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そらをとぶ

最近、空を飛ぶ夢をよく見る。

といっても、翼が生えたりするわけじゃない。夢の中で、下への階段やベランダへ向けて駆け出した時に、足を踏み外したまま宙に浮き上がる。
平地を走っている時に突然滑り出すこともよくある。最近では夢の中で走り出した時は大抵空を飛んでいる。
大抵、何か恐ろしいもの……特撮の怪人とか、化け物とか、シンプルに危険物とかから逃げ出す時に飛ぶことが多い。走るより飛んだ方が速いんだ。

空を飛ぶ、翼がないこともあるし宙を滑ると言った方が正しいかもしれないが、あの感覚は夢で体感した割には随分はっきりしている。
身体に推進力を感じることはあまりなく、大抵は風に乗って滑空するようなイメージ。実際に体験したことのあるもので例えるなら、ウォータースライダーを滑る時の感覚が一番近いと思う。
それでも2,3階くらいの高さまで浮き上がれるのだから、やはり足の裏から何か噴き出しているんだろうか。

多くの場合、私は自分が飛べることに疑問を抱くことはない。というか、なんか気付いたら飛んでいる。前後の脈絡もなければ、周りが同じように飛んでいたこともない。
何かから逃げ出す時によく起こる、ということはシンプルに私がビビり過ぎて覚醒してるんだろうか。思い返せば確かに早く先へ行きたい気持ちが原動力になっている気がする。

夢の中で空を飛ぶのは意外に気持ちいい。地面を滑るように飛ぶのも、一気に身体を持ち上げるのも楽しい。
ただ、思いの外夢というのは都合良くいかないもので、私はよく飛べる距離を見誤って墜落する。今朝見た夢の中でも、目の前の2階のベランダまで飛び乗ろうとして、直前で一気に滑り落ちた。
しかし、だからといって地面に追突することもない。地面にぶつかる直前で私はまた前方へと滑り出し、滑空しながら着地する。今日の夢では、確か母校の小学校の昇降口に着地したんだっけ。
言われてみれば空を飛ぶ夢の舞台は大抵小学校の中な気がする。恐らく、校舎の中央にあった螺旋階段を私がよく覚えているせいだろう。昇降口を左に曲がるとすぐに階段が一つ、通り過ぎて真っ直ぐ行くとガラス張りの螺旋階段とエレベーター……よく、このどちらかの階段が起点になる。多分、実際の校舎の配置とは間違っている気がするが。

夢の中の私の身体は今の大人の身体のままだが、きっと夢の中の校舎は実際よりずっと大きい。飛べる空間を賄うために当時の身長から見ても拡張されているかもしれない。特に螺旋階段。あそこは狭かった。暖かかったけど。

いや、私の小学校の話は良いんだ。めちゃくちゃ個人情報だし。今日は空を飛ぶ話。
実際、グライダーとかで滑空する時はもっと違う感覚なんだろうけど、私は私の夢での飛び方を結構気に入っている。空気の中を滑る心地は、中々気持ちいい。いつかそのままこの飛び方をしてみたいものだけれど、何か方法があるものだろうか。あれか、水の噴射で空を飛ぶ……ジェットブレード?とか、結構近いだろうか。そうでもないか。背中から何かで吊り下げてもらって飛び回った方が近いかもしれない。

また同じような夢を見たいな。できれば、怪物から逃げ回るシチュエーション以外で。
といったところで、今回はおしまい。お疲れ様、またどこかで。

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