びながら、この仕事をやっていければいいなと。
——これからも、いろんなイベントに出店されますか?
これまでも、佐久、小諸、上田、軽井沢、諏訪、富士見、山梨、いろんな場所のイベントに出店してきました。それぞれの場所で出会うコミュニティの中で、自分は自分のコーヒーを淹れている。そういうのが心地よい。自分自身、軽くいたいんです。いろんなところで出店したいと思います。ぜひ遊びに来てください。
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