10年ぶりのブーニン
1985年のショパンコンクールで19歳で1位になった、ピアノの貴公子スタニスラフ・ブーニン。
以後、世界最高峰のピアニストとして活躍していた。
ところが、ぱったり音沙汰無しになってしまい、日本在住らしいとか病気らしいとか、噂はちらほら耳にした。
活動休止して、指揮や作曲の方を目指して勉強してるのかな…などと余計なお世話なことを思ったりもしていた。
昨年夏、ブーニンが久しぶりにコンサートツアーをすると聞き、早速チケットを取った。
先日1月8日、大阪ザ・シンフォニーホール。
この日までブーニンの身の上に何が起きていたのか全く知らなかった。
彼は怪我と病気のため足を切断し、肩も痛めていたのだそうだ。
この10年間、ピアノ以外の道も考えたそうだ。けれど、やはりピアノ以外のことは考えられず、少しずつできる範囲で復帰しようということで、今回のツアーを決めたと。
ステージには以前とは違うブーニンがいた。
見た目は杖をついている事以外変わらないけど、
明らかに演奏は違う。
でも、新しいブーニンを聴くことができた。
自分の家族に聴かせているような、暖かい感じがした。
私も、お隣の女性も泣いていた。
シンフォニーホールは大きすぎる。
いつかもう少し小さいホールで、小品をたくさん聴いてみたい。
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