不思議な体験
夏なので夏向きの話を…
というわけではないのですが、
たまたま出会ってしまった
みぞおち空間 さん
彼女の記事を読んだら、
自分の不思議体験も書きたくなってしまいました。
私は特別霊感が強いわけではなく、
たぶん人並みに、ここは近寄りたくないな…とか、
苦手だな…と感じる場所がほんの少し、あるくらいです。
成長期の多感な頃はよく金縛りにあいました。
でもそれも、体と頭の疲れのバランスが悪いから、、
とかなんとかで、
さほど気にとめていませんでした。
大学生になり、一人暮らしを始めた家がちょっと私には辛い家でした。
小田急線沿線の一軒家。
先輩とシェアして住むことになりました。
それぞれピアノを入れていたのですが、お互いの練習の音はあまり聞こえてこない造りの大きなお家でした。
先輩はすでに3年、この家に住んでいました。
私の部屋は南西北に窓がある、明るい2階でした。
ただ、この部屋のお向かいの部屋には、大家さんが置いていった市松人形がずらりと並んでいて…
私はこのお人形が苦手。
自室に入る前、できるだけこの部屋を見ないようにしました。
お隣の家は、近くの大学の男子専用の下宿屋さんで、夜遅くなっても賑やかでした。
ある時から、夜になるといつも金縛りにあいました。
まあいつものことか、とやり過ごしていたのですが、
少しずつ、パターンが変わってきたのです。
聞こえるし見えるし、怖くて目を閉じるともはや、そばに誰か人の気配すら感じるのです。
ある日の夜中、下に住んでる先輩が階段を上がってきて「さこちゃん、電話よ!」と、ドアをノックしました。
けれど金縛りにあっていて体が動かない。声も出せない。
こんな夜中に、家で何かあったのだろうかと、心配なのに!
その後、きっと寝てしまったんだろうと思います。
翌日、夕方に階下のキッチンで先輩と一緒にご飯を作りながら、
「昨日はすみませんでした。せっかく起こしに来てくれたのに。」
というと、
「私昨夜友だちの家に泊まって、さっき帰ってきたのよ。」
と…。
あー、なんてことだ。。。
次に金縛りにあったら目を閉じずに見ておこうと思いました。
その晩は一層、お向かいの下宿の男子たちが賑やかでした。
金縛りにあいながら、皆んなの笑い声が聞こえています。
その中に聞きなれない声が聞こえてきました。
あ、来たか。
目を閉じずにいると、天井の隅の光がだんだん大きくなってきて、人の顔になりました。
知らない人でした。
白髪で品の良さげなおじいさんでした。
目があった気がした途端、部屋中をまわり、何か言っていました。
まもなく静かになり、気がついたらまた翌朝でした。
そんな頃、大家さんから、
この家は来年取り壊すことになったから出て行ってほしいと申し出がありました。
引っ越し間近のある日、
先輩と私は、大家さんが「絶対入らないで」と言ってた部屋が気になり、最後だしということで、2人でそうっと開けて入りました。
すると、そこは今も誰かが生活しているのかと思えるほど暖かくて、整理整頓もされていて、なぜかほっとするような部屋でした。
壁一面に法律に関する本がずらりと並び、大きな机がありました。
「たしか、ここの亡くなられた旦那様は法律のお仕事をされていたのよね」と先輩の話を聞き、「あ、あの人かな…」と、思ってしまいました。
不思議にその日から引っ越すまでの2ヶ月間、一度も金縛りにあわなくなりました。