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【WSH】さらに主力3選手を放出
昨日4件の売り手トレードを成立させたナショナルズが、トレードデッドラインとなる今日も売り手トレードを2件成立させました。
①Y.ゴームズ&J.ハリソンをOAKへ放出
まず1件目です。オフにFAを迎えるヤン・ゴームズとジョシュ・ハリソンをセットでOAKへ放出。見返りとしてドリュー・ミラス、リチャード・グアシ、セス・シューマンというプロスペクト3人を獲得しました。
ミラスはMLB公式でOAK内28位のプロスペクトです。守備面を高く評価されている捕手で、課題の打撃はパワーレスながらA+で出塁率.372、41BB/39Kと渋さを見せています。ベースボールアメリカの21年中間期ランキングでは13位と評価を上げていた1人でした。
グアシもMLB公式ではランクインしていませんが、ベースボールアメリカでは30位にランクインしています。90マイル中盤の速球とOAKマイナーベストと評されるスライダーを武器にマイナー3年でK/9=11.3をマーク。今季はA+で9先発して防御率4.67、K/9=11.3、BB/9=4.8という内容でした。コマンドに難があるためブルペン向きと見られています。
シューマンも今季頭角を現したプロスペクトで、A+で11先発して防御率2.25、K/9=10.0、BB/9=2.4をマークしています。92マイルの速球と縦のスライダーを軸に4球種をコントロール良く扱えるのが強みです。ランキング映えする選手ではありませんが、グアシよりも先発適性は高いと思います。
今季好調をキープしていたとはいえ、単体でのバリューはどうかな…?というゴームズ&ハリソンをセット販売にすることで、今季ブレーク中のプロスペクト3人を獲得できた好トレードだったと見ています。
②J.レスターをSTLへ放出
2件目です。ゴームズ&ハリソンを放出しトレードデッドライン終了かと思っていたところ、期限間際でトレードの情報が出てきました。こちらもオフにFAを迎えるベテラン左腕ジョン・レスターをSTLへ。見返りとして25歳の若手外野手レーン・トーマスを獲得しました。
個人的に「ハリソン・ベイダーの下位互換」とプロスペクト時代からお気に入りだったトーマスの獲得は良かったな、という印象です。しかもレスターは成績的に売れるとは思っていなかったので。
トーマスはSTLマイナーでもトップクラスの守備力と評され、18年に2A/3Aで27本塁打を放つなどパンチ力もあります。コンタクト力がネックで、MLBでは通算打率.172、今季58打席で.104と苦戦していますが、主力大量放出でロースターの枠が余っているナショナルズにとっては悪くない補強だと思います。打撃さえ適応できれば先ほど述べたようにベイダーのような正CFを狙える選手だと見ています。2025年まで保有可能で、最低限打てればベンチ要員として戦力になってくれるでしょう。
おわりに
このトレードデッドラインで主力8選手を放出することになりましたが、完全に勝ち組と言っていいと思います。トレイ・ターナー以外の7名はオフにFAを迎える「レンタル物件」ですから、残していても仕方ありません。売れた時点で大成功です。
上のように、30球団最悪と評されていたプロスペクトランキングもだいぶ改善されました。今後は、あと3シーズン半保有できるフアン・ソトを中心にした再建になるでしょう。オフに補強して来季再度勝負、という可能性も捨てきれませんが、LADから獲得したトッププロスペクトのキーバート・ルイーズ&ジョシア・グレイは来季チームの主力として期待するのはまだ早いでしょう。3年かけてもう一度世界一を狙えるロースターを作っていってほしいと思います。
Photo:https://flic.kr/p/2m3mCRy