【WSH】プレーオフに出るためにはあと何WAR必要か考えてみる
オフシーズンの展望を考えるにあたり、今回はプレーオフに出るために必要なWARを考えておきたいと思います。以下に、ここ2年間にワイルドカード枠(地区優勝除く勝率上位3チーム)でポストシーズンに進出したチームのfWARを表に整理しました。(以下WARはfWARで統一)
23年のMIAが84勝/28.4WARで進出してはいますが、本企画では、平均である41WAR/89勝を目標にしたいと思います。来季のナショナルズは再建に向けて足場を固めるシーズンとなると思いますが、あわよくばプレーオフの精神は常に持っておきたいところです。
24年ナショナルズの振り返り
2024年シーズンのナショナルズは71勝91敗の勝率リーグワースト3位、野手WAR10.0(リーグ11位)、投手WAR17.4(リーグ4位)の計27.4WARでした。ポジション別にまとめたものが以下の表になります。
投手陣はマッケンジー・ゴアが3.2WARとブレイクし、ジェイク・アービン、DJハース、パーカー・ミッチェルがローテーション投手として安定した働きを見せました。FAで退団してしまいましたが、トレバー・ウィリアムズも2.0WARと好投しました。リリーフ陣は終盤こそ解体劇で失速しましたが、シーズン通して平均以上の働きを見せました。一方で野手陣は苦戦。ルイス・ガルシアの覚醒、ジェームズ・ウッド&ジェイコブ・ヤングのレギュラー定着などの収穫もありましたが、三塁や一塁を固定することができませんでした。捕手もWARマイナスですが固定はできています!
現有戦力の確認
過ぎたことは置いておいて、来季に向けた現有戦力を確認したいと思います。FanGraphsデプスチャートのプロジェクションによるWAR(FanGraphs DC WAR)で同じグラフを作成しました。
ご都合主義、発動
数字を整理すると、野手16.9WAR、投手10.5WAR、計27.4WARとなりました。41-27.4=13.6。だから、「13.6WAR上積みできるように補強していこう!」で締めようとも思ったのですが、13.6WARをFA補強だけで埋めていくのは現実的に厳しいので、予測WARの方をいじります(笑)。予測fWARを独断と偏見でいじり、sWARとし、勝手に調整しました。私の独断と偏見で作った願望WARのグラフが以下の通りになります。
野手19.5WAR、投手12WAR、足して31.5WARになりました。よってPSに必要なWARの計算式は41-31.5=9.5。したがって9.5WARの上積みを目指したいと思います(笑)。以下、数字を変えた選手の理由を述べておきます。
補強ポイントを整理
sWARを判断材料に補強ポイントを整理していきます。上のグラフを見ればわかるように、1番の補強ポイントは三塁手です。来季の予想WARは1.0WARで、三塁の平均である2.2を大きく下回っています。他には、一塁/DH、リリーフ、先発投手もリーグ平均を下回っており、補強が必要です。捕手も大幅マイナスですが、2032年まで保有可能な司令塔がいるので…。
①三塁手
現時点では、昨夏加入し41試合で0.2WARを記録したホゼ・テーナがレギュラー見込みになっています。パンチ力があり、ブレイクする可能性もありますが、攻守に荒さ(四球率4%/3BでOAA-5)が目立ちます。また、25年中のデビューが予想される有望株ブレイディ・ハウスも3Aで三振率28.8%とまだ荒削り。来季の戦力として期待するのは難しいでしょう。外部からの補強が必要です。
②一塁/DH
現時点では、一塁/DHはフアン・イェペス/アンドレス・チャパローが起用見込みです。FanGraphsの予測WARではイェペス1.2/チャパロー0.5と最低基準はクリアしているように思えます。ですが、今年フロック気味(wOBA.331/xwOBA.300)で0.4WARだったイェペスが、来季さらに成績を伸ばせるかは疑問です。チャパローも今年デビューしたばかりで実績不足です。(以下の投稿によると、デイビー・マルティネス監督曰く、「我々は内野コーナーを探している。イェペスはレギュラー固定ではなく、複数の役割をこなすだろう」とのこと。)
③先発
ゴア、アービン、ミッチェル、ハースの4枚は良いとして、5人目の補強が必要です。FanGraphsの予測だと5番手にTJ明けの有望株カバリが入っていて、120イニング投げる予測になっています。さすがに無理があります。1.8WAR程度の投手を補強できれば平均程度(10.8WAR)のローテーションを整えられ、若手の覚醒次第でプラスを作れそうです。
④リリーフ
圧倒的な枚数不足です。今季のメンツからカイル・フィネガン、ハンター・ハービー、ディラン・フローロ、ジェイコブ・バーンズが抜けました。現時点でブルペンを組もうとすると、デレク・ロウ、ロベルト・ガルシア、ホゼ・フェレラー、エドゥアルド・サラザーの4人以降は、全員MLBでの実績が無い新人投手になってしまいます。ブルペンは7人必要ですから、ルール5で指名したエバン・ライファートをロースターに置くとしても、最低でもあと2枚は補強する必要があります。質的な話をすれば、願望予想のsWARでもMLB平均まで1.2WAR必要です。(rWARだと2.3なので2人で補おうとすればエリートリリーバー(1.5)+夏に売れるそこそこ優秀なミドルリリーフ(0.8)程度が必要になります。)
おわりに
今日の話をまとめると
①PSを狙うなら89勝/41WARが目安
②現有戦力から13.6fWAR、筆者の願望WARだと9.5の上積みが必要
③1番の補強ポイントは三塁手
④リリーフ2枚、先発1人、1B/DHも補強が必要
となります。
次回からは金銭面も考慮して、具体的な補強プランを考えたいと思います。
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