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ガンバ大阪 歴代外国籍選手列伝(2012〜)

 わかっちゃいるんだけれど、やっぱりフル代表の大会期間中にJリーグがあるのは違和感しかないですね。脳が理解を拒否します。というわけで後半戦です。前記事はこちら↓

↓他クラブ含めたまとめはこちら(勝手に引用)

それではスタート!

(いきなり悪夢の2012年を振り返ることになろうとは…)

FWパウリーニョ(ブラジル 2012〜2013)

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 京都、甲府などで活躍したJリーグの名物外国人。割とガンバキラーでもあった気がする。左足のキック精度は確かで、開幕から2試合はえぐいミドルとFKを叩き込んでいた。でも守備能力が皆無でサイドには置けない、かといって最前線に置くには心もとない、と徐々に序列が下がりスーパーサブへ。J2暮らしとなった翌年も怪我等であまり試合に絡めていなかったので、ガンバでは爪痕を残せずに終わった印象。ただ、日本語はペラペラなのできっといいやつ。

DFエドゥアルド(ブラジル 2012)

 お前は一体何をしにきたんやシリーズその1。相変わらず加地のバックアップがいないということで、両サイドバックができるという触れ込みでレンタル加入してきた。私からは以上です。プレーは見たことない。ウイイレではそこそこ役に立った。

FWイ・スンヨル(韓国 2012〜2012,7)

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 おま一体シリーズその2。南アフリカW杯韓国代表メンバーという触れ込みで加入。けれどガンバでは全く活躍できずに蔚山現代へとレンタル放出された。なおその後ガンバは降格し、スンヨルは蔚山でACL優勝。なんか悔しい。

FWロチャ(ブラジル 2013.6〜シーズン終了)

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 レアンドロと家長の穴を埋めるために、夏に緊急加入したずんぐりむっくりFW。あまりにもずんぐりむっくりだったので「ゼカルロスの再来」臭が半端なかったのだが、期待を裏切る(?)活躍を見せた。デビュー戦から5試合連続ゴールをぶちかます離れ業でレギュラーポジションを掴み、同時期に欧州から帰ってきた宇佐美とともに容赦なく敵をぶん殴る無慈悲な2トップを形成した。シーズン終盤は出場機会がめっきり減り、シーズン終了と同時に退団していったが、ロチャがいなければJ2優勝の難易度は跳ね上がっていたはず。J1昇格の功労者の一人。

DFオ・ジェソク(韓国 2013〜在籍中)

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 ガンバの外国籍選手在籍最長記録を更新し続けているジェソクも、移籍初年度は苦しんだ。ロンドン五輪銅メダルの実績をひっさげて入団したが、高すぎる加地の壁と怪我に苦しみ、出場したのはわずか5試合。今の姿からは全く想像できないが、練習態度もよろしくなかったようで…。このまま退団するんだろうなと勝手に思ってたら、翌年も残留。背番号も2から22に変更し、心機一転シーズンに臨んだ。すると加地のアメリカ移籍、藤春の負傷離脱が重なり一気にサイドバックの1番手へ。堅実な対人守備で強固なDFラインの一翼を担い、J1昇格即三冠という偉業に大きく貢献した。

 今は外国籍選手枠の関係上ベンチ外となる時期もあるが、それでも腐らず真摯に練習に取り組む姿は、国籍問わず全ガンバ選手の模範となっている。自分が適応に苦しんだ経験を生かし、ジェソクの後にガンバに加入した同郷のウィジョやヨングォンなどがガンバに早く馴染めるように通訳を買って出たり、難病治療で来日した一般韓国人女性をサポートするなど、聖人エピソードも枚挙にいとまがない。ジェソクがそうなったのも、同ポジションのライバルであった加地亮の影響が大きい。当時チームに馴染めていなかったジェソクを気にかけ、BBQや食事に招待し、手厚いサポートをしてくれたのだという。それもあってジェソクは加地を「死んでも忘れられない」と尊敬し、背番号も加地の21に次ぐ22に変更したんだとか。泣ける。

DFエブソン(ブラジル 2014〜2014.7)

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 ブラジルからやってきた長身CB。笑った時の白い歯が印象的。逆にそれ以外の印象がない。

FWリンス(ブラジル 2014〜2015)

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伝説の鹿島戦での写真 

 J1昇格即三冠という離れ業を語るには、まずこの男の話をしなければならない。『ブラジル1部選手権で活躍』『名門のパルメイラスやフラメンゴが獲得に乗り出す中、ガンバが争奪戦を制す』といった報道もあって、鳴り物入りでガンバに加入してきたが、なかなかフィットせず徐々にベンチ生活が長くなっていった。それでもスピードを生かしたプレーはかなり相手に脅威を与えており、夏場以降はスーパーサブの地位を確立する。

 第27節・鹿島戦では、2−2で迎えた後半アディショナルタイムに値千金の決勝ゴラッソを叩き込む殊勲の大活躍。浦和との首位決戦でも後半終了間際に自陣からの独走ドリブルで敵陣に切り込み、佐藤晃大の決勝点をアシスト。どちらかが欠けていてもリーグ優勝は不可能だっただけに、出場時間こそ短いがリンスの貢献度は半端なく高い。翌年もACLで大活躍。勝てなかったらGL敗退が決まる城南戦で終盤に逆転ゴールを挙げ、GL首位突破に大きく貢献した。その異常なまでの勝負強さから、いつしか「仕上げのリンス」と呼ばれるようになり、「必殺仕上げ人」の称号まで付けられた。本領発揮できたとは言い難いが、今でもサポーターの心に残り続けている助っ人だ。

FWパトリック(ブラジル 2014.7〜2017.6)

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 「強い」。この一言に尽きる。ハセケンの「FWが欲しい」というおねだりでやってきた重戦車FWは、合流直後からチームメイトの度肝を抜いた。悪い意味で。「素人ちゃうかってくらいド下手で衝撃を受けた」とは、のちに最高のパートナーとなる宇佐美の言葉。対面パスの練習ではなぜかパスが無回転のブレ球になり、トラップをすればボールはあさっての方向へ。シュート練習でもことごとく枠外に叩き込んだ。前年所属していた川崎でフィットしなかったのも頷ける。というか風間大僧正のサッカーに合うはずがない。

 だが「結果残せば万事オーケー」というブラジル的マインドが作用したのだろうか、試合になれば大活躍。今度はいい意味でJリーグ全体の度肝を抜いた。空中戦はほぼ負けなしで、ボール蹴るよりヘディングの方が正確なんじゃないかと思うほど。不安視されていた足元のプレーでも(不安は解消こそされなかったものの)、技術論を展開する識者をあざ笑うかのようなフィジカル全開のプレーでゴリゴリと前進して敵陣深くまで侵入し、宇佐美との連携でゴールを量産した。足元が下手くそでもスピードと強靭なフィジカルがあればドリブルは有効だということを、僕は彼から学びました。筋肉は正義で、力こそパワーなのだ。2014年は半年間のプレーながら三冠獲得への貢献が評価されベストイレブンに選出。翌年も序盤はゴール数が伸び悩んだが夏場以降は復調し、CS準決勝浦和戦、天皇杯決勝浦和戦で貴重なゴールを決めた。しかし2016年は絶不調に陥り、終盤には右膝の前十字靭帯と半月板を損傷してシーズン終了。それでもクラブはパトリックと半年間の契約延長を決意した。タイトル獲得の功労者に対する最大限の配慮。この時ほど僕はガンバサポーターであったことを誇ったことはない。ガンバで怪我を治して復帰し、2017年夏にガンバを円満退団。広島に移籍し、今も相変わらずのフィジカルと相当うまくなった足元のプレーで他クラブを恐怖に陥れている。

 ガンバとの対戦でゴールを決めてもパフォーマンスを控えるサポーターへの気遣い、帰化を目指して日本語を猛勉強する勤勉さ、無骨な見た目からは想像できない人懐っこさ。こういったエピソードにパトリックの人間性が表れているし、今でもガンバサポに愛されている理由になっていると思う。いつでも戻ってきてくれてええんやで。

FWアデミウソン(ブラジル 2016〜在籍中)

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 王国から横浜経由でやってきたプリケツ大魔神。U21ブラジル代表で背番号10を背負った実績を持つJ屈指のポテンシャルお化けである。加入当時はバルサの強力3トップ『MSN』になぞらえ、ガンバサポはパトリック・タカシウサミ・アデミウソンの強力トリオ『PTA』を(勝手に)結成。サポ一同はウッキウキだったが、タカシウサミの海外移籍によりPTAは3ヶ月で解散の憂き目にあう。そもそも3人がスタメンで揃った試合が片手で数えるほどだった気がする。

 ドリブルのコース取りに秀でた選手。パスセンスも優れ、攻撃の組み立てに大きく貢献できる万能アタッカーである。シュート精度の低さは難点だが、たまに意味わからんゴラッソをぶち込んだりするから、あまり声高にシュートが下手!と断じることができないのが難点(?)である。グロインペイン症候群に悩まされたりしてフル稼働できたシーズンはあまりないが、実力は確か。本領発揮すればJリーグで燻るようなレベルでないことは間違いないので、なんとか今後も頑張ってほしい。25歳だし、欧州行くとしても遅すぎるということはないと思うぞ。

DFファビオ(ブラジル 2017〜2018)

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 関東リーグ(当時4部相当)から成り上がってきた苦労人。マリノスでそこそこ活躍したのちガンバへ。危険なエリアでポカをやらかし、なんの前触れもなくセンターサークルまでドリブルで運び、通れば面白いが大抵通らない縦パスでスタジアムを大いに沸かせた。インスタでの存在感も凄まじく、ドラクエだったらMPが吸い取られそうなダンスをアデミウソンと踊っている様をアップし続けていた。これだけ見るとネタ臭くなってしまうが、長身を生かした空中戦の強さは見事だったし、対人能力も高かった。スピード不足で裏取られまくってたけれども。在籍した2年間はレギュラーだったけれど、契約満了に伴い昨季限りで退団。ちなみにその時、ファビオのインスタのDMにガンバサポが「来年いないんですか?」と質問。ファビオがそのサポに契約非更新の旨をお漏らしし、さらにサポがその内容をTwitterにお漏らしするというお漏らしのバケツリレーが展開され、この上ない地獄絵図だった。

 ちなみに契約非更新を告げたはいいものの、今オフは代わりのCBの補強が進まずファビオとの再契約説が浮上し、なかなか恥ずかしい状態になりつつあった。ヨングォン(後述)がきてくれたことでそれだけは免れることができたけれど、もし来てくれなかったらどうなっていたことやら…。結局現在は無所属。言っても基礎能力は高いので、DFラインに不安を抱えているそこのクラブ、いかがでしょうか?その際にはインスタの使用制限を契約条項に盛り込むことをオススメ致します。

DFペスヨン(韓国 2017〜レンタル中)

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 韓国のボイン高校(実名)から直輸入してきたCB。昨年はギラヴァンツに、今年は讃岐にレンタル中。こないだFWやらされた上に点取っててワロタ。

FWファンウィジョ(韓国 2017.7〜在籍中)

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 今のガンバのエース。リンスの欄で言及したACL城南戦で、ガンバ相手にありえねえスーパーゴールを叩き込んだのはこの人。それ以降ガンバはウィジョをロックオン。2年連続でラブコールを送り、満を辞して獲得した。ガンバって自分たちから点取った選手を獲得するのが好きなんだよね。かつてのパウリーニョしかり、川西しかり。ウィジョもその系統です。

 公式キャッチフレーズの『激情の虎』はウィジョをよく表している名文句だと思う。この選手ほどゴールに飢えている選手は見たことない。ゴールジャンキー。ネットを揺らさなければ生きていけない。そんなスタイル。そんな生き様。昨年チームが不調だった時期にウィジョ以外からまるで得点の匂いがしなかったのは、もちろん他の選手の問題もあるだろうけれど、ウィジョが放つムンムンのゴール臭が強烈すぎて、他人のそれをかき消していたんだと思う。そんなことある?

 昨季は得点ランク3位に輝いてベストイレブン入り、韓国代表でも大活躍して『ソンフンミンに並ぶスター』と評されて飛躍のシーズンとなった。しかし今シーズンは疲労が溜まっているのか、なかなか点を取れていない。ウィジョの復調を気長に待ってられるほどの余裕はないので、早いとこトップフォームを取り戻してほしい。海外移籍も噂されているけれど、どうなるんだろ。

MFマテウス・ジェズス(ブラジル 2018.3〜2018.8)

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 クルピが連れてきたドレッドヘアのブラジル人ボランチ。今ちゃんが離脱中だったので、中盤の強度を高めるために緊急補強した。けれど守備が軽くて「チョイスミスだろこれ…」と誰もが突っ込みたくなるようなプレースタイルだった。「そこにスペースがあるから」と言わんばかりに猛然とドリブルで突っ込み、ご自慢の強烈ミドルも一本のみのお披露目にとどまった。試合には出ていたが宮本監督の構想には合わなかったようで、クルピの解任とともに契約解除でグッドバイ。ただ潜在能力は相当あるし、まだ22歳と若い。現にその後のブラジル2部での活躍が認められて、ついこないだ名門コリンチャンスに移籍した。第二のフッキとなれるか。楽しみである。

DFキムヨングォン(韓国 2019〜在籍中)

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 待望のお強いCB。現役韓国代表主将。なかなか正式発表されなかったので「恒例の来る来る詐欺」「ファビオと契約し直すのか」「西野と契約(以下略)」と不安で胸がいっぱいになっていたので、加入発表の時の喜びようがすごかった。近年移籍市場で敗戦が続いているもんで、我々も疑心暗鬼になっているんですよ…。加入当初はミスも多く不安定だったが、ここ最近はだんだん安定してきている。まだ売りの正確なロングフィードは見せてもらえてないが、まだ待てる。スピードがあって空中戦に強いので、長い間ガンバの守備の要として活躍してほしい。試合前にエンブレム叩いたり、負けた後の挨拶で誰よりも長く深々とお辞儀をする姿を見せられたら、応援しないわけにはいかないでしょ。

MFコンチャ(スペイン 2019.3〜在籍中)

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 サンダルの人(別人だった)。U22スペイン代表の経験者。かつてはバルセロナBに所属。つまり今をときめく久保くんさんのパイセン。長いこと行方不明だったが最近はU23で存在を確認できている。スピードのあるサイドアタッカーらしいけれど、プレーを見てないからなんとも言えないね。というか今気づいたけれど、ヨーロッパ人初登場じゃん。マジで韓国人とブラジル人しかいなかったんだ…。

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確かに別人である

 総勢35名、なんとか終わらせることができました。このnoteでは色々言いましたが、基本的に来てくれた選手全員に対してこの度はこんな私を選んでくれてどうもありがとうというスタンスです。

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西野といえば

最後に

 正直もう終わったと思うでしょ?もうちっとだけ続きます。「もうお腹いっぱいだよ〜」って方はご自由にブラウザを閉じてください

 書いていて思ったのは、今いる選手の方が記憶も鮮明だろうに、意外にも昔いた選手についての文章の方が長くなりがちになっているな〜と。ついつい選手にまつわる思い出を語りたくなるし、そのエピソードに絡めてかつての自分の心情が思い起こされたりするので、自然と叙情的な文章になっていって面白かったです。

 近年はかつてのように圧倒的な外国籍選手が無双するようなリーグではなくなりました。お金をかければ活躍が保証されるわけでもありませんし、逆もまた然りです。鬼が出るか蛇が出るか、はたまた仏が出るかわからない、博打みたいなものです。でも頭一つ抜け出したい、もっと優れた選手で他クラブより優位に立ちたいと思った時に、助っ人として彼らを呼び寄せるのはこれからも変わらないでしょう。未知数であるがゆえに獲得だけで現有戦力へのカンフル剤となり、実際にフィットすればこれ以上なく心強い味方になるのが外国籍選手です。「謎外人」「謎ルート」と言いながらも、「もしかしたら奇跡的にフィットするんじゃねえか…?」と多少は思っている。そして我々サポーターは、そんな選手たちが期待以上の活躍をすることを心のどこかで期待しつつ、口では不安だと言いながらもワクワクしながら彼らを見つめているのです。ハラハラかもしれませんね。それは人それぞれです。

 文化から言語から何もかも違う極東の島国まで、ただサッカーをするためだけにやってくる彼ら全員を尊敬していますし、その魅力的なプレーで我々を楽しませてくれることに感謝しながら、ガンバ大阪歴代外国籍選手列伝を締めさせていただきます。長々とお付き合いいただきありがとうございました!

ではまた


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