【WSH】ベテラン3投手とマイナー契約
2月に入り、もうすぐキャンプインという時期になりました。ナショナルズはここ1週間でアレックス・コロメ、チャド・クール、ウィリー・ペラルタと3名のベテラン投手をマイナー契約を結びました。いずれも春季トレーニングに招待選手として参加予定です。3選手についての所感を述べていきたいと思います。
アレックス・コロメ
コロメは通算159セーブを誇る34歳のリリーバーです。レイズ時代の17年にはリーグ最多の47セーブ、近年でもコロナイヤーの20年には短縮シーズンではありますが防御率0.81をマークするなど実績は十分です。しかし、ここ2シーズンは低迷しており、昨季は投手地獄のコロラドでのプレーであったことを差し引いても酷い内容でした。
ここ2シーズンは生命線であるカッターがいずれもRun Value-3と不調で、それが全体の不調につながっていると考えられます。(全盛期の17年はRun Value-17を叩き出していました)カッターの質を取り戻せるかが復活の鍵でしょう。
そんなコロメですが、一応FanGraphsのデプスチャートではロースター内に名前があります。昨季の投球内容は見過ごせないレベルですが、BABIP.333と被安打が多かったため、FIPは4.54と防御率よりはマシでした。そのためプロジェクションではいずれも防御率4.30~4.50あたりの予想になっており、多少の揺り戻しが期待されています。なお、若手のメイソン・トンプソンや同じくマイナー契約で加入のショーン・ドゥーリトルがロースター争いの競争相手となります。
チャド・クール
クールは以前のnoteで獲得候補に取り上げた投手の1人でした。ナショナルズの先発投手事情については以下のnoteをご覧ください。
現在のローテーションには実績のない若手のケード・カバリとマッケンジー・ゴアが名を連ねており、非常に不安要素が大きい状態です。クールは彼ら二人が上手くいかった時の保険、すなわち先発のデプスとしての働きが期待されます。投球内容は置いておいて、TJで全休した19年を除けば先発として毎年100イニング前後稼働している点が強みです。
17-21年はいずれもK/9が8.0を超すなど球威は先発投手として及第点ですが、被弾と与四球の多さがネックで、FIPはここ3シーズンはいずれも5点台と覚醒は期待できなさそうです。
ですが、昨季のナショナルズは先発投手がおらず、チーム4位の19先発をパオロ・エスピーノ(0勝9敗・先発として防御率5.84)が、5位タイの14先発をヨアン・アドン(1勝12敗・防御率7.10)が務める始末でした。ローテーション6枚目以降のデプスは確保しておきたいですし、リリーフに回ればコロメやビクター・アラーノより好投する可能性もゼロではないでしょうし、獲得自体のはチームにプラスだと思います。
ウィリー・ペラルタ
ペラルタはブルワーズ時代の14年には17勝をあげたこともある33歳のベテラン右腕です。近年はリリーフメインでプレーしていますが、21年には18先発した実績があり、先発のデプスの1人としては悪くないでしょう。21-22年は防御率3.07、2.58といずれも良い結果が出ていますが、xERAとFIPはいずれも4点台となっており、運に助けられている側面は否定できないでしょう。それでもナショナルズのチーム状況を考えれば、先発もリリーフも不安要素しかありませんから、故障者が出ればペラルタにもチャンスはあるでしょう。マイナー契約で昨季防御率2.58の投手を獲得できたと考えれば…。
おわりに
3選手とも春季トレーニングの内容や他選手の故障次第でロースター入りの可能性があります。ずっと補強ポイントとして指摘していたローテーション6枚目以降のデプスを厚くできたのは良かったですし、リリーフとしてロースターに残すことも可能です(実績がある投手だとそうはいかないので)。
これにて投打の選手補強はほぼ終了と思われます。個人的にはマイケル・ワカのようなMLB契約規模の先発投手を補強してほしいところでしたが、クールとペラルタは「若手選手が失敗した時の保険&成功すればすぐ切れる」というニーズを満たしています。球団身売り騒動でお金が使えない中でリゾーGMが頑張ってチームを補強したと思います。リゾーGM苦しいオフシーズンをお疲れ様でした。
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