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ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM「Record Of Memories」の歓声のはなし。


感想 ネタバレしかありません。





ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM「Record Of Memories」
嵐の20周年、2019年に行われたコンサートツアーを映像化した作品。

2019年12月23日。
5×20ツアーに+1として設定されたこのコンサートは、「Shooting」と銘打たれ、ほとんど聞いたことのない「映像撮影用のライブ」として開催されました。

なんでこんなよく覚えてるかというと、
2年前、その場でコンサートを感謝した5万人超のひとりだから。

撮影用というのもあって、とにかくその日の内容はネタバレ厳禁。絶対に内緒。
そう言われて「いつになったらあの日の映像が観られるんだろう」と思っていたら、
どデカい映画になってきて驚いた。
いやぁ、何千何万回も思ったことだけどすごいな嵐。


ネタバレ厳禁というのはどこまでなのかわからんのだけど、(本当はなにも話しちゃダメなんだろうか。それだったら下げます。)
まああのコンサートのほとんどの部分が映像化されているわけだし。
一ファンとして、そろそろ感想を記録しておかないとさすがに忘れてしまいそうなので
あの映画を見て思い出した当時の記録を
備忘として、書いておこうと思います。

なにしろ2年前の話なので、
自分の中で多少の脚色、忘却があるかもしれない。
なのであくまでこれは現場も見ていたARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM「Record Of Memories」の感想として読んでいただけると嬉しいです。





とはいえはてさて、なにを書こうやら。





あの映画を観た人にとって印象深いもののひとつは「観客の歓声」なんじゃないかと思います。

(いきなり話ずれますが、私初めてドルビーシネマで映画観たんですけど、
あれすごいですね。音も映像も、せっかく観るならぜひあちらで観た方がいいです。
より会場の熱が伝わるのは、ドルビーだ思います。)

もうね、時勢的にもあんな声を出せるコンサートは無くなってしまったよね。あのときは思いもしなかったよ。

52000人の「キャー」というものすごい歓声。声。叫び。

今回の感想は、あの歓声についての話を中心にしようかなと思います。(続くのかどうかも分からんけど)

まず前提として、
5×20というのは「嵐」という枠に関わらずとてもとても珍しいコンサートです。

なにが珍しいかというとすごく短い期間で「50公演」やってるんですね。
野球チームかよと言わんばかりにものすごい勢いでドームを回り続けた嵐。彼らは「ファンの人に最低一回は見てもらえるように」この数を設定したと言っていました。当時相当忙しかっただろうに、あのサーカス団並みの公演数をこなした彼ら、マジですごいよね…。

実際のとこわかんないんですが
かなりの割合でその願いは叶ったんじゃないかな?と思います。当時自分の周りの嵐ファンの子たち(ファンクラブに入ってる子達)は、最低一回はどこかのドームに参戦できていた記憶があります。(もちろん日付の都合とか、場所の都合で行けなかった人もいると思いますが)
日本一チケットが取れないと言われた嵐のコンサートでしたが、彼らの計らいで場所も日時もいとわないのであれば(どこでもいつでも良ければ)1度は参戦できた可能性の高いツアーとなりました。

これで何が言いたいかというと、
12月23日のシューティングは、これまでに一度は5×20のコンサートを観たことがある人たちが「かなりの割合を占める」コンサートだったんじゃないかな、ということです。

私の記憶があっていれば、
シューティングライブは通常の「ファンクラブから申し込み」ではなく
当時の最新シングル「BRAVE」の購入者かつ、嵐ファンクラブ会員限定が申し込めるものでした。

嵐はその母体の多さからいろんなファン層がいると思いますが、
その条件もあり、比較的熱心なファンが申し込んでいたのではないかな?と思います。
(割と応募期間も短かった記憶もあるので)

ファイナルの直前となる日程かつ
応募条件も相まって
当日、そこにはかなり熱量が高めのファンが集まった印象があります。


それがどこで感じられたかというのが、
「歓声」なんです。


熱量の高めのファンが集まったから単純に「歓声がすごかった」というのは、違う。

多分あそこにいたかなりの割合の人たちが「どこで歓声およびコールアンドレスポンスを叫ぶべきか把握していた」のではないかなと、思っています。

私はシューティング参戦前に2度、5×20を観に行っていました。

初めてのときはネタバレも見ずに「新鮮」な気持ちで言ったので、
さまざまな演出に初めてのリアクションをしました。
映像、コンサートを生で観た方ならわかるかなと思いますが本当にさまざまな仕掛けのあるコンサートなので、ずっとずっと驚きっぱなしなんです。
訳わかんないところで叫びたくもなるし、
泣きそうにもなる。

あのときの衝撃や感動は今だって忘れられません。


ただ、これはどんな人のコンサートにも当てはまることだと思うのですが
「どの場所で何が来るか分からないから、反応がまちまちになる」現象が起こるんですね。

特に印象的なのがa Day in Our Lifeでの一コマ。

嵐のコンサートって、櫻井くんの煽りがひとつ大きな特徴だったりします。

この5×20でもC&R(コールアンドレスポンス)のひとつで

櫻井くん"When I say 5×(ファイブ バイ)、You say 20(トゥエンティ)"
(僕が5×(ファイブバイ)っていったら、君たちで20(トゥエンティ)って言ってね!の意)

って言った後にすぐ

櫻井くん"5×(ファイブバイ)" 
観客"20(トゥエンティ)"
っていうのを二回繰り返すってのをやるんですが

いや初見には無理やろこれ

コール慣れしてる人(?)ならまだしも、
いろんなファン層があつまる今回のツアーでは、この序盤の櫻井くんの指示がわからず
「?」ってなる人がある一定数いるイメージでした。私もそうだった。

「……? あっトゥエンティか、トゥエンティ!」みたいな。

でもシューティングのときはかなりの人たちが櫻井くんの指示を理解しているように感じた。
理解っていうか一回やったから知ってるみたいな。


こういう「一回やったから知ってる」みたいなファンの反応がシューティングでは随所に現れます。
(メンバー同士の絡みとかも、どこで来るか、どこでカメラに抜かれるかわかってるので「くるぞくるぞくるぞ……キャー!!!」みたいな感じでした。あれはおもしろかった。)

異常なほどに揃ったファンの歓声は、
「みんな一回叫んだことのある内容だから叫びかたを知っている」という裏事情もあると思うのです。

(撮影用に気合が入ってたというのも一つと思うけれど)

a Day以外で特に印象的だったのが、
櫻井くんソロの「アオゾラペダル」

前曲「果てない空」が終わった後
櫻井くんのみに照明が当たります。

グランドピアノへ
カツカツ音を響かせながら歩く櫻井くん。

そしてそこで櫻井くんが
上に羽織っていたジャケットを豪快に脱ぐ。

汗も舞って、
めちゃくちゃセクシーなシーン。
めっちゃ大画面にも映る。

でも誰も!
誰も騒がない!
ヒューとかキャーとかも一切ない!
!!!!!!!静寂!!!!!!!
シーーーーーーンってしてる!!!!

これ現場にいてもめちゃくちゃおもしろかったんですが(おもしろがるところではない)
映像でもやっぱりおもしろかった。
興味深いってのが表現的には正しいかね。

これ2年前の話なのでもう覚えてないんですけれど、
確か当時もそこでなにか叫ぶことに
ネットとかでも議論があったところだと思うんですよね。

すごく真剣な演奏の厳かな雰囲気を壊さないで、あのシーンで煽るような声を出すのはやめてほしい。
そんな感じだったと思います。

でも、初見ばっかりのファンが見ている中で
あれが起こったら
多分何人かは耐えれず叫ぶか呟くと思うんですよ。だって櫻井くん、めちゃくちゃセクシーだもの……(ここまで読んでる人はお気づきかもしれませんが、この文を書いている人は櫻井担です)

(実際、シューティング前に参戦した2つのコンサートではそこでなにかしらのどよめきがあった。)

シューティング当日のあの場所にあった「誰も叫んでくれるな」という謎の連帯感。
それは櫻井くんがピアノを弾き切る最後まで続き、
それまでのドーム会場が割れんばかりの喧騒とは打って変わった静寂が流れました。

私の勘違いでなければ、櫻井くんもちょっとびっくりした顔で「ありがとう」って言ってたような気がします。あんなに空気が重い(いい意味で)アオゾラペダルはあそこまでなかったのでは。

(ピアノを櫻井くんが弾いている途中でも、可愛らしい櫻井くんの幼少期の写真が写ります。(ところであれは本当にかわいい)でもそれをもってしても観客は櫻井くんの演奏を邪魔しまいとひたすらに「静寂」でした)


作られた空間、というわけではないことは念を押しておきたいです。
私たちはあの場所で、本当に心から楽しんで歓声を上げていた。泣いていた。

ただ、それが50公演もやった公演となると
ファンの想いがある程度まとまって来るのかなぁなんて思うのです。

映画を観ていたとき、
嵐とファンのコールや歓声のやり取りが「対話」のように見えました。

最高の演出と表現を嵐がくれて
それにファンがめいいっぱい「歓声」で返す

そういうラリーが続いていたんじゃないかなって思います。

それはその時間だけのものではなくて、
きっと嵐の5人が積み上げてきた20年
たくさんのファンが応援してきた20年

それぞれが対話のようになって
現れていたんじゃないかな、なんて思ったり。


先ほど触れたa Day の櫻井くんのコールアンドレスポンスの話、もうちょい掘り下げさせてください。

5×のあとに20いうの初見には無理やろ、とお話をしたんですが
そもそもこのコールアンドレスポンスの文化自体櫻井くんが20年かけて作り上げてきたものでした。

NetflixのARASHI Diaryで櫻井くんはこんな話をしています。

『コールアンドレスポンスなんて文化も基本的には 当時なかったから 僕らのライブには
“When I say なんとか U say なんとか“っつたって 基本的には返ってこなかったから』

20年後、彼らの記録の映画では
全力でその「なんとか」を驚くほどの声量と熱量で揃って返すファンの姿が
ちゃんと残されることになりました。

それが20年の積み重ねと、
50回の公演がなす"結果"のひとつだったんじゃないかな。






書いてて思い出しましたが、当時、「拍手」も印象深いなぁ、と思ったコンサートでした。
他のコンサートでも拍手をすることはもちろんありましたが、とにかくシューティングのときの拍手の回数は異常なほど多かったし、よく揃っていた。
映画ではカットされてしまっていますが、
5×20を歌う直前の5人の挨拶、
ひとつひとつにこれまた驚くほど揃った「ありがとう」と「拍手」が丁寧に続いた記憶があります。
(ひとつ映画に欲をいうとするならば、ダイジェストでいいからあれを入れて欲しかった、なんて思ったり。まあでもあれはあの場にいる人向けの挨拶だったから、削るべき演出なのかな。)

「拍手」も「対話」のひとつかもしれませんね。




嵐は5人しかいないので、
当たり前ですがファン全員とお話しすることはできません。

でもあの時間、たしかに嵐5人と
ファン52000人は歓声を通して、
「対話」をしていたんじゃないかなぁと思います。

52000人どころではないですね。
たまたまそこにいたのが52000人で、
それまでの50公演で、いや20年間で出会ってきたすべてのファンたちの対話の結晶が、
そこにはあったんじゃないかなぁと思うのです。
伝わるかなぁ、この感じ。
何を言ってるか分からんと思ったらすみません。でもそう思ったんだよね。



嵐の5人が惜しみなく愛をくれた20年。

「皆で一緒に歩いた 20年最高だよ」

20年間の嵐そのものとも言える50公演のすべてで、その言葉をまっすぐに伝えてくれた彼らに、貰ってばかりだとずっと思っていたけれど、私たちからも精一杯の愛を送れていたのかなぁ、とあの映画を見て思いました。

エンドスクリーンに流れた
"5 and you" という文字に泣いたのは私だけじゃないはずです。



彼らからのメッセージ"love for you"に寄せて、

love for ARASHI
めいいっぱいの愛を嵐に込めて。









いつかまたね 交点の先で。


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