【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#3「指差し」
こんにちは!
お待たせしました!
幼児健診の歩き方 1歳半健診編の第3弾です。
前々回が「呼名」、前回が「視線」と続いて、今回のテーマは「指差し」。
これら3つが1歳半健診の発達の目安の肝になる、3大ポイントと言えるでしょう。
とくに、今回お伝えする「指差し」は、言葉の発達を予測するものとして、健診の場では重要なポイントとみなされています。
(前々回の記事はこちら↓)
(前回の記事はこちら↓)
と、いうことで、いよいよ今日の本題の「指差し」です。
指差しはコミュニケーションツール
「指差し」は、乳児期の終わりごろの生後10,11か月頃からみられるようになります。(個人差があります)
大人が「あっちだよ」と指す方を見る(共同注視)など、
この時期の子どもは指さしの意図を理解するようになり、
自らも、取って欲しいものや、見て欲しいものを指差しで伝えるようになります。
1歳半健診では、視線と同様に、指さしをコミュニケーションツールとして使っているかをみていきます。
3つの指さし
健診の中で問われる指差しには3つ種類があります。
まず1つ目の指差しですが、
私の所属する政令市の健診の問診票では、
Q.何かして欲しい時に、指差しで要求しますか。
という質問項目があります。
これが、要求の指差しです。
おやつを食べたくて入っている棚を指したり、
外に行きたくて出口を指したり、
高い場所にあるおもちゃを取って欲しくて指すなど、
自分の要求を相手に伝える指差しです。
2つ目が、
Q.興味のあるものを指して伝えますか。
これが、伝達の指差しです。
子どもが興味を持ったもの(アニメのキャラクターや動物など)を見て、
それを身近な大人と共有したいときに伝える指差しです。
3つ目は、
Q.絵本を読みながら「○○どれ」と聞くとそれを指しますか。
これは、応答の指差しと言われるものです。
子どもに絵本のページを見せて、「○○はどれ(どこ)?」と問いかけた時に、その絵柄を見つけ出した子どもが、問いかけた相手に教えるときの指差しです。
確認のポイント
子どもの様子を見ていても、これが指差しになっているかよくわからないという保護者の方の声もたくさん聞かれます。
そのようなお声を受けて、もう少し詳しく確認のポイントをお伝えします。
はっきりと人差し指で指さないが、手や腕全体で示して教えてくれる様子があれば、指差しの前の段階の「手差し」であると考えられます。
いずれ指差しへ移行することが予想されます。
応答の指差しでは、子どもがわかる身近な物(りんご、バナナ、車、犬、猫など)の絵柄をチョイスするのはもちろんですが、
通じなかった場合は、絵本にこだわらず、「○○ちゃんのおめめ(お鼻、お口、おへそ)どこ?」と投げかけてみましょう。
大人が自分の部位を指しながら「ママ(パパ)のはここ。○○ちゃんのはどこ?」とヒントを出してもよいでしょう。
いずれの指差しも、相手に伝える行為なので、指差しをしながら相手を見て教える感じ、視線のかかわりがあれば、コミュニケーションとして指さしを使っているといえるでしょう。
終わりに
1歳半健診では、このように指差しをコミュニケーション力を測る目安にしていますが、個人差が出やすいところでもあります。
この月齢の子どもは、歩行が安定したことで視界が開けて、どんどん興味が広がっていきます。
お子さんの興味に対して、大人が関心を寄せて共感的に関わる態度が、コミュニケーション力を底上げし、支えていくうえでとても大切です。
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
次回のテーマは「言葉」です。
今後の予定ですが、1歳半健診編の次は3歳児健診編とシリーズ化していきます。
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