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無事に終わった!

昨日
夫が無事にコンサートを終えることができました。
無事に…という言葉がこれほど身に染みたことはなかったです。

そして、不自由な左手のために右手だけの指揮。
抜鉤したばかりの頭。
本人も団員さんも、どんな演奏会になるのか、
不安と期待でいっぱいでした。

団員の皆さんは指揮のどんな細かい感性も見逃すまいと、
いつもに増しての集中した演奏。
一人ひとり、極上の音を奏でていました。

オープニングはロッシーニの『ウィリアムテル』序曲。
この曲の終盤は『スイス軍の行進』という、その昔某お笑い番組のオープニングで使われていた曲です。

そしてビゼーのカルメン組曲と続き、
メインはリムスキー=コルサコフ交響組曲『シェへラザード』

オケの皆さんとアイコンタクトをとりたいからと、いつも暗譜で指揮する夫ですが、シェヘラザードはとても暗譜するのが難しくて、だいぶ苦労したみたいです。
譜めくりができない(包帯のため)ので何としても!頑張りました。



無事に演奏を終えて、2019年以来の打ち上げ。

久しぶりの打ち上げとあって、それぞれの楽器の代表の人がひと言スピーチすることになりました。

その中でチェロの客演トップの方が 
「この曲を演ると聞いた時、本当か?!と思いました」と仰った。

『ウィリアムテル序曲』

この曲の冒頭のチェロ五重奏はとても美しいのです。でもそれだけに難しい。ということを言いたいのかしらと思っていたら…
「『この曲を演奏すると、そのオーケストラに良くないことが起きる』と言われてるでしょ?
先生の怪我の話を聞いた時、うわ!っと思いました。
その後本番まで皆が無事に過ごせるように祈ってましたよぉ。
先生がお一人で(良くないことを)全部引き受けてくださってありがとうございました!」
と。
団員一同、え〜っ!!とざわめきましたが、何かしらそれぞれ皆さんの身の上にも思い当たる事が多少あったようで…
ということは何を演奏してもいつ演奏しても一緒やね〜と丸く収まり(笑)

夫は「今回のことで皆さんからこんなにも愛され、大事にされている者はいないと、心から思いました。
これからももっと皆さんと音楽を楽しんでいきたいからますます頑張ります!」
とスピーチしていた。

夫は、人に対して頑張るよ!とか、頑張って!という言葉はあまり言わない。
滅多に聞かない夫の「頑張ります」にはこみあげるものがあった。

怪我なんてしたことのない夫。
今回は笑って済んだけど。
ほんの一瞬の時間差で人生が変わってしまうのだ、と考えさせられることもあって…

どんな時もどんな事も背中合わせ。

先ずは皆さんに協力していただいた事、心配していただいたことに心から感謝したのでした。




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