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コンテンツ東京2023感想1【VRゴーグル、すっげえ!】

実を言うと、科学技術に強いライターになりたいと考えています。
とはいえ、ここ数年ガラパゴス状態。全然最新の動向についていけません。
VR、AR、空中ディスプレイなどに関するニュースを見ても
「ほんまに?盛っとるんちゃうか」と思うばかりで、
眉毛に唾がベッタベタについていました。

コンテンツ東京2023で、最新ディスプレイやXRの展示があると聞き、
新幹線に乗って見てきました。

背中を押してくれたチルさん、今崎さんに大感謝です

コンテンツ東京2023へ向かった経緯をつらつらと……

勢いで感想を書くので、ちょっと誤字脱字があるかもしれません。

長くなりそうなので記事を分割します。
まずは、人気の(?)VRゴーグル体験から……。


人生初!VR体験

VRゴーグル、被ってきました。
場所は、「インターネット不要のメタバース」の体験ブースです。

人生初メタバースの感想は・・・

「『すべてがFになる』やん!」

でした。

▼文系少女をうっかり理系世界へ導いてしまった、悪名高い(嘘)S&Mシリーズの第1巻。1996年。

小説内で、ヴァーチャルリアリティの世界が出てくるのです。
(空間内で、会話したり、ビリヤードをしたり、右手で握手をしたりする)

2023/07/06追記
ビリヤードや握手をしていたのは同じS&Mシリーズでも「有限と微小のパン」でした。すみません。

高校生で読んで以来、10年以上私の中のヴァーチャルリアリティといえば「すべてがFになる」で出てきたヤツ、でした。
で、まさに想像通りだったのです。

人が空想できる全ての出来事は起こりうる現実である

ウィリー=ガロン(漫画ワンピースに登場する架空の物理学者)

想像を超えてきたところを列記します。

  • 思ったよりすぐに「表示されている手」=「自分の手」と認識できた

  • 自然な手の動きで操作することはできないが、すぐ慣れた

  • 他の人が見ている景色をそのまま体感できた

  • 重力を感じなかったので違和感があった
    (ティアキンの方が重力がある……)

  • VRゴーグルが重いからお辞儀できなそう

  • ヘルメットのようにグラグラせず、簡単に固定できたが、ちょっとでも落ちてくると世界がボヤける

  • リアリティはなかった(googleマップで歩いているみたい)


VR空間に「自分の身体がある」と思えた

VR空間で再現された「手」を自分の手だと認識するまで、1分もかかりませんでした。
これが1番意外でした。もっと違和感があると思っていました。

自分の意思に連動して曲げ伸ばししている「手」を見ているうちに「私の手」になってましたね。
全く詳しくないので恐縮ですが、幻肢痛の治療に良いのかもしれないと感じました。(知識ゼロなので、違ったらすみません)

物を掴む動作では、コントローラーのボタンを押すことになるんですが、
これも思ったより早く慣れました。

コントローラーは、Wiiの「ヌンチャク」に似ているなぁという印象でした。

▼ヌンチャク。クラシックコントロールの方が良いけどね。

指の位置にボタンがあるので、
指を曲げればボタンが押される
=物を持つための自然な動きでボタン入力できる、
という感じです。

とはいえ、すぐに慣れたのもゲーム世代だからかもしれません。
スティックの操作で身体を動かすこと自体に慣れているのです。
(「かがみたいなぁ」と思ったら左手親指でボタンを押したり、
「弓を打ちたいなぁ」と思ったら右手人差し指を押せるんです。)

とはいえ、触感フィードバックはなく。
モノは掴めても、同じ空間内の人と握手はできなそうでした。
物を掴めたのか?掴めてないのか?などの認識は、視覚だけではちょっと足りません。
iPhoneの触覚フィードバッグが懐かしかったです。
横のブースで、触感フィードバックを与えられるグローブの展示をしていましたし、あんまり心配はしていないです。
もしかしたら、他のブースのVRでは触覚がついていたのかも・・・。


重力を感じなかったので違和感があった

ニュートン様が発見してくれた「重力」。
普段意識してないけれど、なければないで気になるものです。

モノに重みがないのは、ある意味ラクなのだけど、
モノから手を離したときの動きが、なんていうか……宇宙ステーションにいるみたい。
脳がバグります。

まあ、ゲームの世界でも重力の再現は出来てきているし、
メタバース空間によっては重力のある世界も再現できているでしょう。
再現度の高さより、オフラインで使えるところが強みの展示だったんで、
リアルな世界の再現度についてゴチャゴチャ言うのは、
フェアではない気がしてきました。


VRゴーグル、重い。負担なく固定する方法は必須か。

今回試したのは、
後頭部のダイヤルをネジネジして固定しつつ、頭頂部をマジックテープでさらに固定するタイプでした。

頭が小さくて、ヘルメットを被っても固定できないのが悩みでした。
ヘルメットを被ったまま頷くとグラグラ揺れるんです。
ちょっと顎を引くとヘルメットが下がってきて視界が悪くなります。
上を向くと落ちてくるので、額が防御力ゼロになります。
自転車漕ぎながら、すっごくイライラします。
(高級ヘルメットはそんなことない?ま、まさか……)

VRゴーグルも不快感MAXなのかしらと疑っていましたが、ガッチリ固定できるので、ヘルメットよりラクでした。

とはいえ、重いです。
2時間の映画を見ろって言われたら、裸眼で見せてください、ってお願いするレベルですね。

鼻低い民なので、安全ゴーグルをかけるとどんどん下がってくるのですが、
VRゴーグルはほとんど下がってきませんでした。
鼻で息をし続けられたし。画面も曇らなかったし。コンタクトもそんなに乾きませんでした。

▼大学の化学実験では白衣+ゴーグル。たまに+手袋。

とはいえ、VRゴーグルがちょっとでも下がってきてしまうと、
ヴァーチャル世界のリアル感が一気に薄れます。(理由は不明)
もっと軽くして、もっと固定できるようになる・・・でしょう。
(これもあんまり心配していません)


リアリティがない

1番のがっかりポイントでした。
(視覚以外の感覚付きVR空間なら変わるかも・・・?)

グランドキャニオンと、車整備工場に連れて行ってもらったのですが……
うーん……。
身体はビッグサイトにいましたね。

「世界の見え方が違う人の見ている景色」
を体感するには、良いんです。
認知症の方が見ている景色や、
色覚異常の方が見ている景色、
注意力不足の方が見ている景色。
「同じ景色を見ているはずなのに、どうして分かり合えないんだ?」
という悩みは解決できそうです。

ただ、自分が実際に行った気になるかというと……
何かが足りませんでした。

VRゴーグル利用先として、工場見学の代替手段を挙げられておられましたが……
元製造業としては、ちょっと、いただけなかったです。
これで「現場のことを知っている!」と思ってしまうと、
営業や開発・生産のすれ違いが増えてしまいそうな気がしました。

性能を上げる、歩留まりを上げる、付加価値をつける、
というような方向性で工夫するのはもちろん大切だけれど、
かといって
現場の負担をやたらめったら増やしてしまうのもねぇ……。
これから先、工程に無茶な変更を加えようとしたときは、
現場の皆さんの顔を思い出して「ほんまにええんか?」
と、自分に問いかけるようにしよう……

生産・生産技術で数ヶ月間の研修をした当時の私の感想より

工場内の現場の大変さって、
「暑い」「臭い」「音がでかい」「服が動きにくい」「気圧がしんどい」「重い」「でかい」
みたいなしんどさもあると思うんです。
これらが再現できない+リアリティがない、では、
果たして工場見学と言えるのだろうか……。

とはいえ。

実際は見れない部分を見れたり(装置の中身とか)、
早すぎてよく分からない動きをスローにしたり、
順番に覗きこむ必要がなくなったり、
アテンドのためにマイクが不要になったり、
工場見学のために工場内スケジュールを変える必要がなかったり、
工場の中をVRで再現するメリットは多そうでした。

私が工場研修を準備する立場なら、工場見学の代わりにするのではなく、
研修の前日までに
「どこを見るべきか?」「どこが危険か?」
を全員で共有するために使いたい
なと思いましたね。
(新入社員時、口頭やスライドで説明を受けてもよく分からなかった)


結論:VR、ええやん

後半、色々書いてしまいましたが……
体験前に危惧していたことは大したことはなく、
百聞は一見に如かずだなぁと実感しました。

他のブースでも体験すべきでしたが、出来ず。
もしかしたら、超超最先端のVRゴーグル×メタヴァース空間なら、解決していることも多いのかも。

結論としては、VRええやん、です。

どういったところに活用するのか、が気になりますが、
色んな人が体験することでアイデアが生まれると思いますので、
興味ない人ほど、試してみて欲しいなぁと感じました。

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