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【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編 #2「視線」

こんにちは。
前回、呼名についてお伝えしました。

(まだ読んでいない方は、こちらもどうぞ↓)

視線

1歳半健診では、
呼名と同じくらい重視されるのが、
今日お伝えする「視線」です。

「呼名・視線」、または「呼視(こし)」と、
並んで表記されることもあるように、
問診の場面で、同時に確認される大事なポイントです。

なぜ重要なの?

乳児が徐々に目が見えるようになったときに、
視線を介して外の世界とつながります。
まだ歩かない、話せない乳児は、
身近な大人を視線でとらえて、
その姿を通して外界を理解
していきます。

子どもが親を見てサインを送り、
親が視線を受け止めて応答する。
同じように、親の呼びかけをキャッチして子どもが視線で応答する。

このような双方向性のやりとりが、
こころの発達を促す
といわれています。

1歳半健診で問われる「視線」は、
視線を通して人とつながるコミュニケーションとしての視線です。

アイコンタクトがとれるようであれば、
視線をコミュニケーションとして使っているといえます。

視線の種類

視線には、いくつか種類があります。

①共同注視(意)…「〇〇見て」などと注意を引くと、子どもが反応して、示されたモノ(モノゴト)に目を向ける。

②視線追従…子どもが誰かの視線を追って、誰かが見ているモノ(モノゴト)に目を向ける。

③社会的参照…子どもが誰かの行為を見て、誰かが関わっていたモノ(モノゴト)を評価する。

③は、たとえば、大人が熱いモノに触れたときの様子(思わず手を引っこめる、顔をしかめるなど)を子どもが参照(見る)することです。

熱いモノに触れた大人
大人の様子を見て驚く子ども

こうした社会的参照を通して、
怖いモノ、触ってはいけないモノ、
という認識を子どもは持つようになるといわれています。

このようなコミュニケーションは乳児期から発達していきます。
個人差があるので、
1歳半健診では、
幅を持たせて子どもの育ちをとらえています。

呼びかけた(られた)ときに、
お互いに見つめ合う「相互注視」があればOKです。

コミュニケーションの力がついてくると、
上記の①〜③の様子が見られるようになっていきます。

日常のなかで、お子さんの成長を感じる目安として参考になさってみてください。

視線の関わりを育てよう

視線が合いにくい。
合うけれどしっくりこない。
合うのは何か要求するときだけ…。

視線について心配される親御さんから、これまでにたくさんのご相談を受けてきました。

お子さんは一人ひとり違いますが、
皆さんへ共通してお伝えしていることがあります。
それは、視線は関わり方で育てることができる、ということです。

楽しい遊びが子どもをつくる

まずは、スキンシップ遊びをしてみましょう。
「楽しいね」という気持ちを、
視線を交わしながら共有
します。
こうした遊びが、人への意識を高めて、
人とつながる楽しさに気がつくきっかけを作ります。

追いかけっこのようなものより、
向き合う姿勢のものがお勧めです。

大人が介入することで展開を作っていけるものがよいでしょう。

続けるコツは、
トレーニングっぽくならないこと、
大人も一緒に楽しむことです。


次回のテーマは、「指さし」です。
お楽しみに!

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