【WSH】ディラン・フローロを放出
日本時間の今朝、トレードデッドラインを迎えました。ナショナルズはリリーフ右腕ディラン・フローロをDバックスに放出するトレードを成立させました。放出が濃厚とされていたカイル・フィネガンはまさかの残留。リゾーGMの要求するオファーが無かったとのことです。それでは、フローロのトレードを整理していきます。
☆トレードサマリー
今オフFAを迎えるディラン・フローロを放出。見返りとして3Aでプレーする25歳のアンドレス・シャパローを獲得しました。シャパローはMLB公式、Baseball AmericaいずれもARI傘下トップ30圏外です。傘下10~20位程度のプロスペクトを見返りとして想定していたので、シャパロー1人だけというのは少し残念な内容です。ナショナルズは直前までフローロ⇔ディラン・カールソンのトレード交渉をしていましたが、破談。期限ギリギリでのトレードということで、ARIが上手くスティールしたと見ています。
☆フローロについて
フローロは今オフに$2.25Mの単年契約でナショナルズ入りしました。速球は平均90マイルとパワーレスですが、シンカーとスライダー中心の配球で上手くバットの芯を外して打ち取る投球が持ち味のベテランリリーバーです。昨季はMLB定着後ではワーストとなる防御率4.76に終わりましたが、今季は完全復活。51試合に登板して防御率2.06・FIP2.62をマーク。リリーフ投手ながらfWAR1.0を記録しています。
☆シャパローについて
アンドレス・シャパローはスラッガータイプの25歳三塁手です。MLB経験はありませんが、今季3Aで打率.332・19本塁打・OPS.967、wRC+137とよく打っており、即戦力として期待できます。ルール5ドラフト対象なので、遅くても今オフには40人枠入りするでしょう。
Statcastデータを漁ってみると平均打球速度90.1マイル、上位10%の打球速度105マイルとMLB平均以上の打球速度を示しており、パワーは十分です。平均ランチアングル14.1度も上々で、GB%も37.9%に抑えています。適応できれば一定数の本塁打を見込めるでしょう。一方で課題はアプローチの改善です。フリースインガー傾向があり、特に外角低めのボールに手を出してサードゴロが多いようです。三振率17.6%は一見優秀ですが、コンタクト率は平均以下の水準です。MLBの投手に対応できるかはアプローチの改善次第でしょう。
おわりに
今夏同じくレンタルリリーバーでフローロよりもWARの低いタナー・スコット&ルイス・ガルシアがプロスペクト4名とトレードされています…。見返りは残念な内容となりましたが、とりあえず売れただけ良しとしましょう。シャパローの即戦力性は魅力です。トレイ・リプスカムや今日昇格したトラビス・ブランケンボーンよりは打てそうですし。
そしてフィネガンの売れ残りは今デッドライン唯一にして最大の汚点です。リゾーGMは「来季まで保有できるクローザーに見合うオファーがなかった」とのコメントを残していますが、来季の年俸(今季すでに$5M、来季は$8M程度?)とリリーフ投手の成績の再現性を考えれば、レンタルリリーバー程度の見返りでも売っていた方が賢明だったと思います。まぁ来季に評価を覆して、今夏のスコットやカルロス・エステべスのように大儲けする方に掛けたということでしょう。
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