記憶の行方#白い空
「あったっけ?そんなこと」
「あった、あったよ」
「ええー覚えてないよ」
「ひどいね」
「ごめん、覚えてないわ」
私たちは、当てどなく歩き、夢を見ていたのだと思う。
………………………………。ー、永劫。
「何やってるの?」
「靴の紐、結いてる」
「ええー??、靴の紐はいいからー、早く来て、みんな、待ってるから」
僕は玄関から飛び出した。
……………………………….。
「宇宙飛行士になるから」
「ええ?車酔い激しい人が宇宙飛行士になるの?そりゃ面白いね」
「広い世界を見ろって誰か言ってたね」
「『Go』だよ。それ、」
「go go!!」
私たちは、形のわからぬ家族になろうとしていた。