IELTSスピーキング: たった40日間で5.5→7.5へ劇的にスコアを上げた方法
40日間でスコアが2ポイントも急上昇
まずは私の受験結果をご覧ください。
2023年12月17日に受験した際のスピーキングスコアは5.5でした。Speakingセクションであと0.5ポイントあればOA6.5に届いていたので、再採点を依頼してみましたが変動せず。
しかし、2024年1月28日の再受験で、スコアは一気に7.5へ跳ね上がりました。この時は確かに手応えを感じていましたが、2ポイントも上がるとは1ミリも思っていませんでした。というのも、最初の受験から5回連続で5.5を取っていたので自信を失いかけていましたし、1ヶ月強で根本的なスピーキング能力が向上したわけでもありません。 では、この40日間で私が実践したこととは何か。オンライン英会話やリアルな外国人との会話の回数を増やしたとかではありません。Part1とPart2の全ての質問とCueカードに対して、ほぼ完璧に答えられるまで独り言練習したことだけでした。
5.5で停滞していた時期の反省
IELTSスピーキングでは、問題が繰り返し使用されることが多く、いわゆる「問題プール」が存在するらしいです。私もこの情報を知った後、最新の予想問題が掲載されているサイト(https://www.readingielts.com)を見つけました。どうやら約4ヶ月ごとに更新されていそうです。
実際、過去の試験と照合してみると、確かにこのサイトの質問がそのまま出題されているケースが多数あったので、高スコアを狙っている受験生はチェックしていた方が良さそう(ただし、Part3は試験官が受験者の答えに応じて質問を変えてくると思うので、参考程度に留めておくことをお勧めします)。
さて、最初の5回の受験では、RやLセクションのスコアが安定していなかったこともあり、スピーキングに多くの時間を割くことが実際できていませんでしたが、試験の2週間前くらいから、独り言やオンライン英会話での練習はしていました。ただ予想問題の量が膨大であり、一つ一つの質問に対して回答を中途半端に覚えることにあまり意味はないかなと(暗記した文は減点の対象になり得ます)。そのため、質問リストを軽く見て、「こんな答えが良いかな」と漠然と考える程度で毎回臨んでいました。
そもそも、目標スコアとしてOverall 6.5(全セクションで6以上)を目指していたため、スピーキングで6を取ることはそのうちに可能だろうと軽く考えていました。が、初回受験から11ヶ月が経過してもスピーキングスコアは全く変わらず、、、
そこで、KumikoさんのIELTSオンライン講座を受講し、特にスピーキング評価の重要な要素である流暢性が私の弱点であると確信しました。
5.5から7.5へのスピーキング戦略
冒頭述べた通り、実践したことはPart1とPart2に特化して、とにかく毎日喋り続けるのみです。
Part1
Part1の約150問に対して、どんな質問が来ても即座に答えられるレベルまで準備しました。質問ごとに、まずは日本語で回答内容をイメージして、同時に使用する単語・構文も決めておきます。その後、一時的な言い悩みをカバーする副詞やフィラーフレーズを使いながら、なるべく自然に詰まらずに話すことを意識します。この練習を繰り返すことで、ストレスが減り、流暢さが徐々に向上していく感覚はありました。ここでは、文法の正確さよりも、シンプルな構文でも良いから途切れずに話し続けることを何よりも重視しました。
例)私が7.5を取得した際に聞かれたPart1の質問に対する回答の思考過程はこんな感じです。実際はもう少し情報を付け加えたと思いますが、質問の後、瞬時にどれだけ🧠内の解像度をあげられるかが、回答の質に寄与します。
まずファーストステップとして、質問に対する日本語の回答を瞬時にイメージする練習は重要だと感じたので、日常的にこれらの質問に触れる機会を増やす目的で、Part1のみに特化した生成AIボットを作ってみました。https://twitter.com/IELTSNekoHakase
最新の予想問題集からランダムに質問を抽出し、OpenAIの大規模言語モデルGPT-4(通常課金しないと使えない言語モデル)がサンプルアンサーを生成してツイートします。
とにかく、Part1をスムーズに乗り切ることができれば、その後のPart2/3にも心理的な余裕を持って臨むことができるようになると思っています。
Part2
Part2もすべてのcueカード(約50題)に対して、何が来ても最低1分半以上話し続けることを目指しました。ただ、各トピックに対応するために個別にネタを考えるのは時間がかかりすぎるため、汎用性のあるベースラインを複数作り、様々なcueカードに流用できるようにしました。
例)私の場合、普段から大変お世話になっているChatGPTのここがすごい!という話を基盤として、それを以下の7つの異なるcueカードに応用しました。冒頭のイントロだけ柔軟にアレンジして、あとは自分の話慣れているストラクチャーに無理やり当てはめていく感じ。
Part3
Part3の特別な対策はしていません。(というのも、Part1やPart2の反復練習で自然に口から出る構文や単語がストックされていくので、それらをPart3でもよしなに流用していけば意外と耐えられる)
ただ、海外大学院出願時に推薦状を書いて頂いた米国MBA出身の方からのアドバイスをせっかくなのでシェアしたいと思います。
Part3は、Part1やPart2に比べて即興での回答が求められるので、まずよくありそうな抽象的なテーマに対して、自分のポジションや最近の具体例をPros/Consで整理して言えるようにしておけばよいということ。こういった英語の試験は、Economical + Financial、Social、Academical/Technological、History、Culture、Diversity、Sustainabilityとかの観点で話すと喜ばれると仰っていました。
※結構大変な作業なので、6.5〜7あたりのスコアを狙うのであれば、Part3までがっつり準備しなくてもおそらく大丈夫です。
その他の成功要因
話しやすいトピックが多かったこと
7.5を取得できた実際の試験ではPart1〜Part3にかけて、テクノロジーや仕事、働き方など比較的馴染みのあるトピックでした。Part3も、そこまでトリッキーな質問が少なかったのも幸運でした。
流暢な英語話者として自己暗示
以前までの試験で感じていた自分の弱みは
1. 話すテンポが遅い
2. 質問がクリアにわからず少し無言になる→相手に気を遣わせて再質問させてしまう
ただ、IELTSのスピーキング試験では「コミュニケーションができる」という観点を大事にしています。
今回は試験の15分間だけでも、まるで、誰か別人に憑依しているかのように、普段から英語話し慣れてますよオーラを出して臨みました。
また、試験官はユニークで驚くような内容を期待していません。内容の質よりも、友達とおしゃべりするようなリラックスした状態だったので、ポジティブな印象を与えられたような気はします。
試験会場の変更
ずっと同じ会場で受験していたのですが、前回と同じ試験官に採点されるのはなんか嫌だったので、今回に限っては場所を変更しました。また、今まで男性が多かったのですが、(多分)初めてイギリス人の女性が試験官だったので、新鮮な感じで少しテンション上がった記憶があります。
最後に
まさか、ずっと苦手意識のあったスピーキングが結果的に4技能中、最も高スコアで、下剋上を果たすとは夢にも思っていませんでした。たった40日間で、5.5から7.5へと、6~7を経ずに飛び級することは、ちょっと珍しいかもです。
自分は、フリーランスエンジニアで基本的に家にいたので、正直この期間は日本語を話すよりも英語で独り言してた時間が多かったと思いますし、仕事の時間も柔軟に調整できたのも大きな要因です。逆に普段の生活の時間配分を大きく変えられない人にとっては、短期間で準備するのは難しいかもしれません。
それでも、これまで海外留学や長期滞在の経験が一切ない私が達成できました。Part1とPart2に集中して対策すれば、少なくとも6.5以上は十分狙える可能性が高いかと考えています。
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