墓守がいなくても墓を買うべきか?  散骨

昨日書いた記事の続きです。

今朝、朝会で、そういえばおじいちゃんの施設の面談はどうだった
という話になり、お墓問題のことを言ってみた。
今日朝会にいたのは、フィリピン人、マレーシア人、インド人、
アメリカ人、日本人。

日本にいる人がほとんどだけれど、お国柄や文化、そして個性で、
ものの見方は結構違う。
十人十色とはよくいったもので、
日本人だと十人十色といっても、せいぜい、水色と、青と、紺と……ちょっと白に紫くらいのばらつきかもしれないけれど、
彼らと話をしていると話が思わぬ方向に進むことがある。
それが、面白く、勉強にもなる。
私から見ると、笑える展開になることも多い。そっちへ行くか……という。

そして、本日は。

大方は、本人が散骨してほしいっていうんだから、散骨した方がいいよ、というのが基本の意見。
でも、勝手にそこら辺にまくわけにいかないんじゃない、人骨だよ。
私がそう抵抗すると、
そうそう、まずはパウダーにしないとね。
死体遺棄とまちがえられたりしたらえらいことだからね、
とアメリカ人のDさん。
なるほど……人骨粉砕しないで、川原にまいたら死体遺棄になりかねない。

日本人は許可無く遺骨まくなんて、違法なんじゃないの
というあたりで落ち着いている。
違法かもしれないことは、やらないに限る……と、基本的に思うのが私達。
十色といっても、てんでんバラバラの色合いにならない所以だ。

え? 違反なの?
その違反を犯したらどうなるの?
罰金? 逮捕される?
と言いだしたのは、マレーシア人のNさん。

う〜〜〜〜ん。
どうなんだろう。
違反かもしれないからやらない方がいい
としか考えたことがなかった私には、あえてやったらどうなるかなんて
見当もつかない。言葉につまる。

罰金かなぁ。
私が言うと、Nさんは、じゃぁ、場合によっては
決行しても大丈夫ね、というように、にやっと笑った。
やったもの勝ち。いざという時は罰金を払う。
そういう考え方もありか……。

そして、大丈夫だよ、粉にしてまけば、という人々も。
夜、人目につかないところでやれば大丈夫では、というわけだ。

いやだよ、夜、そんな悪いことしにいくの。
と私が言い返すと、
悪くないよ、だってそれが本人の希望なんだから、ときた。
といっていたら、フィリピン人のCさんが、
でも、最近の日本は監視カメラがあちこちについているっていうから
見つかったらつかまっちゃうんじゃないの?

大丈夫よ。気がつかないようにやれば、とJさん。
みんな、他人ごとだと思って。まくのは私だよ。
ブツブツいう私に、
ふつうには撒けないから、散骨がダメだったらどうしたらいいか
ちゃんと確認しておきなさいよ、と言ってくれたのは、
Cさん。確かに。

行き場のないお骨にならないように。
とは思うものの、確かに墓地にいれると管理費もかかるし、
子ども達が海外にいる人も多いのでそんなことを考えると
霊園もね……という話になった。

死んだらもう、ここにはいないんだから、
どうにでもしてくれだよね。
後は残った者に任せればいいんだよ、というのはインド人のSさん。

そうとも言える。
でも、残された側は迷惑じゃん。

粉砕してくれる火葬場は……なんていう話も出た。
日本人のMさんは、ご両親の散骨の希望を叶えるべく、
お骨を別の斎場にもっていった、粉骨してもらったのだそう。
う〜ん。
いろいろ考えると、散骨はないな〜というのは、本日の結論。


得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)