なるべく捨てない 片づけメモ 親のもの1
備忘録
母が、少しずつ身の回りのものを片づけたいと言いだし(いや、ずっと言っているような気もするけれど)、ゆるゆると、母と一緒に実家のものを片づけ始めた。
まずは、ホームに入ってしまった父のもの。
でも、存命中はあまり捨てたくない……らしい。
まずは、書斎で、何があるのかチェック。
まぁ、几帳面な人なので、缶の中に年ごとに分類された年賀状。
そして、弔問やお祝いのときのやりとりのやりとりの記録。
留学生受け入れの紹介状や受け入れお礼の手紙。そして、留学生からのクリスマスや年賀状のカード。
そして個人的なやりとり。
手紙類だけでも、相当な箱の数。
この他に、論文、記事の原稿(昔だから全部手書き)、仕事関係の書類、
そして山のような本と雑誌。
こういうのは視覚的に減って進歩が見えないと、気持ちが折れる。
ということで、まずは箱の数が多い手紙類から着手。
これは、と思うものは母に見せつつ、母の脇で手紙を破く作業。
途中で、ふと封筒の切手を見ながら「これ、今となっては珍しいかも」と思いつく。
そして、本の帯を書いていただいて以来時々顔を出している晴佐久神父のいる上野教会に、使用済み切手を集める袋があったなぁと思い出す。
「切手は使えるかもしれないから、切り取るね。」
そういって、切手を切りながら、手紙を破く作業をしていたら、
「古切手、何に使うの?」と母。
なんか、ワクチンとかにするんじゃないかなぁ。
観光客向けにパックにして売ってたよね、昔は。
パパもヨーロッパのお土産に買ってきたことがあるじゃない?
そんな昔話をしながら作業。
すると、母が、
じゃぁ、私のもあるかもしれないから、と自分の手紙を出してきた。
片づけは絶対に人のものの方がやりやすい。
だから、母の前で母の手紙を片づけるのは避けていたのだけれど、
古切手がきっかけになって、結果的に母が自分の手紙を整理し始めた。
母の従兄弟にすごく筆まめな人がいて、季節ごとにはがきをくださる。
「それがね、はがきも違うし、毎回、切手も違うのよ。
○ちゃんは、字もきれいだし、文章もすてき。」と母。
「なのに、切手をとるためにはがきを切っちゃったら、読めなくなっちゃうじゃない?」
私がそういういうと、「でも、いいわよ。」という。
読み返すというよりは、はがきが手元にあることが大事なのかもしれない。
いとこの話から、母方の祖母の兄弟の話になり、年中名前は聞いていた大叔父達の年の順を初めて知った。
二日かかって、両親の手紙の整理はほぼ完了。
ついでに、父のところにあった紙類を持って帰ることにする。
黙って持って帰るのもと思って、母に一言そういうと、
「何に使うの?」と母。
「原稿確認したりするときに印刷するのに使うの。正式にどこかに提出するものはちゃんとした白紙に印刷するけれど、試しは裏紙でもいいからさ。」
最近は、もろもろの原稿の確認がPDFで送られてくるので、受け取る紙の量は激減しているのだけれど、やっぱり読み直す時に印刷したりすることはままあって、裏紙があればそれなりに使えるのだ、と言うと、
「裏が白い紙ならあるわよ」
と、書類を整理し始めた。
父の施設から来た通知類。読んで、そのママになっていたものを、再度目を通し、もういらないものをまとめてクリアフォルダーに入れてくれた。
ついでに、B5の水色の紙の束を出してきて持って帰れという。
A4しかいらないといったのだけれど、B5なら小さいからそのプリンターでも使えるでしょう。表も裏も印刷できるし、きれいだから何かに使って、という。
う〜ん。
と思ったけれど、まぁ、とりあえず受け取って帰宅。
で、本日の結論としては、
母は、明らかに何かの、あるいは誰かの役に立ちそうだとわかるものは、手放せる、ということ。
まぁ、そりゃぁ、人情よね、とも思う。
自分の持っているものが全部ゴミだとなったら、いい気持ちはしない。
ちなみに、古切手はここでも集めている。
〒108-0073 東京都港区三田4-1-9 三田ヒルサイドビル8F
認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会
得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)