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第1章 ベスト・セルフをイメージする


1-1「試験当日のベストな自分」、イメージのしかた

早速ですが、試験の当日、会場で、どんな自分ならベストでしょうか。あなただったらどうですか。

試験問題を見たときに、「うわあ! 全くわからないよ…」と感じる自分がいいという人はいないと思います。
試験問題を読めばこれはあれのことだなと答えがスッとわかり、マークシートに落ち着いてマークできる。そんな自分でありたいです。

「こうありたいと思ったときに浮かぶ自分像」を、私はベスト・セルフとしました。そして試験勉強の期間中に、たびたびベスト・セルフをイメージしていました。

特別な作業はなにもありません。強いて言うなら徐々に粒度をあげ、可能な限り詳しく具体的に見ていきます。そして気づいたことはその場ですぐにメモをします。

メモは、メモ用紙よりもノートがおすすめです。私は勉強に使うノートの余白に時々書きました。ノートなら無くすこともありません。

メモの用意はOK?!
イメージを詳しくしましょう。

あなたは試験会場にいます。
机の上には何が置かれているのでしょうか。目に浮かびますか。
使っている筆記具は何ですか

もし、机に何が置かれているのかがぼやけているなら、試験日までにそれをくっきりさせたいです。そうでないと、試験会場に何を持っていけば良いのかわからず、持ち物の準備ができません(当たり前のことですが)。

このとき、「置かれているのは、鉛筆と、消しゴムと…」と漠然とではなく、写真のように具体的な品の画像が浮かぶと理想的です。

マークの筆記具は何にしましょうか。マークには鉛筆のほうが便利かもしれません

このような感じです。
イメージがくっきりすると、自分にどのような情報や準備が必要なのかが明らかになります。自分にどのような情報や準備が必要なのかが明らかになれば、たとえば出願書類を手にしたときなどに、重要事項を落とさずに頭に入れられます。重要事項が頭に入れば、当日の万全な準備へとつながります。

当日のあなたにとって他に重要なことはあるでしょうか
たとえば、試験日に、どんな服を着ていきましょうか

なにしろ朝から夕方までの丸一日の試験です。下着のタグが肌にあたってチクチクと痛痒い…なんていうのはごめんです。

靴はどうでしょうか。夕方に足がむくみ、靴がきつくなって足の指が痛むのも避けたいです。

おなかの具合はどうでしょうか。持参のコーヒーの影響で試験時間中にトイレに行きたくてたまらなくなるのも困っちゃう。でも、眠気が心配だな、どうしようかな、昼食やおやつで眠気覚ましに良いものって何かあるんだろうか…。

トイレといえば、トイレは混みそう…。できるだけ早く済ますためにもポケットにハンカチを入れておかなきゃ。

休憩時間は? ベスト・セルフならどんな風に休憩時間を過ごしている
余裕があって、小説を読んだり音楽を聞いたりしていそうだな。あとは、弱点項目の一覧メモを確認としてチラ見する程度で…。そうか、ベスト・セルフは目や脳を疲れさせないようにしているんだ。スマホも見ないって決めてるんだな。妙な通知やニュースで動揺したくないし見ない方がいいな…。

そんな感じで、当日のベストな自分をありありとイメージし、気づいたことは全て忘れないようにメモをします。

そして、試験日を迎えるまでの期間で、「当日のベストな自分の状態」へと準備していくのです。


1-2  イメージの次にすること


イメージの次にすることは、ベスト・セルフ状態のためにどれほどの準備期間が必要か、いつ準備をするのかを考えて決めることです。

勉強についてはあとで詳しく書きますので、それ以外の準備から。
主に3つです。
① 文房具の準備
②当日のベストな身体状態のための健康管理・体づくり
③服装

1-2-1  文房具の準備


鉛筆は、勉強期間中ずっと使いました。3種ほど試しながら。
文章でどう表現したらいいのかわからないのですが、書きごこちの悪い鉛筆ってありませんか。当日あれでゾワッとなりたくなくて、文房具店で1本ずつで買える品を試しました。
濃さは出願書類の指定ではHBでした。(出願前はBや2Bの鉛筆を使っていたのですが、出願書類を手にしてからはHBで勉強しました)

試験ではシャープペンシルもOKだったので、記述式にはシャーペンもいいかもしれません(鉛筆でもいいと思います)。私は普段は0.5ですが、原稿用紙に1文字ずつ書くなら芯の太いのが好きです。

消しゴムも消しやすいと快適です。記述式の回答では広範囲を一気に消したくなることもあったので、マークの消しやすさと併せて考慮しました。

鉛筆削りも持ち込み可です。自宅での勉強では毎日のように使い、鉛筆削りで削った鉛筆に慣れておきました。鉛筆削りは買いに行ったら案外多種多様でしたが、私はペンケースに納める大きさ重視で選びました。

ペンケースのチョイスは重要だと思い、検定試験用に細身のものを無印良品で新調しました。私が受験した会場の机は狭かったです。中学校や高校でよく見るタイプの椅子と机でした。その机に問題冊子(A4大。見開き状態でA3)を広げて回答したので、ペンケースは細身にしておいて正解だったなと感じました。

(*過去問冊子はB5、見開き状態でB4です。本番の試験問題の方が大きいです。マーク式の解答用紙も過去問冊子内のものより大きかったです)

ちなみに、鉛筆キャップは試験会場では不可でした。

1-2-2  健康管理と体づくり

試験は丸一日でかなり疲れます。それに耐えられるように、また、回答時にベストな脳や身体状態でいられるように、体作りをしました。私は病気でハンディがあり受験時の配慮申請をしたのですが(そのことは第5章にて)、だからこそ、当日不調になるのは絶対に避けたく思っていました。

勉強期間中は、夜何時に寝て何時間の睡眠を取るといいのか、朝何時に起きれば試験開始時までに頭がすっきりと回るようになっているのかを意識しながら日々を過ごしました。午後、眠くならないことも重要だったので、その対策も考えました。(私の場合は昼食後に軽く外を散歩すると良かったので、当日も食後に外に出て試験会場施設をぐるりと一周しました。)

●早起きの秘訣と逆算の思考

早起きをして散歩して、早朝のうちに勉強をし、そのあと朝食をとる。そのリズムができると、朝食後の家事や用事もサクサクとできて、勉強も進み、夜までよい状態が続きました。

とはいえ、早起きが苦手なかたは、「その早起きができないんだよ…」と感じるかもしれません。私も人生でずっと早起きが苦手でした。

それで、ある日考えました。旅行時などの早起きはできるし、寝過ごして遅刻をすることもない。その気になれば起きられるのに、旅行のときに起きられるのはどうして? と。すると出てきた答えはこうでした。

「旅行のときには、起きたらやることも、自宅をでなきゃいけない時間もはっきり決まっているから。逆算して決めた時刻に起きないと旅行に行けなくなっちゃうし。」

そうか!と思いました。
やるべき事柄と、そのために必要な時間そのふたつが迷いを減らしてくれていて、行動の動機づけになっていたんだ、と気づきました。
この気づきは勉強のプラン作成にも役立つ大きなものでした。

そこで、起床〜朝食前までにやりたいことを上げ、各々にどれほどの時間を割くかを決め、逆算で起床時刻を決めました。

朝のルーティーンが決まってからは、「もうちょっと布団にいたいな〜」と気持ちが揺らぐことがなくなり、決めた時刻にスッと起きられるようになりました。就寝時刻も自然と守れるようになり、生活リズムの好循環ができました。

体作りとしては、ラジオ体操をしていました。トータルでほんの8〜15分程度ですし、3分ずつ程度で朝、日中、夜などに分けることもできたので。天候に左右されずに続けられるものがいいなと思ったのです。

心理学関連の何らかの調査結果で、毎日7分以上運動している人は自己肯定感や幸福感が増すと読んだことがあります。ラジオ体操はピッタリでした。
また、ラジオ体操では上半身をよく動かすので、長時間椅子に座れる体づくりに役立ちました。散歩だけではこの効果は得られなかったかもしれません。

食事は、不調を招くものを取らないように気を配りました。
たとえばいきなり妙な話題で恐縮ですが、私はときどき朝食後にお腹がゆるくなることがありました。もしも試験当日にそのようなことになったら一大事です。
そこで、どんな食事のあとでお腹がゆるくなるのかを観察し、朝のカフェオレをブラックのコーヒーにし、ソーセージを朝食から外しました。するとお腹がゆるくなることもなくなりました。どうやら牛脂が苦手なようです。
塩分控えめな食生活も心がけました。トイレが近くなるのが嫌だったからです。

そのように飲食に意識的になると、「今日は目がスッキリしているな」とか、「頭がスッキリしてよく考えられるな」などがわかるようになりました。

特に、甘い物を控えると頭や目がスッキリします。甘い物は脳疲労を軽くするとお考えのかたもいらっしゃるかもしれません。確かに一時的にはそうなのですが、甘い物を控えるほうが終日スッキリ感が続くように思います。
具体的には糖分のあるチョコレート、飴、グミ、デザート類やお菓子、ジャム、ジュース、甘辛い系のお煎餅などは食べません。ご飯やパン、果物などは普通に食べます。
甘いものが大好きなかたは、良かったらためしてください。体に合っていれば5日〜1週間で頭がスッキリし、勉強も爽快に捗るようになります!

1-2-3 服装

試験は10月で、春や真夏のうちは当日の服装は決めにくいです。いつ頃からなら当日用の服を試し始められるのかだけ、事前に考えてスケジュールに入れました。

具体的に考え始めたのは9月20日を過ぎた辺りです。当日までに何度か「今日はこの服装で、当日通りのスケジュールで過ごしてみよう」と試しました。
下着や靴下も全て含めたベストセットは試験の1週間前辺りで決まりました。「当日は着るものに迷わずに、これでいけばいいんだ」と思えたことで、試験前は勉強の総仕上げに集中できました。

ほとんどの受験生は不慣れな会場環境での受験になります。机や椅子は選べませんし、めちゃ窓際の陽当たりの良い席になるかもしれません。だから、自分で選択・準備できることはベストなものを選びぬきました。全てはベスト・セルフで臨むためでした。 
不慣れな環境でもベストな自分でいられたら、最大限の力を発揮できると思います。


*読んでくださりありがとうございます。
 私も、勉強期間中に多くのかたの発信情報に助けていただきました。恩送りとしてこの内容がどなたかにお役に立てると嬉しいです。
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