記憶の行方#サントリーホール
「いいホールも楽器の一つ」と、タクトを振っている横山奏さんがいっていたことですが、サントリーホールで生演奏を聴くと、なるほど、と、うなずけます。マイクなしで、生音が響く素晴らしい天井や壁、席の並びの設計にいたく感動していた。
音がぐるぐるめぐって、わっちゃー、耳がぐらぐら、車酔いみたいな感覚に陥るホールもある。それは、どことは、言わないでよいですね。
竹林の竹に溜まった水が発酵して、お酒に。なんて、ことを熊楠さんも発見していたかもしれないのだけれど、そんな誰も気づかないような小さな小さな発見を、見るようでした。
お酒が発酵する酒蔵にも似ており、熟成される音が静かに響き渡る。音の合間に訪れる無音がしっかり感じられる。サントリーホールすごいな。
リハ、リハ、リハ、そして、リハ。の日々。
合間にのんびりクラシックを聴いた。
午後のお茶は、カモミールティーで、もう、そのあとは昼寝する勢いでリラックス。
多幸感があとからあとからやってくる。
ホールの響きと、聴きに来た方の温かい眼差し。
ハンドサインで、踊るようにタクトを振る指揮者は、どんな音を聴いているのでしょうね。ほんの少し、観客より早く音を捉えている人。舞台に立つ方のしゃんとした背中は、説得力がある。
そして、今日は、エネルギッシュな踊りを観て、熱量をクールダウンするのに、時間をかけている。
春はやってきた。馬車には乗っていないけれど。