RAGWMD(山本渉さん)/初出店者インタビュー
さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事を連載しています。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。
――今回出店したきっかけは?
今、大日向小中学校の食堂スタッフとして働きながら、佐久穂中学校のバレーボール部の校外コーチとしても関わらせてもらっています。同じ町にある2つの中学校ですが、中学生同志の交流がほとんどないと感じていて。服を通してなにか子どもたちの交流の場が持てないかな、と考えたのがきっかけです。結果的に、このイベントで中学生が交流するということはなかなか難しかったのですが、子どもたちとの関りがあったからチャレンジしてみようと思えたし、準備を進める中でいろんな発見がありました。
――親でも先生でもない立場で、2つの中学校の生徒と関わる経験って貴重かもしれませんね。古着屋は昔からのやりたいことだったんですか?
はい。以前は医療機器メーカーで10年近く働いていました。仕事は安定していたんですが、このままずっと会社で働き続けるのかなと思うと、やりたいことに挑戦してみたいという思いが強くなってきて。出身は安曇野なのですが、幼馴染が佐久穂に移住したことをきっかけに、自分も脱サラをして佐久穂に移住することを決め、古着屋に挑戦してみようと思ったんです。とはいえ、買い付けや販売は未経験だったので、佐久に来てからイベントに出店しながら経験を積んでいます。
――古着の魅力は?
若いころは、暇さえあれば古着屋に行っていました。新品より安かったり、今はもう売っていないもの、自分が子どもの頃に流行ったモノなど、年代を超えてファッションを楽しめるのがいいですね。朝起きて、「今日はこういう服を着よう!」と好きな服を選ぶとわくわくする。それがモチベーションにもなって、一日を明るい気持ちで始められる。洋服の持つ力ってすごいなと思っています。
――子どもたちと接する中で、刺激になっていることはありますか?
子どもって、思った以上にすごいスピードで成長します。バレーボールを教えていても、一か月間基礎練習をしっかりやると、とんでもなく飛躍する。夢中になって苦手を克服しようとする姿に刺激をもらっています。実は、コーチになった頃の自分は、髪が長くて茶髪だったのですが、今は短髪黒髪になりました(笑)それくらい、価値観が変わったんです。
――子どもたちの姿が、ご自身の夢に向かう力にもつながっているんですね。
古着屋をやろうと思って仕事を辞めたのに、忙しさを理由に前に進めない時期がありました。でも、今自分が楽しいと感じること、おもしろいと感じること、そういう感覚に正直になって動き始めたら、改めて「自分はこういうことがやりたかったんだな」という発見があったんです。無理だと思ってやっていなかったことも、やってみたら楽しかったり。自分が見ている世界は狭かったんだなと気づきました。何かになると決めつけなくてもいいし、「今」の気持ちで動く大切さを子どもたちにも伝えたいです。
――これからどんな活動をしていきたいですか?
今回出店して感じたのは、やっぱりものを売るって大変なことだなと。いろんなお客さんにも出会うし、うまくコミュニケーションが取れなくて悔しい思いもしました。でも、やりたいことだから、もっとやってみたい。古着を通して、中学生たちが交流できるような場づくりや何かおもしろそうなことができないか、まだまだ探っていきたいと思います。