フジロック2022とproms
急にLINEが届いた。海外に行っている友人からでした。
フジロックを配信で、観ているんだけれど……
えらい長文のLINEで、3通届いており、
要約すると、
「角野隼人すごいじゃん、ショパコンの時よりこっちが好きかなぁ。これは、たたかっている、坂本龍一を超えてほしいね、あ、ごめんごめん、隼斗だった。」
なんと、偶然、同時間に、トークなし、50分、クールだったな、と、観終わっていたところだった。
ショパンのエチュードのオマージュと思われるオリジナル曲「胎動」は、夜より、昼間の胎動、のイメージで、晴れやかで、まあ、元気にお育ちになりました。もうすぐ、産まれそうですね。といった、おめでたいお祝いの音楽に聴こえた。
サン=サーンスの「死の舞踏」は、リスト編曲なはずなんですが、角野さんが弾くとまた、なんか、違う。怖いんだけれど、軽やかに骸骨が踊る。
ちょうど、ペストが流行った時期に、流行った音楽って……タランテラだったんだっけか。と、急に調べたくなった。江戸に流行った念仏踊りも疫病が流行ってしまい、踊ってないとやってられないのよ、と、流行ったはずで、このご時世と、なんだか、物騒なほど、死者が出ている現実はあり、踊らないと乗り切れない、と、踊ってみていた。
死者をまつるダンス曲なんだけれど、これは、ロック好きな方にヒットするのでは……と、背中を見ていた。観客の後ろ姿が立ちすくしており、カッコよすぎて、もしかして、かたまってしまったのでしょうか。
「英雄ポロネーズ」ショパンの曲の中では、手紙の意味が強い曲だと思う。
何か反応したいんだけれど、どうしたらいいんだろうか……という雰囲気に……得体の知れないものを見てしまったような、緊張感の中、
坂本龍一さんの「千のナイフ」では、アップライトピアノとルーパーが使われていて、一人連弾。
あっ知ってる曲ーと、いう反応で、なんか、いいよね。と、少し揺れ始めて、
カプスーチンの「トッカティーナ」では、肩が揺れ、これは、めっさ、大騒ぎしてよい曲だと思うんだけれど、少しずつ、なんか、あたたかい雰囲気に。
「ラプソディーインブルー」では、観客からハンドクラップスが始まった!!!これは、嬉しい。なぜか、涙が滲んだ。のだめが、聴いていたら、「ぶきゅーあー!!!すごいピアノを聴いてしまった。千秋センパイ、ピアノの練習に付き合ってください。」
いてもたってもいられず、ピアノの前に座ってしまうんではないかと思う。
即興部分が晴れやか、こどもももしかしたらまねしやすい、左の指で一音だけ、連打があり、少しずつ、演奏者や奏でられる音楽と観客の距離が少しずつ知らない方同士がちょっとずつ、知られていく、そんな時間のようにも見えた。
個人的には、バッハが一番ロックだなぁ、と聴いていて思ったのですが、ロックは、そもそも、クラシック音楽の中に含まれている範疇なんだと聴いていて思った。
皆さんお気づきのように、16ビートは、転がるようなリズムです。
裸足で登場した角野さん。音楽は、いろんな垣根をこえる瞬間を垣間見た。そして、その姿は、とても、誇らしかった。白シャツに黒パンツで、一礼するお辞儀は、サントリーホールでするお辞儀と変わらない。
ピアノに囲まれて、緑の山間に鳥の鳴き声が入り、マージナリアかな、という瞬間もあり、微笑ましかった。
どうやら、鳥もロックの好きな人々も、角野さんの存在を見つけたらしい。
いったい、どこまで行ってしまうのだろう、案外、商店街を歩いている、そんな、フラットなノリもありますが、
イギリスで大きなクラシックフェス、
BBC Promsがあるのですが、なんと、今年は、日本で、大阪は、ザ・シンフォニーホールで、東京は、Bunkamuraオーチャードホールで、行われる。
ん?なんで?嬉しいんだが、イギリスで聴いてみたいと思っていたが、今年は日本で聴ける。楽しみだ。チケットとれるのだろうか……はて。
追記:配信を見終わった後に、サン=サーンスとリストの「死の舞踏」について、調べていました。へぇ、と、驚いていた。
フジロックで聴いた「死の舞踏」は、スペイン語のようだったなぁ。と、思い出していました。
追記2:曲順が前後していたけれど、1曲目が
「死の舞踏」
それから、「追憶」これは、ショパンがかいたマズルカ風ロンドに触発された曲のようです。SpotifyやApple musicなどで、配信が始まっており、ショパンの曲と聴き比べると楽しい。
オラフソンもそうですが、クラシックをどのように解釈して、表出するか、今を生きる音楽家ならではのアプローチなんだろうなぁと、思う。
今後も楽しみだ。