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【WSH】トレバー・ウィリアムズと再契約
12月、ナショナルズの補強が止まりません。ナショナルズが先発右腕トレバー・ウィリアムズと再契約間近だと報じられました。契約は2年$14Mの見込みです。
盤石のローテーションへ
ウィリアムズの再契約により、先発ローテーション候補が6人になりました。
①マッケンジー・ゴア
②ジェーク・アービン
③トレバー・ウィリアムズ
④ミッチェル・パーカー
⑤DJ ハース
⑥マイケル・ソロカ
パーカーorハースをブルペンに回すかマイナーで待機させる形になると思います。(ソロカは先発で機会を与えると明言しているので当面はローテから外れないとの見立てです)
有望株ケイド・カバリがTJ手術から復帰予定なので、春季トレーニングでの先発ローテーション争いが盛り上がりそうです。ソロカの耐久面や若手投手の多さを考えると、6人ローテで回していくのも手でしょうか。デイブ・マルティネス監督がどのような決断を下すのか注目です。
スウィーパー覚えて覚醒の兆し
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FanGraphsより引用
昨季のウィリアムズは故障で後半戦を棒に振ってしまいましたが、前半戦の働きは素晴らしかったです。13先発を務め、防御率2.03/奪三振率22.7%/与四球率6.9%/FIP2.79をマーク。fWAR2.0を稼ぎました。もし故障がなければオールスター級のシーズンでした。
昨季のウィリアムズの投球の変更点は大きく2つ。
①スウィーパーを習得したこと
②4シームの割合を大きく減らしたこと
一つ目の変更点はスウィーパーを第2球種として21.1%を投じたことです。(一応23年にも2.8%投げています…)このスウィーパーが被打率.135/被wOBA.179/空振り率45.9%/ハードヒット率13.6%/得点価値+3と効果的でした。
これは個人的な考察ですが、ウィリアムズのスウィーパーは平均的なものよりも6.3インチもドロップ量が小さく(=落ちずに真横に曲がる)、真っスラ系の4シームと軌道(ホップ変化量)が似ていました。4シームとスウィーパーのコンビネーションで投球の軌道を上手く偽装したことが飛躍の要因だったかもしれません。
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Baseball Savantより引用
二つ目の変更点は4シームの割合を大きく減らしたことです。4シームの割合は前年の43.2%から36.4%に減っています。そして4シームの得点価値が-8から+12に大きく改善されました。平均88.9マイルと非力な4シームを投げ続けていれば打たれて当然です。23年は4シームで21本の被弾を許しましたが、24年は1本のみに抑えました。これも4シーム単体の威力というよりも、スウィーパーとのコンビネーションによる功績と見ています。
se llama trevor williams@MeLlamoTrevor pic.twitter.com/IYnaVZf2fG
— Washington Nationals (@Nationals) June 21, 2023
おわりに
22年オフに結んだウィリアムズとの契約が2年$13Mで、今回が2年$14M。ウィリアムズのバリューは明らかに2年前よりも上がっていますから、今回の契約はバーゲンと言えそうです。(ESPNの予想は2年$20Mでした)
ウィリアムズの昨季の好成績は、統計上は幸運による部分が大きいとの見方が強く、FanGraphsの来季予測fWARは0.8と控えめです。(残塁率や被本塁打率がキャリア平均に比べて良すぎるため)
ですが、昨季は投球スタイル変更という明確な変化がありますし、被本塁打を予測(HR/9=1.4)よりも抑えられれば昨季ほどとは行かなくても、好成績を残せるかもしれません。ベテラン右腕のさらなる飛躍に期待です。
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