【WSH】なぜカイル・フィネガンは防御率0点台のピッチャーになれたのか?
カイル・フィネガンの圧倒的な投球が続いています。4月終了時点では11試合に登板して防御率7.20でしたが、5月以降は復調し、6月以降は29イニングで防御率0.93と凄まじい投球内容となっています。なぜフィネガンの成績はここまで好転したのでしょうか。
スライダーを切り、スプリット主体へ
理由として、投球配分の変化が挙げられます。
フィネガンは速球を8割近く投じるパワーピッチャーで、第2球種にスライダーを使っていました。ですが、下の表を見ると、今季はシーズンを追うごとにスライダーの割合が減り、代わってスプリットの割合が上昇していることがわかります。特に7-8月はスプリットの割合が全投球の3割近くと非常に高くなっていて、スライダーは1%台とほとんど投げていません。
最近の好調はこのスプリット多用による恩恵が大きいと考えられます。上図のBaseball Savantの球種ごとの成績を見ると、今季のフィネガンのスプリットは被打率.139・被wOBA.181・得点価値+4と高水準です。一方でスライダーの得点価値はここ3シーズンいずれもマイナスとなっています。特に、昨季の被長打率.600・被wOBA.426はちょうど今年の大谷翔平の打撃成績と同じくらいです。また、今季も少ない投球割合ながら得点価値はすでに‐4を叩き出しています。
ですから、スライダーの割合を減らしてスプリットを増やすというアプローチは理にかなっていました。とはいえ、ここまでハマるとは本人も予想していなかったのではないでしょうか?
おわりに
得点価値でマイナスだったスライダーを切り、代わりに増やしたスプリットが効果的だったたことが好調の理由と言えそうです。今後もフィネガンのスプリットに注目です。
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