現役医師が考える病院受診のコツ
こんにちはThe Splendid、SAKUです!
普段は整形外科医として働きながら、音楽活動しています!
本日は「現役医師が考える受診のコツ」について主に初診、そして整形外科に絞って紹介したいと思います。
■そもそも初診とは
漢字の通り、初めての診察を指します。
診断をつけるところまでやるので、最も検査や医師からの説明が多い診察になります。
■受付時間ギリギリの受診はオススメしない
これが本日最も伝えたいことです。
受付時間の期限は
・お昼前
・夕方の最終受付
になります。
お昼前は言わずもがな、医師がお昼ごはん休憩の前です。
そこから初診で問診、レントゲンや採血の検査をやって検査結果を説明するところまでを想像してみてください。時間にして30分以上かかると見てもらっていいと思います。
医師は休憩時間を削り、尚且つお昼を食べる時間を後ろにずらして診ることになります。
#血糖値めちゃくちゃ下がってる
いや勿論時間内ですし、私たちも仕事です。でも医師も人間なので、この状態で100%のパフォーマンス(身体診察、診断、処方を考える)はできないのは想像に容易いでしょう。結果不利益を被るのは患者さんなのです。
夕方の最終受付も同様です。1日働いて、疲れている帰宅前です。ウィルパワー(判断力、集中力)が超枯渇しています。ウィルパワーが枯渇した状態で、ウィルパワーをすごく使う初診を医師にやらせるのは、お勧めしません。
あとは、そもそも時間ギリギリだと出来る検査が限られます。検査する他部署の職員もお昼前だったり、帰宅前であることをお忘れなく。
ちなみに患者さん側の意見として「受付時間ギリギリが1番すいてるから、病院って待ち時間が長いし、そこを狙って行っている」と昔知り合いに言われたことがあります。
それも一つの考えです。ですが、上記のリスク承知での受診をお勧めします。僕が患者さんだったら、時間とお金という大きなリソースを割く病院受診では、リスクはあまり冒したくないですね。
ちなみにこの後の項目でも書きますが、これは初診に限ったことです。再診なら全然ギリギリの時間で全く問題ないと思います。一度受診したことがあるなら気にせず受診してみてください。(勿論時間内での受診をしてくださいね。)
■午後3時以降の初診オススメしない
これは医師のウィルパワー(判断力、集中力)がそのくらいの時間から極端に減るからです。
ウィルパワーが減っていると、場合によって
・判断が鈍っている
・場合によってイライラしている
などの可能性があり、最良の診断・治療ができない可能性があります。
これは医師側も勿論リスキーなのですが、最も不利益を被るのはやはり患者さんです。
ちなみにウィルパワーが無くなっているのは医師に限ったことではないです。看護師さんやレントゲン技師さんなどのコメディカルの方もウィルパワー無くなっています。つまり看護ケアやレントゲンなどの検査の精度も落ちる可能性があるのです。
せっかく時間とお金を使うので、ベストなパフォーマンスを医師やその他コメディカルさんから引き出しましょう。
再診は上記同様、15時以降で全く問題ありません。むしろ15時以降は再診患者さんのみが望ましいです。
■同じ医師にかかり続けるのがベスト
医師によって治療のやり方は全然違います。
例え出身の大学、出身の医局が全く同じであったとしてもです。
医師それぞれが一つの疾患に対して、どのような流れで治療すると良くなるか…そのコースを長年の経験や学習で決めており、それを基に頭を捻らせながらそれぞれの患者さんに合わせて、全力で治療を考えているのです。
その医師の患者さんの捉え方からも治療が変わるわけです。(検査結果だけでなく、キャラクターも加味して我々は治療を決めています。)
よって医師が変わる毎に説明が変わり、治療の方向性も変わり…では良くなるものも良くなりません。
また非常に言いづらいですが、自分が初診で診ていない患者は、前回診察した医師(前医)と同じ処方をせざるを得ないことが多いです。
僕は今外来しかやっていない身なので、再診患者さんであっても、なるべく丁寧に初診かのように診察し直しますが、多くの先生は外来にばかり注力できないので、自分が初診で見ていない患者さんは前医と同じ処方を出して終わりです。
これは、カルテから全ての情報(特に初心医がどんな風に考えて治療しようとしていたか)を読み取ることが不可能だからです。
よっぽど「この医師は合わない。」などがない限り、同じ医師にかかり続けることが1番良い治療を受けるコツです。
■事前に病院の「機能」を知っておくのが大事
病院の機能というのは、どの程度の重症患者を引き受けるか、また慢性疾患患者(腰痛や廃用症候群など)の入院を受け入れてるか、などです。
病院の機能は、その病院の特徴と言ってもいいでしょう。
良くあるのが、明らかにオペが必要な患者さんがオペをやっていない病院に来てしまうパターンと、逆に慢性疾患患者の入院ができるはずもない、救急を受け入れていたり手術バリバリやっていたりする病院に来てしまうパターンです。
こういった症例は他院へ紹介になるので、タイムロスになります。
タイムロスは、患者さんのその後の疾患の治りに関わります。特にオペが遅れることは、皆さんが思っている以上に(命に関わることが少ない整形外科ですら)致命的です。
このようにタイムロスが患者さんにとって不利益になることは理解頂けたと思います。なのでどんな病院か良く調べてから受診するようにしましょう。
盲目的に「近いから」とか「知っている先生がいるから」といった理由で受診するのは、本当にお勧めしません。
■医師の説明はメモを取りましょう
治療は、実は皆さんが思っている以上に患者さんの疾患に対する理解があって、初めて成り立つ部分が多いです。
しかし人間、どんなに頭が良くても一度聞いただけでは覚えられません。
その場でなくてもいいので、受診直後に軽くメモを取ることをお勧めします。
疾患の理解がしっかりできている患者さんは、治りが早いです。
■通いやすい病院を選ぶべし
同じ先生にかかるためには通いやすい病院というのは必須の条件です。
「良い先生がいるから」「あそこは評判がいいから」と初めから遠方の病院受診する方がいるようですが、お勧めしません。結局通えなくなって次の病院でやり直しになることが目に見えているからです。
とにかく口酸っぱく言わせて頂きますが、通い続けることが治療が成功する秘訣です。
■事故は接骨院でなく、まず整形外科へ
殊(こと)痛みだけに言える話ではないのですが、やはり何でも早く治療した方が治りやすいです。
痛い状態のまま1ヶ月以上経過すると難治性に、また3ヶ月以上経過すると一生痛みが継続すると言われています。これは痛みを感知する大脳が痛みを覚えてしまうからです。(細かい理屈を抜いてますのでやや乱暴な言い方をしています)
接骨院も勿論いいところがあります。触ってくれるところです。痛覚の神経と触覚の神経は、同じところを経由して大脳皮質というところに刺激が伝わるので、触ると良くなるのです。(「痛いの痛いの飛んでけ」は科学的に証明されているのです。)
よって接骨院を否定しているわけではないです。が、上手に使いましょうということです。
まずは整形外科で診断、薬をもらうことを強く推奨します。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。今後の参考にして頂ければ幸いです。
本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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