記憶の行方#ソリッドカラーの中央線

バスを待つ間に、見慣れた風景を、視線を少し上にして見ると、商店街にメインロードの旗がはためいていた。目の前の道が王道だったとは、わたしはいつも横道を歩いている。

ソリッドカラーの中央線が走っている頃、ひなびたアパートから小さな2階建ての家に引っ越した。

急な坂道をえっちらこっちら自転車をこいで坂道をのぼり、保育園まで子を預けて、仕事に出かけて、帰りは、急降下で、風を切って自宅まで帰る。

朝が苦手で、青白いまま、仕事をしていたと思う。

何の仕事をしていたのか、まるで思い出せないですが、何やら忙しかった。

killing floorというバンドの音源をよく聴いていた。

自転車をのぼるときは、ダブが流れていて、下るときは、ビルエバンスとジムホールの「アンダーカレント」の一曲目が脳内で流れていた。

夕焼けとビルエバンスは、相性がよいなぁと思う。

久々の休日は、子と過ごすことが増えた。これまで、わたしと一緒に過ごすことは、少なく、子は他人と過ごすことが多かった。

10代半ばにして、何か出来るかといえば、案外出来ないことが多い。こどもというには、大きくて、大人というには、未熟過ぎる。

散歩しながら、帰りゆくパンツスタイルの学生服を着た女子を見て、最近は、どちらも選べるんだよ。

と、ぽつりぽつり話し始めた。

安倍吉俊さんの配信イベントの申し込みをしたらしいが、初期設定の職業が漫画家で、学生は……。

ひとまず、描く、コント考えた、とか、とりあえず、立って、座って、歩く時間も伸びてきて、「起立性頭痛」は、減って来ているらしい。

自宅に戻ると、健診結果が郵送されていた。健康診断A、しかし、胃炎ぎみ、と診断。

思春期男子も保護者も胃は荒れぎみだ。

今夜はキャベツスープかな。


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