【WSH】今オフ狙うべきリリーフ投手【第3弾】
さて、「今オフ狙うべきリリーフ投手」第3弾です。第1弾、第2弾をまだお読みでない方はこちからどうぞ。
第3弾は右のピンクの列から8人を紹介します。
全員昨季のfWARがマイナスなので、いわゆる「バウンスバック狙い」の選手になります。それでは行ってみましょう。Baseball Savantからの引用画像が続きます。
選手名:来季年齢:予想AAVの順です
①トレイ・ウィンゲンター:31歳/$2M
ウィンゲンターはMLB通算97登板で防御率5.66ながら、奪三振率30.5%、FIP4.04をマークしているパワーリリーバーです。平均96マイル超の4シームと縦に鋭く落ちるスライダーのコンボです。速球は速いわりに空振りが取れず、昨季得点価値-4、全4シーズンマイナスと今一つです。対してスライダーは空振り率&ゴロ率が優秀で、通算得点価値+7を稼いでいます。個人的に速球4割/スライダー6割くらいの比率に弄れば化けそうな気がします。
②ルーク・ジャクソン:33歳/$3.5M
ジャクソンは昨季こそfWARマイナスに終わりましたが、それまで6シーズン連続でプラスを叩き出しているリリーバーです。21年には71登板で防御率1.98をマークしています。平均94マイルのホップ系4シームとデスピッチと呼ばれる縦スライダーが武器に、空振り率とゴロ率は依然として平均以上の水準にありますし、十分に戦力になってくれるでしょう。昨季は残塁率67%、HR/FB=15.6%と下振れ感があり、steamerによると来季は防御率3.85と復活予測です。オフに$7Mの球団オプションを破棄されています。
③JT シャギワ:34歳/$3M
シャギワは昨季36登板で防御率2.23、ここ4シーズンで防御率2点台を3度達成している右腕です。昨季は得意のシンカーで得点価値+8を記録しました。ですが、毎年平均96マイル超で安定していた球速が94.9マイルに大幅ダウン、ゴロ率&被本塁打率の悪化など不安要素も多く、来季爆発する可能性も少なからずありそうです。 一応Steamerの予測は51登板で防御率4.13となっています。
④シェルビー・ミラー:34歳/$3M
ミラーは13年に新人王投票3位、15年には球宴にも選出されている元先発右腕です。21年からはリリーフに完全転向。23年に防御率1.71を記録しましたが、昨季は51登板して防御率4.53と今一つでした。ですが、IVB18インチというMLB屈指のホップ量を誇る4シームは健在で、得点価値+9を叩き出しました。変化球が長打を浴びまくっていたので、そこを改善できればまだ戦力になると思います。
⑤ルーカス・シムズ:31歳/$3.5M
シムズは23年に防御率3.10/fWAR0.8と好投した右腕です。昨季は奪三振率&被本塁打率が大幅に悪化し、防御率4.38/FIP5.23と投球内容が低下しました。ホップする4シームと大きく曲がるスウィーパーでポップフライを量産する球の切れが生命線ですが、昨季は投球の軸である4シームとスウィーパーの得点価値が大きく下がってしまいました。新しくレパートリーに加えたカッターが得点価値+5という収穫もあったので、本調子を取り戻せれば23年以上の成績を残せるかもしれません。
⑥コリン・ポシェ:31歳/$5M
ポシェは23年に防御率2.23/fWAR1.1と優秀な成績を収めたセットアップ左腕です。昨季は被打球指標が真っ青に変貌し、FIP4.88/fWAR-0.3と転落してしまいました。昨季の不調は、ポシェ最大の特徴であるライジングファストボールの質が低下したことが要因に挙げられます。4シームの平均球速が前年から1.3マイル、IVB(ホップ変化量)が1.2インチそれぞれ低下してしまいました。90マイル前半の伸びのある4シームでゴリ押しする左腕というのはD.C.の英雄ショーン・ドゥーリトルと重なるものがあるのでぜひドゥーリトルコーチと一緒にナショナルズのユニフォームを着てほしいですね。
⑦マット・ムーア:36歳/$3M
ムーアはNPBでもプレーした元トッププロスペクト左腕です。22年に防御率1.93、23年に2.56と好投し、昨オフに$9MでLAAと契約しましたが、51登板して防御率5.07/FIP6.17と散々な内容でした。4シームの平均球速が1.3マイル低下、決め球チェンジアップの得点価値が+10から-7に転落と衰えが顕著ですが、実力は確かなので再起に期待したいです。
⑧キーナン・ミドルトン:31歳/$4.5M
ミドルトンは23年に51登板/防御率3.38をマークした右腕で、ご覧の通り鯖も真っ赤です。24年は前腕を痛め、最終的に手術となりシーズン全休。来春には間に合うとの見込みですが、オフに$6Mの球団オプションを破棄されてFAになりました。健康ならセットアップを務められる選手だと思うので復活に賭けても良いと思います。
おわりに
今回紹介した8名はブルペンの柱というよりも、復活してブルペンの一角になれればという選手たちです。今のナショナルズはとにかく枚数が足りていないのでこの辺の選手の動向にも注目したいところです。
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