目の前の利益より、長期的な信頼
こんにちは。最近丸くなったねと言われる@sakucchiです。
前職で記事広告制作を担当していた頃、メディアも伸び盛りだったのでありがたいことに多くの企業から案件をいただき、毎日忙しくしていた時期がありました。
ただ、中にはメディア特性をあまり理解いただいておらず、メディアが伸びてるという理由でとりあえず選んだのかな?と感じてしまうような依頼も。ユーザー特性のことを考慮に入れず、伝えたいことを端的に伝えてくれればいいというお話は結構あったように思います。
メディアに掲載する記事広告は、そのメディアにユーザーが何を期待して訪れているかを無視しては設計できません。同じ条件で掲載しても、結果に雲泥の差が出てしまいます。
そういう案件のご依頼が来たとき、私は編集長としてこのように話しておりました。
──お話はありがたいのですが、この商品でこの訴求をご希望ということですと、うちとは相性が悪く、良い結果が望めません。広告料金もお安くはないですし、御社としても費用対効果が悪くなりますので、今回はお断りさせてください
今考えてもすごいこと言ってるなと思います。でも、本当にそう思ってたんですよね。
メディアによって苦手なことはどうしてもあります。それを見ないようにしてお受けすれば、売上は上がったとしても信頼を損なってしまいます。一度そういう評判が立てば、次の仕事は来ないかもしれない。目の前の利益だけを追うのは、広告主にとってはもちろんメディアにとっても不幸です。
そうならないよう、このポリシーはずっと貫いていました。おかげで営業や代理店の方々には疎まれていたと思います。ごめんなさい。
ただ、案外こじれたことも少なく、中には「そんな真摯な意見をおっしゃるメディアは初めてで、この人は信頼できる」とおっしゃってくださった広告主さんもいらっしゃいました。商品や訴求を変えて、掲載にいたった案件も少なくありません。
目の前の利益に走るより、長期的な信頼を取った方がいいと今でも強く思っています。
でも、こういう毅然とした対応が取れたのは、他と比べても圧倒的に高い実績を出せる強いメディアだったからだと思います。そしてさらに言えば、広告主の希望に沿える商品を開発できず、特定の人気商品に偏る構図を作ってしまった僕らが力不足だったとも思います。
なんだかんだで強いプロダクトを作れるか次第なんですよねえ。それが一番難しい。
ではでは今日はこのへんで。