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サロン版 M&Aの主要ポイント
みなさん、こんにちは。ちょうど本日、ファイブスターグループ初となるM&A(Mergers and Acquisitions:合併・買収)を行なってから1年が経過しました。経営統合した株式会社ブルーミングレイは、HOTPEPPER Beauty AWARDの5席部門で東北NO.1を獲得し、岩手県盛岡市内でgarou-ガロウブランドで3店舗展開する人気サロンです。今後M&Aを検討されている方に向け、この1年での実体験をもとにM&Aのポイントを整理したいと思います。
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M&Aの成功を左右するPMI(統合後の統合)について
まず、M&A成功において最も大切なのはPMI(Post-Merger Integration、統合後の統合)です。以下に、美容室をメインとしたサロンに特化したPMIの内容を説明します。
1. PMIの目的
PMIの目的は、合併や買収後にサロンの運営をスムーズに統合し、効果的なシナジーを生み出すことです。具体的には以下の目標があります。
業務効率の向上:重複する業務やプロセスを統合し、無駄を省いてコストを削減します。
収益の増加:自社の持つ強みを活かして新しい地域や顧客層にアプローチして売上を増やします。
企業文化の統合:異なる会社の文化を調和させ、スタッフのモチベーションを維持します。
リスク管理:統合過程でのリスクを特定し、適切に対処します。
2. PMIのプロセス
PMIのプロセスは以下の段階に分かれます。
1. 準備段階
統合計画の策定:M&Aの目的や目標を明確にし、具体的な統合計画を作成します。例えば、ディーラーの一本化、サービスメニューの統一、価格設定の見直し、HOTPEPPER Beautyを中心とした広告の打ち出しや活用手法などです。
統合チームの編成:適切な管理者を選出し、統合チームを編成します。ファイブスターでは、統括マネージャーを筆頭に、オフィス部門と連携していく計画を立てました。
コミュニケーション計画:従業員や取引先に対するコミュニケーション計画を策定します。例えば、新しい体制や今後の方向性についてどのように進めていくかを考えます。
2. 実行段階
組織再編:効率的な売上を上げるためや、摩擦を軽減する方法を設計します。例えば、新しいマネージャーの選定や、各店舗のリーダーを明確にします。
システム統合:予約システム・売上管理・入金方法などを統一します。これにより、業務の効率化が図れます。特に入金方法は大変で、ローカルだと本部で使用している銀行が店舗の近くにない問題が発生するので、店舗ごとにどこが最適解なのかを考える必要があります。
プロセスの統合:サービス提供の流れや提供時間の統一を図ります。例えば、接客フローや業務プロセス、新しい薬剤でのサービス提供です。いきなり変えると摩擦が生まれるため、基本はこれまでのやり方を尊重し、ゆっくり最適化できる計画にしました。
企業文化の統合:研修やチームビルディングを通じて、スタッフ間の連携を深めます。例えば、全店舗合同の理念勉強会や交流を図るアクティビティの実施です。こちらもいきなり進めすぎず、丁寧に様子を見ながら行うのがオススメです。
3. モニタリングと調整
効果をチェック:統合がうまくいっているかを定期的にチェックします。定期的な店舗ラウンドやミーティングなどで実際の状況を確認するのが良いです。マネージャーに任せきりにせず、社長が出向くのが大切ですよ。
問題を解決:問題があればすぐに解決するようにします。小さな一つ一つの積み重ねの先に互いの信頼や信用が生まれます。
改善を続ける:フィードバックをもとに、少しずつ良くしていきます。少しずつ、というのが肝です。
3. PMIの成功要因
PMIを成功させるための主な要因は以下の通りです。
リーダーシップの強化:統合プロセスをリードするリーダーシップと本部との連携が重要です。最初の半年間は私もしっかり入り込み、統括マネージャーとオフィスと連携してリードしました。そこから、現地幹部をマネージャーに抜擢し、伴走しました。
理念とビジョン:何を目的とし、何を大切にし、どんなお店にしていきたいと考えているのかを示します。理念やビジョンの浸透は、何度も理解してもらえるように努めます。
効果的なコミュニケーション:定期的なミーティングや情報共有の仕組みを整えます。店舗と距離があるため、オンラインやLINEを効果的に活用しました。
PMIはM&Aの成功を左右する重要なプロセスです。計画的かつ戦略的に実行し、皆さんの会社がさらに成長することを目指しましょう。
まとめ
M&Aを通じ、これまでにない成長の可能性や盛岡の新しい仲間との出会いがありました。反面、想定以上に離職者がでてしまい、難しさも実感した1年でした。しかし、ファイブスターグループの理念が『ありがとうの総量を増やし続けよう』であるため、残ってくれる従業員の仲間や譲渡してくださった方たちに「ファイブスターグループで良かった!」と思っていただけるように日々頑張り続けるだけです。このブログを読んで下さったみなさんも、将来的にM&Aによる成長を考えられているかと思いますが、参考になれば幸いです。