寄り添う愛のかたち
島根県安来市の田んぼに集まっているコハクチョウを見学に行きました。
採食のために隣の鳥取県米子市の水鳥公園から早朝に飛んできます。
田んぼに水を張られると、夕方にわざわざ水鳥公園へ戻るのが面倒なのか?夜もここでそのまま過ごしてしまうコハクチョウが多くなったそうです。
安来市に吉田さんという名前のコハクチョウがいました。
左翼をケガして飛べなくなって、故郷シベリアに帰ることができずに、10年以上山陰で暮らしていました。
安来市内の水辺を生活拠点にして、春になると泳ぎと徒歩で県境を越え、隣の米子市水鳥公園までたどり着くそうです。
1ヶ月半くらい滞在してまた安来市にもどります。
仲間はみんな春にはロシアに旅立ちます。
一緒に飛べない吉田さんにとっては安来市から米子市への移動が、北への渡りのつもりでしょうとのことです。
また翌年11月に仲間はやってきますが、春にはお別れしなくてはいけません。
そのたびに自分も一緒に飛んで帰りたい思っていたんでしょうか?
飛ぶことができず、泳いだり歩いたりして水鳥公園に移動することで心を落ち着かせていたんでしょうね。
夏の暑さにも耐えひとりぼっちで生きる姿を思うと、ちょっと切ないですね。
そんな吉田さんが2020年の春に、コブハクチョウのてっちゃんと恋をしていたようです。
本当は生息域の違う2羽が出会い恋をすることはないそうです。
奇跡の愛の物語があります。
こちらの米子水鳥公園のブログに、コハクチョウの吉田さんとコブハクチョウのてっちゃんの愛の写真が載っています。
何度も一緒に飛び立とうとするけれど、吉田さんは飛ぶことができません。
そんな吉田さんのもとに引き返して来て、てっちゃんはそっと寄り添います。
吉田さんを気遣う優しいてっちゃんの姿を見てくださいね。
寄り添って生きるという愛の形。
悲しく美しい2羽の白鳥の写真です。
山陰で一生懸命生きていた吉田さんは、昨年6月に亡くなりました。
水鳥公園の指導員さんが撮られた最後の写真は、一生懸命に羽ばたこうとしている姿でした。
とても残念ですが、今は空を自由に飛び回っているかも知れないですね。
米子水鳥公園の人の話や、BSS山陰放送2023年6月29日の記事を参考にしました。
11月28日から12月3日まで、神奈川、東京に行っていました。
もちろんバッチリ晴れ女で、最高のお天気の旅でした。
また旅日記を読みに来てくださいね。
旅の間は皆さんの記事をなかなか読みにいけませんでした。
これからゆっくり読みに行きますね。