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コンテンツ東京2023感想3【ええやんePoster】

実を言うと、科学技術に強いライターになりたいと考えています。
とはいえ、ここ数年ガラパゴス状態。全然最新の動向についていけません。
VR、AR、空中ディスプレイなどに関するニュースを見ても
「ほんまに?盛っとるんちゃうか」と思うばかりで、
眉毛に唾がベッタベタについていました。

コンテンツ東京2023で、最新ディスプレイやXRの展示があると聞き、
新幹線に乗って見てきました。

背中を押してくれたチルさん、今崎さんに大感謝です

コンテンツ東京2023へ向かった経緯をつらつらと……

勢いで感想を書くので、ちょっと誤字脱字があるかもしれません。

長くなりそうなので記事を分割しています。

▼第1、2回はこちら

第3回は、台湾 Digital Signage Solutionsのブースで見たePosterです。


SHARPとE Inkの最強コラボ「ePoster」

……って、動向全然追えてないので、ホントに最強コラボかどうかは分かりませんけど(小声で言い訳)

ePosterとは電子ペーパーディスプレイのこと。「巨大なKindleの画面」……と言えば想像しやすいでしょうか。2023年春に登場した新製品だそうです。

ディスプレイだけど紙のように外に放置できる
紙だけどディスプレイのように内容を書き換えられる

がePosterの大きな強みです。

▼気になる方へ、ePoster公式情報貼っときます

USBを差し込むか専用アプリを利用するかで表示内容は変更可能。表示し始めたら電源を抜いても画面を維持できるそう。外でも見やすい上に、雨にも強い(らしい)。

フルカラー版(7.3型)とモノクロ版(42型)から選べるそうです。


ePosterええやん

実際見るePosterに抱いた最初の感想は「これでええやん」でした。

訳あって液晶ディスプレイでなく紙での掲示を続けている場所の数割は、ePosterに置き換えられるんじゃないかなぁと感じました。

使用できそうな場所

動作温度範囲は0〜50℃、動作可能湿度は〜80%だそう。アマゾンのジャングルや砂漠のど真ん中に設置するにはちょっと厳しそうですが、普通に人間が快適に暮らせる程度の屋外で使う分には問題なさそう。

公式が提案している使用例には、店舗内外のサイネージやメニュー表、工場内の作業スケジュールなどが挙げられています。

カーボンニュートラルと相性バッチリ

SDGsに高めの関心を抱いている私としては、「カーボンニュートラルの目標達成に困っている企業の皆さん!ここに解決策がありますよ〜!!!」と叫びたくなりますね。

お宅のサプライチェーンのどこかでも良いんで、使っている紙をePosterにしましょうや。Scope3、達成しやすくなるんとちゃいます?DXも進むんとちゃいまっか。
(回しもんじゃないっすよ。)

印刷ミスに怯える日々が終わるかもしれない

設置側だけでなく、デザイン〜印刷する側にとってもePosterは魅力的な製品です。

印刷後に「ああああ〜!誤字がある〜!!!!」と気付く……そんな事故に怯えたことはないでしょうか。印刷後にミスが発見されると、損失も大きいし、ゴミも増えるし、納期の余裕もなくなるしで、エライコッチャです。

その点、ePosterならサクッとデータを入れ直すだけで解決できます。

しかも期間限定の掲示終了後、ゴミが出ないんですよ。次のデータを入れたら良いだけ。ええやん


ePosterに欠点があるとすれば

と、ePoster結構ええなと思ったんで良いところばかり挙げてきましたが、気になるところがなかったわけではないです。

  • 紙より重くて嵩張る

  • サイズが限定されすぎ

  • 画像の切り替えがもっさりしてる

  • モノクロモデルの「白」が気になる

  • 額縁が広い

  • ワクワクしない

水を差したくないんで、サクサクっと触れていきましょう。

紙より重くて嵩張る

42型のモノクロモデルePosterは約8kgです。2Lの牛乳4本分ですね。
チラシと比較すると、同じ表示面積(856.8 [mm] × 642.6 [mm])なら約47gと、約171倍の重さ。

紙は丸めたり畳んだりできるので……省スペースで軽いから、という理由で紙を選んでいるなら、ePosterは負けるかもしれません。

ホワイトボードには勝てるかもしれませんが……ホワイトボードは気軽に書いて消せるメリットがあるからなァ……(だんだん小声になる)

E Inkの製品 13.3インチのePaper Display は116gらしいので、うーん、筐体の重さなのかなぁ。防塵防滴だしなぁ。電源不要だしなぁ。仕方ないのかしら。

サイズが限定されすぎ

7.3型の4色両面モデルと42型のモノクロモデルって……流石に選択肢少なさすぎでしょ!

まあこれは技術的課題というよりは、大きく需要がありそうな2種類を先行で作ったって感じなのではないでしょうか。需要が増えれば選択肢も広がると思うんで、すぐ解決するでしょう。次!

画像の切り替えがもっさりしている

電子インクで色を表す仕組みは、液晶ディスプレイのようにバックライトが光ったり消えたりする仕組みや、素子自体が発光する有機ELの仕組みとは大きく異なります。

ざっくり説明を試みます。

電子インクは、帯電した色付きの電気泳動式粒子(カラー粒子)が入ったマイクロカプセルで出来ています。マイクロカプセル内はカラー粒子と透明な液体で満たされています。

例えばモノクロディスプレイで黒色を表示したいなら、電圧をかけることで黒色の粒子が表面側へ、白色の粒子が裏面側へ移動することで、電圧をかけた部分が黒く表示されます。(詳しくはE Ink公式HPへ)

E Ink公式「電子インク技術」を元に解釈

電圧をかけた後、カラー粒子が上下に動く時間が必要だから、ややもっさりして見えているのだと思います。

専門外なので、正しくないかもしれないけれど……もうちょっとカラー粒子の周波数への応答性を高くすれば良い気がします。もしくはトランジスタを高速スイッチング可能なものにするとか……的外れだったらごめんなさい。

ま、動画を映すわけではないから、このままで良い気がします。

モノクロモデルの「白」が気になる

なんというか、kindleでも電卓でも、白が白ではないですよね。まあ黒も黒ではないけど。

あんな感じです。色の再現性が低いというのかな。

見慣れたら良いだろうし、4色バージョンでは綺麗に色が表現できていたので、まあニーズに合わせて選択すれば良いことかなと。次!

額縁が広い

最近のディスプレイはスマホでもなんでも狭額縁化が進んでいるので、ちょっと額縁が広いのが気になってしまいました。

例えば、ePaperを複数並べてあたかも1つの画面みたいにして表示したいなら……もっと狭額縁にした方が良いでしょう。

とはいえ42型って十分でかいし……そんな使い方する人、いるかなぁ……

もし開発の方に聞く機会があれば、
狭額縁にしていない理由と、できない理由(あるなら)を聞いてみたいですね。当日聞けば良かった〜!!!!

ワクワクしない

「すっげええええええ!」とはなりませんでした。

例えば横に空中ディスプレイがあれば、視線は向こうに取られちゃうかもしれませんね。宣伝効果は低いかもしれないです。ま、これも使い方次第でデメリットにならずに済みそうです。


結論:ePosterは紙とディスプレイの良いとこどり

完全に紙からePosterへ置き換わるとは思えませんが、用途によってはめちゃくちゃ輝ける製品だなぁと感じました。

モノクロE Ink自体はkindleやスーパーの価格札にも使われているようです。もっさり感や白黒のコントラストが気になるならkindleで確認できそう。

4色E InkはLenovo ThinkBook Plus Twistの片面に採用されているようですよ。(もう片面はOLED)

紙もディスプレイも適材適所。ePosterがピタリとハマるニーズが見つかるのを楽しみにしています。

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